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何の曇りも愛想も無い真っ白。
「ソバはどんな痩せた土地でもよく育ち、三ヶ月で収穫できる」といいますが本当です。種を蒔いたら確実にじゃんじゃん芽が出てきますし、二ヶ月もたたないうちにこの真っ白の花が咲き出します。全国どこの山地にもソバの名所があるのはむベなるかな。よく「飢饉のとき飢えを救った」という伝説がありますね。鹿児島でも霧島のソバがおいしいです。
その上、高血圧や動脈硬化血管強化に骨粗鬆症予防に効果があるという、ルチンを含むのです。無敵であります。
話ではルチンは茹でると水に溶け出してしまうので、蕎麦湯は飲んだほうがいいとのこと。その理屈だとソバガキのほうが栄養があるわけですね。
そういえば大好きなマンガ「MASTERキートン」(全19巻・勝鹿北星・浦沢直樹著・小学館)の中で、「東欧では、ソーセージの中にソバの実を入れる。それが故郷の味である」というエピソードがあり、「ソバの実入りソーセージかあ!どんな味なんだろう?」とワクワクしました。 あのマンガでは主人公の平賀・キートン・太一さんが、保険探偵業で世界中をまわっておいしいものを食べてました。そのいちいちがたまらんおいしそうで。あ、日本に帰ってきたときも平賀家が所有する山の中の田舎家で、動物学者のお父さんの太平さんと手打ちソバを打ってたな。それで、とれたての新鮮な山葵で食べてたな。あれもおいしそうだったなあ~~。
ギリシア語の「秩序(kosmos)」から、「整然と星のきらめく宇宙」と「整然と花びらの並ぶ花」が同じ名前になったそうで。なんともはや大仰なことです。鹿児島人と大阪人はラテンノリに近いといわれてますが、この地中海沿岸センスいまいちわかりません。
花は優しい色合いでゆらゆら揺れるは、葉も茎も細いはと、いかにも弱々しそうなくせに、これがまた頑丈なの。ちょっとやそっと台風で倒れても、倒れたところから根が出てきて起き上がってきます。ゾンビごときでは太刀打ちできない打たれ強さ。
萩のエントリーでも申し上げましたが、この「ちょっと見弱々、でも中身は頑丈の極致」これがおなごの究極の理想であろうと思われます。
かくありたきものよ。
車の中でラジオを聞いていたら、「最近の若い女性のほとんどが『秋の七草』という言葉を知らず、七草の種類も言えない」というどこやらの調査結果がニュースされていました。
・・・・・あのなあ。
「秋の七草を全部そらで言える人」って、別に「若い女性」でなくても今や少数派じゃございやせんかね。「若い男性」はもっと知らないだろうし、はっきりいって60代だろうが80代だろうが男だろうが女だろうが、そらで言える人は少ないと思うぞ。
なんでことさら「若い女性」なの?「女子供が知っておくべき教養で男は知らなくてもいい瑣末な事」という判断なのかしら?「秋の七草」の元歌「萩の花 尾花 くず花 なでしこの花 をみなへし またふじばかま 朝顔の花」を作ったのは万葉歌人山上憶良で、どうみても立派なおっさんですが。
ちゅうか、昔はふんだんにそこらにあった秋の七草が、うちみたいな山の中ならともかく、都会では見ることができなくなってしまったのは、結果若い衆がそういう植物に慣れ親しむ事がなくなってしまったのは、いっちゃあなんだけどおっさんたちが一生懸命国土を切り崩してせっせと箱物公共事業をやってきたせいでしょ?
さらに言うなら、あえてこの調査をすることを決めたおっさん(どこの誰かしたんけれどおっさんと決めつけている。どうせどっかのエライさんだろう)は、秋の七草をそらでいえたんだ?それで現物の秋の七草をちゃんと野っぱらで区別できるんだ?
どうにも疑わしいぞ。
「椿屋敷」と名乗るぐらいですから、もう庭中畑中椿の木だらけです。今の時期だとその椿の木にどんどん実がなっています。
ご存知のように椿の実からは椿油が採れます。髪油によし、それと刃物の錆止め油にとてもいいのです。オリーブ油と成分が似ているといいます。薄くよく伸びて水をはじく膜を作ってくれる油なのです。
「この実を砕いて少量の水を加えて小鍋で煮詰めた液で、着物を洗い張りすると、生地を痛めずに綺麗にすることができる。特に大島紬によい」と聞き、うなりました。
去年亡くなってしまったお知りあいが、着物の仕立てと洗い張りが上手な方でした。その方はずっとこの「自家製椿の実洗剤」で高級着物の手入れをしてきたのでした。確かに50年も60年も昔の着物が、美しくしかし落ち着いた生地のままでした。
惜しむらくは、せっかくその方が「洗い張りを教えてあげましょうか?」といってくださっていたのに、当時のわたくしには余裕が無くて話を聞くだけで、習う事ができなかった事です。
今にして思います。あたしのばかばかばか。
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