椿屋敷のお客様

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2007年1月 2日 (火)

鋼の錬金術師15巻

Nec_0004_23  太平洋戦争が日本の敗戦で終わった1945年、今の70歳は9歳かそこらだったわけであります。十分物心がついておりますので戦争について断片的にでも覚えてらっしゃいます。80歳、90歳ともなると青年期~壮年期、人生の盛りに戦争。

介護の仕事をしていたので、それはそれは多くのその世代の方たちと話す機会がありましたが、太平洋戦争を肯定的に語る方についぞお会いしたことがありません。南方戦線で、満州で、太平洋で、シベリアで、沖縄で、本土で、殺されたり、殺したり文字通りの極限状況を生き延びてきた方たち。その言葉は重い。現実の体験からくる真実だから。

ネット右翼とかファッション右翼とか、国際情勢や日本の現実と遊離した過激な戦争待望論を展開してみせる連中のセンスがまったくわかりません。まわりに70歳以上の人間はおらんのか?こんだけ高齢化社会となっておるのに。

もっともごくわずかですが満州国や太平洋戦争でおいしい思いをして、占領軍にもうまく立ち回った先代や先先代を持つ家というのもございますれば(こういうのがホントの売国奴でしょ)。そういう家のジジイは「戦争はいいぞ~」と教育するのでしょうね。誰とは言いませんがそういう家の二代目や三代目のおぼっちゃまくん。お話になりませぬわ。

というところで「鋼の錬金術師15巻」(荒川弘著・スクエアエニックス)です。

「こうきたか~!・・・・・・・」

と思わず唸る、重い重い内容です。なにせ全編「イシュヴァールの殲滅戦」だもん。息もできないほど重い。

マスタング大佐やホークアイ中尉がこんな過去を背負っているのなら、これは生涯かけてこの傷を乗り越えていく以外に生きる道はないわなあ・・・・・

「元気で勇気があって情が深い少年たちの冒険物語」だった当初からかなり遠いところへきてしまいました。とはいえこの巻はどうしても必要な巻でしたね。これが語られないと物語は先に進まない。歴史ってのはそんなもんだよな。

2006年12月17日 (日)

医龍12巻

Nec_0031_27 昔からまあ早寝早起きだったわけですが、特に最近拍車がかかり、365日9時に寝て4時に起きる生活が続いています。このペースを守らないと体がきついの!夜更かしなぞした日にゃあ一週間ぐらいはボーーッと過ごす羽目になってしまうので、そんな目に遭うぐらいなら規則正しく生活したほうがまし。健康の維持のためにもこのペースが一番。

TVもほとんど見ないので、ここ十年ぐらい月9だのゴールデンタイムだののドラマを見たことがありません。まあ、見なくたって生活に支障は無いしな。

今年の前半「医龍がドラマ化された」うわさは聞きましたが結局いっぺんも見てないし。評判が良かったようだけれど、気が向いたらDVDで見るかな。マンガの医龍が相変わらずとてもおもしろいので、これで十分なのですよ。

というわけで「医龍12巻」(乃木坂太郎著・小学館)です。

医者という商売も不規則生活の代表みたいな商売で、これに権力とかなんとか絡みだすと「医者の不養生」を絵に描いたような人生を歩む羽目になるよなあ。長生きできるはずがない。12巻で印象的だったのが元UCLA教授様国立笙一郎の息子真悟くんの一言。伊集院の「お父さんみたいな医者になりたいの?」の質問に「なりたいわけないだろ。」ときたもんだ。

「医者なんて一見ホワイトカラーに見えるけど、実際は肉体労働に追われるブルーカラーみたいなもんだろ。」「医者になれる能力があったら医者以外の職についた方が楽に稼げるに決まってる。」

吐き捨てるように言う真悟。

言っちゃったね~。ついに言っちゃったね~。もともと特に外科医なんてのは床屋さんから発展したといわれる商売。大工さんや料理人と変わらない職人世界らしいわけで。それを医療マンガでこれほどずばずばと、しかもこんなガキンチョの口から言わせる。さすが医龍であります。

どうも笙一郎と真悟の国立親子の間には根深い確執があるらしく、真悟暗いです。目が魚の死んだような目です。どうも偉過ぎる親父に押さえつけられたまま心が死んでたようです。

その真悟の目に光が宿る。それは朝田と国立が共にする手術に立ち会った一瞬。「医療に関しては全能」のはずの父の、さらに上を行く人間がいた!!

