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五人の子供がいるご家庭に、うちのマンガを譲ろうと整理中です。「おれは鉄兵」(ちばてつや著・講談社)もでてきました。「あげる前にも一度読んどこ」などと欲が出てなかなか整理が進みません。
10年ぶりぐらいに読みましたが、これまたびっくりした!!
なんかねえ、鉄兵とオヤジ、作中じゃ「埋蔵金探しのためにどん底生活を送っている」って設定のはずだったんだけど、なんかぜーんぜんどん底じゃないの。山の中で二人が住んでいる小屋は実際住み心地がよさそうよ。竈でおいしそうなご飯炊いて食べてさ。ドラム缶の風呂に入ってさ。ヘビやネズミやそのほかのペットまで飼ってやんの。お布団もちゃんと畳んで、ゴミも無し。こんなんいまどきのホームレスや引きこもりのほうがよっぽどひどい生活をしてると思う。
さらにいうなら鉄兵の学校生活。「野生児で授業に適応できず厄介者」という設定だったはずだけど・・・・・・・・・いまどきの学級崩壊を考えるとねえ、この程度の生徒ならぜんぜんOKの範囲じゃん。30年前にはこれでも「普通の生徒」からはずれてたのか・・・・・・・・愕然。というほど、周りの「普通の生徒」がものすごく行儀がいい。みんな真面目だし。
あと、王臨学園の剣道部も東台寺学園の剣道部も合宿したり、学生寮で寮生活したりしてるんだけど、すごいのよ。たかだか高校生や中学生の合宿なのにみんな脚付き膳で食事してるの。折りたたみ式の長テーブルなんかじゃないのよ。なんなの?この上品さ。
合宿所には大きな竈がいくつもあって、おばちゃんたちが手ぬぐい被って大釜でおいしそうなご飯炊いてるし。「お金かかってない」という設定のはずなんだけど。
30何年か前のマンガだけど、なんなの?この豊かさ。ちばてつやが当時「普通」とか「貧しい」とかのつもりで描いていることは、今となってはとんでもなく贅沢なことになってしまっているんだなあ。
いったい、あれからたった30年の間に何を捨ててきたの?ニッポン。
こないだ遺言状を作ったときに元検事の公証人に聞いた話です。
聞いてみたんですね。
「たとえば、たとえばの話ですが、子供が相続するはずの財産を親が使いこんじゃったら、その罰はどうなるんですか?」
「もちろん犯罪です。」
「そりゃそうですよね!!・・・・・・・・なら安心」
「犯罪ですが、家族の間での犯罪は罰則がありません」
「はあ!?罰が無い?・・・・・・・・・犯罪なんでしょ!?」
「犯罪ですが、家族間のことに法は関与しないのが原則なのです。」
・・・・・・・・なんだそりゃあ!!どんなにろくでなしの父親でも、ひとでなしの母親でも、血がつながってるってだけで、子供のお金使い込んでも罪にならんのかよ!!もちろんその逆もありってことね。
なんだよ、この「血筋至上主義」。いまやこれほど家族間の犯罪が普通になってきてるのに、まだ法の上では「親兄弟の関係とは、美しくも至上のもの」ってことになってるわけか。いつの時代の話よ。
ちゅうか「家族」「血族」というものがそれほど美しく無条件に信用できるモノだった時代が、いつどこにあったんだ!?
立会人を頼んだ友人は、ろくでなしの元亭主とやっと別れる事ができ、五人の子供を女手一つで苦労して育てている人だ。その彼女が「・・・・・・・なんだか、血のつながりの一番毒々しいところ、それを後生大事にしてるのね・・・・・そのくせ親を殺せば『尊属殺人』なんて罪を重くするくせに」と、吐き捨てるようにつぶやいた。
ほんとうに。毒々しい。なんだそれ。そんな法律早く変えろ。
ここではっきり公表できないんだけれど、ごく近い人が裁判員のくじに当たってます。まったく籤運がいいんだか悪いんだか。
んで、鹿児島地方裁判所から分厚い封筒が書留で来て、「12月○日(ウイークデーである)、午後一時半、裁判所の裁判員準備室(とか言うような名前だった。うろ覚え)に来なさい。受付は30分前からやっているから早めに来るべし。なおこれは裁判員に選ばれる前の準備であって、これに来たから即、裁判員になるというわけではない。しかしこれに来なかったら10万円以下の罰金を科すぞよ。」とかいう内容のお手紙と、「刑事裁判とは」というような分厚くてびっしり文字だらけのマニュアルが入ってました。「読んでおけ」とよ。
だいたい、普通に働く堅気の大人がそうそう平日の一時半に裁判所にいけるかァ?「庶民感覚」とか言って、こっからまったく「庶民」じゃないだろ。保険の契約書みたいな細かい文字でびっしり書かれた(老眼の人は目が回るだろ)マニュアル、受験勉強じゃあるまいし、なんでこんなもの読まんないかんのじゃ?!
