椿屋敷のお客様

樹木 Feed

2005年11月 9日 (水)

柚子の実

Nec_0010_2柚子の実です。

柚子とかぼすとレモンという、「柑橘類薬味御三家」の木が植えてあり、実を成らせてくれます。使い放題なのでかなり贅沢な使い方をしています。

初夏にカミキリムシの幼虫のテッポウムシが木に穴を開けて住み着き枯らしてしまうことがあるので、その時期に木の幹に塗りつけるタイプの薬を使います。使う薬はそれだけ。もちろん果実や葉にはまったくなにもかけてないので、皮ごと使っても何の心配もなし。ケーキなんかに使うレモンピールも安全安心。あと自家製廃油石鹸やオリーブオイル石鹸の香料に使ったりしています。

植木屋の父の言によれば、この手の柑橘類を増やすには接木が一番なのです。その台木にはカラタチを使うのですが、カラタチは柑橘類の種を蒔けば先祖帰りして出てくるのです。ただ、種をそのまま蒔いても果肉に発芽阻害物質があるため、うまいこと発芽しません。聞けば「鶏にまず食わせ。そいで、鶏のウンコから生えてくる芽を見分けて、移植すればそれが一番よかとじゃ。」

―――ううーむ。そうですか。世の中にはいろいろな果実があるのですが、こういう「鳥や動物に食われてウンコになってから初めて発芽するシステム」になっている植物はかなり多いらしいです。うまいことできてるなあ。なにはともあれ地鶏くんご一家にはリンゴだのミカンだのとにかく色んなものを食べさせているので、その堆肥から生えてくる芽には要注意とな。

2005年11月 8日 (火)

山茶花「大錦」

Nec_0009_2 山茶花「大錦」の花が咲きました。

「大錦」とはまるで相撲取りのような名前ですが、実際山茶花の中では横綱級の銘花です。1879年に命名され肥後サザンカの代表的品種として愛されています。実際大輪で白地に濃紅色のぼかし、一重で抱え咲きの花は遠くからでもパッと目立つような華やかさです。蕾は濃紅色、11―12月に開花。葉は長楕円でやや大型。樹性は立性で比較的強いです。庭の南側の端に並ぶ木の一本ですが、夏はその根元でトウガンを作ってました。

2005年10月31日 (月)

グミの花

Nec_0024_3 グミの花が咲きました。

またもや「どこのどなたか存ぜぬ鳥さんが、どこぞの山のグミの実を食してひりだされたウンコから生えてきた」グミの木です。

子供の頃、グミの木はそこかしこのお宅や道端に生えていて、赤い実をもいでは食べたものでした。ちょっと甘くて青臭く、ジューシーで果皮の白い点点が独特の舌ざわりになる、「グミの味」としか表現できない味でした。

ひょっとして今「グミの味」というと某お菓子の味の事なのでしょうか?それはちょっと淋しいかも。

2005年10月29日 (土)

Nec_0011_1今年は柿の当たり年だったようで、どこのお宅の甘柿も渋柿もたわわに実をつけています。すばらしい!

残念ながら拙宅の柿は手入れが悪く(とほほほ)、この大当たり年に あまり実をつけませんでした。茶の木や柿の木があるエリアは畑の一番奥で、行きとどいとらん!いかんぞ。藪はぼちぼち払いつつあります(めーさんの冬用寝藁と飼い葉もいるので、はめつけて干草作り中)。後は茶や柿の木に鶏糞やヤギ糞堆肥を撒いて来年の収穫をこそ期待。

今時分、出水の紫尾温泉で名物「あおし柿」がでているんだけど、いまだ食べたことがありません。日帰りでもいいから温泉に浸かって「あおし柿」食べてみたいけどなあ・・・。おいしそうだなあ・・・。

2005年10月28日 (金)

ビワの木

Nec_0012_1 今朝はっと気が付いたら、柊木犀の横にビワの木が生えてました。

6月にとてもおいしい成りビワの実をいただいたので、果肉はおいしくいただいておいて、残した種を蒔いておいたのです。

もうすっかり忘れていたのですが、高さ30cmぐらいの苗になっていたので、びっくり!とてもうれしかったです(またもや儲けた気分)。

つくづく「畑があるっていいなあ。」と思います。ありがたや、ありがたや。

2005年10月23日 (日)

山茶花「未染」

Nec_0024_1 山茶花の「未染(みそめ)」が咲きました。

17年前に亡くなった祖父が、せりから苗で買ってきて、門の柊木犀の横に植えたのです。すっかり大きくなって樹高は3mを越し、屋根を見下ろすほどです。こういうところが樹のいいところだなあと思います(大切にしないとバチが当たりそうだけど)。

「未染」は白地に淡桃ぼかしで、移り白、蕾は淡桃色で一重咲き、中輪で、10―11月の早咲きです。優しくてかわいくて好きな花です。葉は長楕円の中形。樹形は立性で強いです。原木は熊本市にあるそうです。肥後は椿、山茶花の名産地なのですよね。さすが風流大名細川氏のお膝元。

2005年10月22日 (土)