このシーンがとても印象的に描かれていて、続く話の中で必ずや発展していきそうなネタ。国立、朝田に「UCLAに行け。推薦状を書いてやる。」とか言ってるし。朝田行くらしいですね~~。

とにかく、きわ立ったキャラ続出のこの話の中で、特にお気に入りなのだ、アメリカ帰りコンビの鬼頭教授と国立。次はなにやらかしてくれるのかな~~~。楽しみ~~~。

2006年12月13日 (水)

ヴィンランド・サガ3巻

Nec_0026_25 「アーサー王伝説」は大好きです!前にも書きましたが「エッダとサガ(北欧神話)」と「ロビン・フッド伝説」も大好きです!

特に「アーサー王伝説」と「エッダ」「サガ」はまだヨーロッパをキリスト教が席巻し切れてないころの、ケルト系だのゲルマン系だのの魔法や妖精やなんやかやがたらふく出てきて、八百万の神に慣れ親しんでいる当方としては読むのが楽しくてしょうがないです。

そういう伝説にはなんだかんだいって歴史的事実もちゃんと絡んでいるわけで、「世界史」という教科は大好きでした。だから今の「高校未履修問題」はぜんぜんピンときません。

あんな楽しい教科はないけどなあ。「世界史地図」大好きでした。「地理」より「政治経済」より「世界史」が大事だろう。「世界史」をやればおのずと「地理」も「政治経済」もわかってくるし。なによりおもしろい。

というわけで「ヴィンランド・サガ」3巻(幸村誠著・講談社)です。

「ノルマンの征服」は世界史に出てきましたね~。細かい年代は忘れましたが、ヴァイキング。ワクワクします。幸村氏、「好戦的で残酷で手のつけられない乱暴者ばかりだった」ヴァイキングどもをまったく美化することなく描いています。3巻ではアシェラッドとトルフィンたちもせっせとイングランドの征服に励んでおります。めちゃくちゃやってるぞ~~~!

「戦って戦って死んだらヴァルハラで酒池肉林」が理想の人生のヴァイキングの中には、戦うためだけにイングランド側に走った奴もおるわけで、通称「のっぽのトルケル」という荒武者もその一人。ロンドン橋の防衛戦でトルフィンとの肉弾戦は見ごたえあり。

あいかわらず「策略の鬼」アシェラッドは冴えてるし、ローマ人の廃墟でトルフィンに語る本音とも茶化しともつかないつぶやきは、なかなか含蓄が深い。んで、このアシェラッドがあらたまった名乗りのときにいう「祖先アルトリウスの名にかけて」の「アルトリウス」、これ「アーサー王」のことなんだけど、「エーーーー?!このノンシャランなオヤジがアーサー王の子孫?またまたフカシこいて~。」と思ってたら、なーにがなにが。

このオヤジほんとにアーサー王の子孫らしい。しかも直系の最後の一人らしい。アフタヌーンの連載ではそういっとった。

アシェラッドの過去にもいろいろありそう。女と見まごうデーン王国の王子クヌートもでてきて(この子の近習たちはキリスト教徒。ここらあたりの話も発展しそうなネタ)、ますます目が離せないヴィンランド・サガ。いったいどうなるんでしょう?