もう何度も書いてるけれど、いったい、どこの、誰が、裁判員制度なんてこんな事決めた?!
あたしはまったく納得してないぞ!!
というわけでカーテンを掛けはじめたんですが、カーテンフックが足りなくなっていて、ホームセンター・ニシムタに買いに行ったわけです。
8本入り¥140。安いもんですな。カーテンを一枚ガラス窓にかけるだけで、ぜんぜん熱効率が違いますよねえ~。それを思えばますます安い。
今年の冬は家のあちこちにカーテンとかアコーデオンカーテンとかで間仕切りを作って、もっと熱効率を高くしようと思ってます。カーテンだったら猫が自由に出入りできるし、破いたり爪を研いだりすることも無いしな。
町内会の忘年会があるから、猫がびりびりに破いた障子や襖も張り替えねばなりません。でも張り替えたら隙間風が無くなって暖かさが違ってくる。そう、どっちみち張り替えなくちゃだったんだ。ぐずぐず言わずにとりかかれっちゅうのあたし。
あな情けなや、とにかくリビングに散らばっているマンガを片付けないと、絨毯も敷けず炬燵も出せません。寒い。
ということで引き続きマンガ整理をやッちょります。まったくはかどりません!!なんやかやとすぐ読んでしまうからです。この意志の弱さよ。
隅っこから「エースをねらえ」(山本鈴実香著・集英社)が出てきました。思わず読む。
んで、驚く。まるでSF。わずか3,40年前の日本の話のはずですが・・・・・・
一番驚いたのは主人公のひろみのナイーヴさですね。とにかくよく泣く。ビービー泣く。人のことばかり気にしてる。うーーーん、3,40年前に10代後半の世代の女が(今50~60代だぞ)、こんなに 繊細かァ?日本の歴史開闢以来のずうずうしい女どもの先駆けだと思うが?いや、自分のことを「ナイーヴ」だの「繊細」だのと思い込めるってことは、やっぱずうずうしいのか。
彼女たちが荒縄のような図太い神経で世の中を渡る先鞭をつけてくれたおかげで、いまや日本の女たちは鋼鉄のワイヤー並みの神経になってしまったのだぞよ。なんせ「のだめ」ですよ。花の都パリに行こうがゴーイング・マイウェイ。パンツ見せて池にドボン。お貴族様のお城でモーツアルトのコスプレして「楽しんで弾くので頑張って聞いてください」ですよ。「BOSS」ですよ。「ヤマムラ~!!今、無性に殴りたい~!!」と、年上の男の部下を顎で使う図太さですよ。
ナイーヴなひろみを、よってたかって回り中が腫れ物に触るような扱い。特に宗方コーチ。この男がまじSF。40年前の日本にはこういう男が現実に生息していたのであろうか?信じがたい。ちゅうかこういう男を「理想」として据えるところが時代やのう~。そばにいたら超ウザイと思うぞ。
そういや、あの頃のマンガってこういうの多かったな。「アラベスク」のミロノフ先生とかさ。絶対的な価値観と美学を持つ「コーチ」とか「先生」とか「師匠」とかが「こんなつまらないわたしを見出してくださる」という、シンデレラストーリーのど根性バージョン。
うーーーーーむ。やはり時代やのう~~。話はなんだかんだ言っておもしろいんだけれどなァ。
実はアンズに手と顔と5,6箇所噛まれました。かなり本気で噛まれたので、傷は深く、腫れて、まだ顎と指が痺れてます。
本来、人を噛む子ではないのですが。訓練の最中おとなりの畑に脱走して、狸用の挟み罠に前足を挟まれてしまったのです。んで、助けようとしたわたくしを敵と勘違いして噛みまくったと。すぐ罠を拡げてやったので彼女自身はまったくの無傷。
わたくしの病院代は¥1200で済みましたが、保険の利かない彼女がもし怪我をしたら¥12000かかったりするので、まあ良しとしましょう。
以前にもらったオゼックスという抗生物質を噛まれた直後に飲みましたし、ゲンタシンという塗り薬を塗りましたので、敗血症や破傷風にもならすにすみました。念のため翌日病院に行きましたが「その対処で正解」とおっしゃっていただきオゼックスの追加分をいただきました。
「ただ、消毒はしといたほうがいいよ。ご家庭に備えるなら沁みるけれどオキシドールが一番だね。どうもいろいろあるみたいだから常備しといたほうがいいよ」とご忠告を受け、早速近くのドラッグイレブンで脱脂綿とピンセットと買ってきました。
100mlで¥105。安いよなあ~。ほんと野外でする作業が多く、ましてや動物を飼ってたら、この手の消毒薬や外用薬は常備しとかなきゃね。怪我を負った直後の手当てが、予後の状況を左右するもんな。動物が怪我したときも使えるもんね。
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