もみじ「御殿野村」

Nec_0026もみじの「御殿野村」が紅葉をはじめました。

鹿児島市のチベットたる我が家では、今朝方はかなり寒く感じました。ほんのこの間まで暑さでヒーフー言ってたのが嘘のようです。

ずっと寒い冬のほうが苦手だったのですが、これほど夏が暑くなってくると考えも変わってきます。夏の疲れが今出てきて体調を崩したり風邪をひいたりする方が多いようです。皆様もくれぐれもお気をつけて。

「御殿野村」は本来春の新芽のほうが真っ赤になってきれいなのですが、秋にも一部紅葉します。朝日を浴びて赤が映えてました。

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2005年10月21日 (金)

山茶花「立寒」

Nec_0021_1 山茶花「立寒(たちかん)」の花が咲きました。最も一般的な山茶花で、それこそ公園や学校なんかの垣根によく使われているので、「山茶花」といえばこれを思い出される方は多いのではないでしょうか?

幣ブログではチャドクガをよく取り上げましたが、チャドクガが公共施設に植えられたこの木で大発生していて大変なことになってしまった今年でした。もちろん「立寒」に何の罪もありません。「農薬の全体散布でチャドクガの天敵まで抹殺してるからだ」ということは以前書きました。もう今年のチャドクガは羽化して成虫になってしまっているので被害は下火になりましたが、木に残されたサナギの殻にも毒針毛がついているので、まだまだツバキ類のそばを通るときは十分注意してください。かく言う私も今日ふっと気が付いたら肩の上にチャドクガのサナギが落ちてきていて、気が狂ったように粘着テープで肩と首筋を叩きまくったところです。

以前「芋虫」のエントリーで「カライモ畑から這い出た巨大芋虫の思い出」を書きましたが、その後日談を今日聞きました。あの悪夢のような巨大芋虫の大発生の原因はやはり農薬だったのです。あの年の前年にN協がカライモ農家さんに農薬の全体散布を奨めました。結果芋虫の天敵が翌年いなくなってしまい、前記のごとき大発生を招きました。それはそれは凄まじい大発生でカライモはもちろん地上部を全部喰われ尽くし、収穫はパー、這い出た芋虫が車にひき殺されて油でタイヤが滑って通行できなくなるほどだったということです。県下中のカライモ農家がその被害にあい、結局薬害だということで翌年から農薬の全体散布を止めたらぴたりと大発生が治まったとか。最近あの芋虫を見ないのは農薬をあまり撒かなくなったからなのです。なんともはや。日本の農林政策が失敗の連続だということはもはや周知の事実ですが(杉ヒノキ植林とかね。単一林で山の保水力は無くなる、土地が痩せる、杉ヒノキは売れない、何よりかにより莫大な人数の杉花粉症患者を作り出してしまった。)、こんなところにも失敗が。

2005年10月20日 (木)

白いバラ

Nec_0015 白いバラが咲きました。

あきれたことに当農園は椿の品種同定には神経質なくせに、バラは「大きい」「ミニ」「ツル」「赤、白、黄」ぐらいの区別しかしていません(大雑把すぎ)。何にせよ肥料はたらふく食うし、虫はつきやすいし、「9月の1日から8日までの1週間の間に、ランナーの外側の芽を残して剪定しろ」とかなんとか一年中なんやかやとあって、まっこちせからしか(うるさい)花です。バラの品種改良に世界で最も熱心だったのがエゲレス人だったわけですが、「バラ」「馬」「犬」という英国が誇る三大品種改良は、全部こういう「自然を人間がコントロールしちゃる!」という偏執的なまでの意思があって初めて可能だったんじゃないでしょうか?

2005年10月19日 (水)

椿「初嵐」

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椿「初嵐(はつあらし)」の花が咲きました。

「椿屋敷農園」の名は、17年前に亡くなった祖父が椿好きで、敷地内に(多分)150種ぐらいの椿があることからつけました。そろそろ椿、山茶花の季節が始まりますので、咲いた花をご紹介していこうかと思います。

「初嵐」は、すでに1847年の「剪花翁伝」には記載されているという古い品種です。白い色で、咲き始めは移り白、一重で筒咲きもしくはラッパ咲きで蕾は尖ってます。中輪で10月から3月にかけてが開花期です葉は長楕円で中形、網脈は陥没してます。樹形は立性で枝葉横に張ります。「初嵐」という風流な名にふさわしくイの一番に咲いてくれました。清楚で優しい雰囲気の花です。

椿は菊や朝顔や金魚なんかと同じで、江戸時代に大流行して多くの品種が作られました。もともと「椿」という字は日本でこの木のために作られたのだというぐらい昔からある木です。「ヤブツバキ」と「ユキツバキ」は日本原産です。「首が落ちるのを嫌って武士は庭に植えなかった」というのは、幕末に近く世情が物騒になってきてからの話。二代将軍徳川秀忠は椿好きで、諸国大名に献上させて愛でたというほど。もっともうちは商売人の家系だし、士族さあがどう考えようと知らんしな。遠慮なく椿を愛でさせていただいております。