2006年12月 7日 (木)

EDEN15巻

Nec_0019_20 阪神大震災のとき大阪の高槻の公団住宅の4階に住んでました。高槻市は有馬-高槻断層の真上です。そらあ~揺れましたよ。マンガで満杯の本棚6棹がスローモーションのようにゆっくり倒れるのを、なすすべもなく寝転がったまま見ていました。頭を直撃しなかったのはまったくの運です。

それ以来「人間先のことはわからんな」と。死は生のカードの裏。ひっくり返るのはなんと容易いことか。

今一番そういうことを考えさせてくれるのがEDEN(既刊15巻・遠藤浩輝著・講談社)です。あいかわらず複雑怪奇な舞台設定ですが、地球規模のコロニーと呼ばれる結晶化と地殻変動の予兆の中で、人々は必死に生き、必死に愛し合っています。

ここ何巻かで主人公エリヤががんばっていた妹マナの奪還作戦にけりが・・・・・。「ええええつ?!!」という結末がついてしまいました。これはショックだわ!遠藤氏のこの作品における基本姿勢「死こそが誰にとっても平等」がここでも生かされて・・・・・。ううううむ。

このマナ奪還作戦で活躍する少女でありながら筋金入りのプロの傭兵であるロジーのキャラが出色。すごいね―――。宿敵ぺトラスとの肉弾戦、ケンジとのコンビネーションプレイ。「アフリカの民族紛争に巻き込まれて9歳のときからゲリラに仕立てあげられてしまった、15歳にしてケンジ並みの修羅場をくぐってきた少女」。この子のケンジに対するほのかな恋心はいったいどこに行くのでしょうか?

「昔の男と捨てたわが娘」に拉致されたソフィアの運命は?

そしてエリヤとミリアムの仲は?

世界中の神話に存在する兄妹神のようなレティアとマーヤとは何者なの?

いろんな謎を残してツー・ビー・コンティニュード。この巻も読み応えあったなあ。

2006年11月27日 (月)

レディ・ギネヴィア

Nec_0041_11 名香智子というマンガ家さんが昔から好きです。信じられないぐらい華麗なカラーを描く人なのですが、お話がこれまた信じられないぐらいえぐかったりします。この人の凄いところは、そのえぐいお話を実にさらりと描いてしまうところです。

「レディ・ギネヴィア」(現在小学館文庫にて入手可能)は20年ぐらい前、新書館の「グレープフルーツ」という雑誌に連載されていて、新所館からものすごく豪華な装丁のハードカバーの上下本が出ていました。今にして思う。「あれ買っときゃよかったよ!」

(得てして本とかマンガは一期一会。巡り合ったときに買わないともう二度と会えなかったりするものです。)

「レディ・ギネヴィア」は、当時の少女マンガにありがちなたいそう浮世離れした設定で、ヒロインのレディ・ギネヴィアがイギリスのキング公爵令嬢。黒髪と緑の瞳の絶世の美女のくせに馬キチガイで、この世の馬という馬の顔は区別がつくが人間の顔の区別がつかないという変わり者。もちろん馬術は世界チャンピオン。趣味は馬の種付けというから徹底している。

この彼女に片思いしているのが、彼女と馬術大会でよくあうスウェーデン人の屈折したプレイボーイ・リアンダ。

衝撃的なことにですね、この二人馬の種付けのことで揉めて(!)ですね、リアンダがギネヴィアをレイプ(!!)してしまうのですよ。

いやああ、びっくりしましたね。いまでこそ少女マンガはH(この言い方嫌い)花盛りですが、当時の少女マンガでお話の初めのほうで「いきなりヒロインがレイプされる」ですよ。しかも馬小屋ですよ。なあ。

(もっとも、この「馬に絡んでレイプ」というのは名香氏のお好みのシチュエーションらしく、同じ頃長期連載していた「パートナー」(小学館文庫)でもヒロインの茉莉花が「馬で遠乗りして雨宿りした先でレイプ」されていました。)

華麗な絵なんですがねえ、浮世離れした設定なんですがねえ。これにとどまらずなかなか過激な価値観とストーリーが繰り広げられるのですよ。ヒロインのギネヴィアが魅力的なのはもちろん、リアンダの元恋人のインテリのドイツ女性ユーリエ、ギネヴィアの兄のサー・アーサー・キング(なんちゅーネーミングや)。それぞれが個性的で素敵ですが、なんといってもプレイボーイのリアンダの身もふたもない身勝手さ。少女マンガの男はご都合のいい王子様ばっかり全盛の時代に、よくこんな男をヒロインの相手にしたよな~。

まあ、百聞は一見にしかず、読んでみてください。わたくしにとっては大切な宝石箱のような一冊です。

2006年10月17日 (火)

のだめカンタービレ・16巻

Nec_0018_21 牟礼ヶ丘の友人宅にアケビと卵を届けに行く途中、吉田麓のファミリーマートに寄りました。知る人ぞ知る山の中に忽然とあるファミマであります。そこでなんと「のだめカンタービレ・16巻」(二ノ宮知子著・講談社)がでているではありませんか!

即買いです。

16巻もむちゃくちゃおもしろかったです。ほんとにやるなあ!二宮氏。

16巻は、千秋が常任指揮者を勤めるマルレオケのメンバーの話が中心でした。ここで思ったのが「二ノ宮氏って”普通の人々”を描くのもうまいなあ」ってこと。

「のだめカンタービレ」の一番の特色は、「クラッシック界で活躍する、個性のきつい変人・変態の生態をあますところ無く描き尽くす」所にあるわけですが、16巻みたいに”普通の人々”メインの巻でもおもしろさはちっとも減る事がないのが凄い。

考えてみれば当然の事ですね。「ぶっ飛んだ変わり者」しかでてこないだけの話なら、「変わり者が普通」の状態になっってしまうだけで、結局は平板な話になってしまうでしょう。「極端な変わり者」の個性を際立たせようと思ったら、やはり「普通に日常生活を送る天才でも何でもない凡人達」もちゃんと描かないとね。

そういう意味じゃ、「マルレオケ史上最低の」今のメンバーは、音楽的な凡人である事は間違いないわけで。その凡人達が「専制君主・千秋」と「頑固一徹・コンマス」の圧政に苦しみながら<ウィリアム・テル>序曲をなんとかかんとかプロとして仕上げて行く16巻は、ある意味感動すら覚えましたよ。もちろん二ノ宮氏独特のお笑いティストはそのままなのによ!こういうセンスが凄くいいよな~。

オーボエの首席奏者になった黒木くんは、副首席とさまざまな確執を経ながらお互いに理解しあうようになるし、それと同時に人間的に成長していくし。男好きのターニャだってなんだか落ち着いて腹を決めてきた様子だし、黒木くんといい仲になりそうな予感だし。

次の巻は来年の2月発売予定ですか。待ち遠しいなあ。いつもkissは立ち読みしてるんだけど(すんまそん)、まとめて読むとおもしろさ3倍増!楽しみだなあ。

ところで、昨日の夜TV放映されたらしいですね。残念ながら9時には寝床につきましたよ。おもしろかったのかな?

2006年10月13日 (金)

ヴィンランド・サガ

Nec_0013_24 「北欧神話」「エッダ」「サガ」・・・・・大好きなんですよ。片目の大神オーディン、雷神トール、美と豊穣の女神フレイヤ、二頭立てのヤギ馬車に乗る天気の神フレイ、バルドル、ヘイムダル、裏切りの神ロキ、宇宙樹イグドラシル、アスガルド、ヴァルハラ、戦いの女神ヴァルキューレ、運命の女神ウルト・スクルト・ヴェルダンディ、ミッドガルド大蛇、地獄の番犬フェンりル狼、トロール、ルーン文字と魔法、そして神々の黄昏・・・・・。

世界の神話の中でも最も美しく、豊かなイメージを持つ神話であると思います。これの原本が発見されたのがアイスランド。最果てもいいところの北の島ですが、昔からヴァイキングが住んでたそうな。「エッダ」はヴァイキングの神話ですもんね。(武人の極致ともいえるヴァイキングの島アイスランドからほんのこの間駐留米軍が撤退して、世界で唯一軍隊の無い国になったのは歴史の皮肉というかおもしろさなのですが・・・)

「この世界観を誰か漫画化せんかなあ・・・ヴァイキングものって見てみたいなあ」と思っていました。だいたい海賊モノって洋の東西、時代を問わず見てみたい。例えば倭寇。例えばカリブ海海賊(これは「パイレーツ・オブ・カリビアン」でディズニーが映画化したか。まさしくマンガみたいな映画だった)。冒険心をくすぐるのよね。時代考証ははなはだたいへんそうだけれど。

というわけで、今おそらく日本で唯一のヴァイキングマンガ「ヴィンランド・サガ」(既刊2巻・幸村誠・講談社)です。たまげました。いつの間にこんなおもしろいの始めてたんだ!

幸村氏は「プラネテス」(全5巻・講談社)で名を売った人です。「プラネテス」あまり好かんかった。着想はおもしろかったんだけど、特に後半が青臭すぎて。

「ヴィンランド・サガ」の主人公はアイスランド出身のトルフィンという少年。無口で驚異的な戦闘能力を持つ彼は、父の敵のヴァイキング傭兵隊長アシェラッドのもとで使い走りをやっている。手柄の褒美はアシェラッドとの決闘の権利。

「少年を主人公にする」のは幸村氏の作戦勝ち。幸村氏は少年のパワーとかピュアさとかその分のバカさとか、描くのが抜群にうまいと思う。トルフィンがむちゃくちゃかわいい。バカなんだけどねえ。ほんでね、トルフィンが敵と付けねらうおっさんアシェラッド、こいつがまたいいのよ~。ノンシャランで、ヘラヘラしてる軽薄オヤジみたいなんだけど、知恵がまわるまわる。世間知ってやつ。しかも実は強い。いいねえこういうオヤジ

トルフィンに多大な影響を与えた父トールズは、それこそ雷神トールをそのまま人間にしたような偉丈夫で、最強の戦士で、にもかかわらず人間的にもできた男。アシェラッドとは正反対のタイプ。彼もなかなか魅力的なんだけどお人よし過ぎ。姦計にかけられてトルフィンの目の前で殺されてしまう。いかにも少年が好きそうな英雄。(ま、あたしゃこういうタイプはまっすぐ過ぎて苦手だけどね。トルフィンのお姉ちゃんのユルヴァがいつも文句言ってたのわかるような気がする。)

物語はまだ始まったばかりで、今アフタヌーンで連載してるんだけれど(週刊の少年マガジンじゃ無理だったらしい。さもあらん)、先が楽しみで楽しみで。久々のヒットでおます。アフタヌーンではアシェラッドの隊がイングランドに侵攻してて(いわゆるノルマン人の侵略ね)、トルフィン大活躍、しかもトルフィンと同年輩の超美形のイングランドの王子様が登場してたり、どうなるの?どうなるの?

ゆっくりでいいから、思う存分描いて欲しいな~。トルフィンがどう成長して、どんないい男になるのか見たいよ~。

2006年9月11日 (月)

MOONLIGHT MILE・13巻

Nec_0065_1HⅡ-Aロケット10号機の打ち上げが成功しましたね! こいつはもうハナから「偵察衛星である」と日本政府が公言する衛星を打ち上げるためのロケットでした。

とりあえず情報を手に入れようとする姿勢や良し。情報無くして外交無し。ろくな情報も無しで武器を持つほど危ない事は無い。それこそキチガイに刃物。必要なのはいたずらに強大な軍事力でなく、「必要で正確な情報を収集分析して応用する力」でしょう。

スペースシャトルの打ち上げも成功し、5年ぶりに宇宙ステーションの建設も再開されるのですと。ンマー――、まんまMOONLIGHT MILEの世界やん。わたくしが生きてるうちに一般人も月に行ける世界になるのかね。ちゅうても今のところあまり行きたいとは思いませんが。MOONLIGHT MILEで吾郎のおかあちゃんが言ったように「月が普通のおばちゃんがうようよ住めるような」社会になったら考えないでもないけど。うううううむ、こういう表現ができる太田垣康男氏、やっぱり只者ではないんだよな。

というところで「MOONLIGHT MILE・13巻」(太田垣康男著・小学館)です。

この話の中ではHⅡ-Aが、主人公の吾郎を乗せて日本発の有人ロケットを成功させてますね~。おめでとうございます。プロジェクトX的ロケットバカオヤジたちの執念も実り、巨乳自衛官のかおりちゃんと、エンジニアの耕介くんはいつの間にか仲良くなっちゃって(ほんといつ仲良くなったんだ?)打ち上げを見ながら手なんか握り合っちゃってるし。

いつの間にかと言うならば、ファティマが地上勤務から復活して、またまたロストマンの愛人兼秘書官になっちゃってるし(ロストマンてほんとに非情なの?甘いじゃんよ。それともただの女好き?)。概してこの巻はつなぎの巻みたいな話の薄さだったな。いや、充分感動的は感動的なんだけれど。なにせ太田垣氏のストーリーテリングぶりはいつも凄いから。「最後の最後にだいぎゃ~くてん!」てのが今回無かったのが、印象の薄さの原因かしら。

次の巻では「理代子アンドベビーと吾郎月で感動の対面!」てシーンが来るだろうから文句無しに盛り上がるだろうけれどね。なんか、その前に吾郎月の保安官役をロストマンから押し付けられております。おやおやビルディングスペシャリストから保安官かよ。

実はスペりオール誌上では、月に中国も進出しようとしているところで、例のあのキャラが再び登場しています。激突するアメリカ宇宙軍と中国宇宙軍?どうなるのかしら?そんな中で「人殺しをしない吾郎」がほんとにお巡りさんみたいな汚れ仕事ができるの?理代子は帝王切開でベビーを産むらしいし、ジャーナリストのマギーはあいかわらず切れる頭でいろいろ画策しているらしいし、こりゃ次巻の盛り上がりに期待だな。

2006年9月 2日 (土)

弁護士のくず

Nec_0049_2 へヴィーなマンガ・ジャンキーなもので、ジャンルを選びません。マンガ禁断症状がでると、少年モノだろうが少女モノだろうが青年モノレディースモノ、とにかく絵があってコマが切ってあってセリフがあれば見境無しです。(こんな体にしてくれた故手塚治虫と故長谷川町子を恨みます。)

大雑把に分けて日本のマンガはこの4ジャンルに分かれますが、もう一つ無視できない大きな市場があります。

オヤジマンガです。

メジャーどころで代表的なのが、雑誌ビッグコミック(小学館)でしょう。代表作が「ゴルゴ13」と「ホテル」と「釣りバカ日誌」あと「あぶさん」と「浮浪雲」ときたもんだ。どうでい?プーー――ンとオヤジ臭が漂ってきたろうが。

オヤジがオヤジのために描いているマンガでございます。それぞれの職業世界のマニュアル的雑学知識を織り交ぜていろんな事件がおこるけれど、そこは「お・と・な・の男」が主人公のマンガ、決して悲観的悲劇的な結末には到らず、大人らしい妥協で社会的正義にのっとった解決ができるよ。SEXシーンもでてくるけどなんせ「お・と・なの男」だから。のめりこんだりなんかしないよ、相手の女は(これがまた決してホモやバイセクシャルは出てこねえのよ)大人の魅力に夢中になったりするけどね。

・・・・・という基本路線を手堅く守っておりますので、まあビッグコミックはそれでもマシな老舗ですが、総じて退屈です。「オヤジって臆病だよなあ――。マンガの中ですら常識や社会の枠組みをはずせないんだ。これじゃ窮屈だろうなあ。」と同情すらしてしまうほど。

同じく小学館の雑誌ビッグコミックオリジナルはたぶんもう少し読者の年齢設定が若いんでしょう。ちょっとはドラマティックな味付けがなされています。なにせ名作「MASTERキートン」(浦沢直樹著。「MONSTER」よりこっちが好き)が載ってたところだし。今は「PLUTO」が載ってるので立ち読みリストに入っております。んで「弁護士のくず」(既刊4巻・井浦秀夫)を読んだわけです。

「このしょぼしょぼした絵どっかで見たよな~?」と思いながら、期待せずに読んでいったんですけどね。「また、オヤジマンガにありがちな特殊職業マニュアルモノかいな。」と見くびってましたけど、びっくり!

ストーリー展開がうまい!!

「おおッ」というような大逆転が必ずラストに用意されてます。この短さでこの起承転結は凄い。それで、結末が明るい。後味がいい。

ううううううむ。

そして主人公のくずのキャラ設定が秀逸。オヤジマンガって意外にこういう人格破綻者の悪党を主人公にもってこないものなんス。そのマンガ世界の中じゃ「困ったチャン」てことになっているけれど、「実は、どってことない普通の主人公」が好きなのがオヤジ。くずの性格の悪さは、結構冒険だったのでは?

でもさ、弁護士が扱うようなトラブルを裁くには、これぐらいの悪党じゃないと間に合わないと思うんだよね。「毒をもって毒を制す」は正しいわけで。オヤジ好みの硬直した「正義」じゃ現実は見えないでしょ。特に女がらみの場合。この世で女ほど「オヤジの正義」をバカにしてる人種はないもの。んでもって世の中の半分は女なんだわ。くずがAV好きのドスケベオヤジでそれをまったく隠す気配もない設定てのは正しい。それこそが難題、難事件を裁く鍵でありましょうよ。

んで、「この作者、やたらとAVとその周辺に詳しいなあ。」と気づいたときに思い出した。「AV烈伝」(既刊5巻・小学館)を描いたヒトだった!!

納得。あれはAV界を巡る人々を熱く語った傑作。なかなかないので探しているところだったのだ。そうか、今これを描いているのか~~。

と、思っていたら「弁護士のくず」は春にTV化されていたらしい。しかも豊川悦司がくず役。んで伊藤英明が相棒役。だったらしい。――――いったいどんなTVドラマだったんじゃ~~?!

これはちょっと見てみたかったかも。

2006年8月18日 (金)

鋼の錬金術師13巻と14巻

Nec_0009_17 このごろやたらマンガと本のレビューが多い幣ブログでございます。

35~36℃という体温以上の外気温では、お外にでるとあっという間にスルメになってしまうので、中に。今日は今日とて台風で降り続く大雨、やっぱり家の中に。必然的に手持ちのマンガを読んで体力を蓄え、秋の彼岸の冬もの春ものの植付けシーズンに備えようかと。いいわけじゃのう。だけど体がついていかないんだもん。

というわけで「鋼の錬金術師13巻と14巻」(荒川弘・スクエアエニックス)です。

・・・・・・・これは、どっちへ行くんでしょうか?この物語。

あいかわらずおもしろいのですが、(今回一番おもしろかったのは14巻のあとがき4コマ、ホークアイ中尉と傷の男スカーが銭湯に行く話でした)・・・・・ここへきて今まで張りまくっていた伏線が一気に表に現れてきて、頭がこんがらがってきます。

もう結末は決めてあるそうなので、これから設定の数々に始末がついていくのでしょうが、13巻、14巻はややこしかった。

ホーエンハイムおやじとそっくりの「お父様」?この二人はどうやら時を越えて生きているらしい。何者なの?クセルクセス遺跡を滅ぼしたって?それでその住民を賢者の石にした?人間ベースのホムンクルス?それでリン・ヤオ(お気に入りだ)がグリード(これもお気に入りだ)の中にいる?シン国のお家騒動はどうなるの?エルリック兄弟は体を取り戻せるの?軍上部まで真っ黒の中、マスタング大佐はクーデターできるの?スカーの復讐はどうなるの?イシュバールで何があったの?なんでホークアイ中尉の背中にいかにも錬金術なイレズミがあるの?・・・・・・・

まだまだあるけど、ざっと思いつくまま並べても、こんなにわからない事だらけ。どうなるの?どうなるの?とりあえず次の巻で「イシュバールで何があったか?」と「ホークアイ中尉の背中のナゾ」は解明されるはずなんだけれど・・・・・

11月か。待ち遠しい~。でも、

「耐えねばならんのだよ。」