椿屋敷のお客様

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2005年11月20日 (日)

金柑の実

Nec_0010_3 新聞の天気予報では晴れだったのに、なんとなく風雲急を告げる感じの今朝の天気です。

朝早くからご近所の畑でも「雨が降らんうちにハヨせんななぁ。」とカライモのツルをまとめて燃やしてらっしゃいます。煙は上に登らず、いい匂いをさせてそこら中に漂っています。あっという間に冬がやってきましたです。

風邪除けに金柑の砂糖煮はよく使いますね。背筋がぞくぞくしたり、喉がいがらっぽくなったとき、金柑の砂糖煮と蜂蜜とちょっとラム酒を入れてアツアツのお湯で割って寝る前に飲むと、ほかほか暖かく眠れて翌朝には回復していたりします。ですから金柑の砂糖煮は必需品なのですが、畑の奥の金柑の木は台風14号にやられて半分しか実をつけていません。でも、半分でも実をつけてくれたところがけなげです。ありがたや、ありがたや。

2005年11月14日 (月)

ピラカンサスの実

Nec_0035_1 ピラカンサスの実です。

赤くてぷりぷりして一見おいしそうなのですが、これは毒草です。青酸系の毒を含み食べると激しい嘔吐と呼吸困難をおこします。コワ―――!

巷では毒物が話題になっていますが、怖い毒というものは身近になんぼでも存在しとるわけです。夾竹桃、レンゲツツジ、すずらん、シキミ、彼岸花、福寿草、チョウセンアサガオ、ポインセチアetc・・・・・全部普通にそこらに生えてます。だいたいジャガイモの芽からして毒だっちゅうの。こういう「身近な毒物を使った殺人」をよくテーマにしたのがアガサ・クリスティでしたな。ミス・マープルシリーズ大好きです。いかにもイギリス人らしい優雅でユーモアのある生活の中に、忍び寄る人の心の毒と現実の致死毒。ドキリとするような残酷さも流麗なクリスティの筆にかかるとある種の美しさすら感じさせてくれるのです。やっぱ「杉の柩」ですかね。あとどういうわけか「パディントン発4:05分」が大好きなんですよね。オクスフォードの数学科を主席ででたのに家政婦をやってる若くて美人のスーパー家政婦が大活躍します。どちらも毒物が使われてたな。「マッシュルームはたいへん危ないのよ」というセリフもでてました。あちらじゃ生で皮をむいて食べるのでよく中毒するらしいです。ああ、ここにも毒物。いくら毒物の管理を厳重にしたところで、殺意のある人間からこの世の毒物の全てを隠し通すことはできません。あとは身近な人間が「殺意をもっていない」こと、そして自分も「殺意はない」ことを信じ合うしか手はないのです。その信頼関係こそが社会というものでしょう。

2005年11月12日 (土)

ノイバラの実

Nec_0036 ノイバラの実です。

野生のバラ科の中では代表格でしょう。何十億年という藻類から始まる植物の歴史の中で、一番進化しているといわれる被子植物の中でも、バラ科は隆盛を極めている一族なのです。観賞用のバラはもちろん、桜、梅、桃、リンゴ、ナシ、あんず、アーモンドetc・・・・・。一族の中にはおいしかったり綺麗だったりする植物の名前がずらりならんでいます。そのうちでも、野生種に近いほどやはり強靭で繁殖力があります。ノイバラも大変丈夫な植物です。春、藪の中にいつの間にかたくさん白い花が咲いたな、と思ったらノイバラだったりします。ほのかにいい香りがします。

実を利尿剤や下剤に使います。

2005年11月 9日 (水)

柚子の実

Nec_0010_2柚子の実です。

柚子とかぼすとレモンという、「柑橘類薬味御三家」の木が植えてあり、実を成らせてくれます。使い放題なのでかなり贅沢な使い方をしています。

初夏にカミキリムシの幼虫のテッポウムシが木に穴を開けて住み着き枯らしてしまうことがあるので、その時期に木の幹に塗りつけるタイプの薬を使います。使う薬はそれだけ。もちろん果実や葉にはまったくなにもかけてないので、皮ごと使っても何の心配もなし。ケーキなんかに使うレモンピールも安全安心。あと自家製廃油石鹸やオリーブオイル石鹸の香料に使ったりしています。

植木屋の父の言によれば、この手の柑橘類を増やすには接木が一番なのです。その台木にはカラタチを使うのですが、カラタチは柑橘類の種を蒔けば先祖帰りして出てくるのです。ただ、種をそのまま蒔いても果肉に発芽阻害物質があるため、うまいこと発芽しません。聞けば「鶏にまず食わせ。そいで、鶏のウンコから生えてくる芽を見分けて、移植すればそれが一番よかとじゃ。」

―――ううーむ。そうですか。世の中にはいろいろな果実があるのですが、こういう「鳥や動物に食われてウンコになってから初めて発芽するシステム」になっている植物はかなり多いらしいです。うまいことできてるなあ。なにはともあれ地鶏くんご一家にはリンゴだのミカンだのとにかく色んなものを食べさせているので、その堆肥から生えてくる芽には要注意とな。

2005年11月 8日 (火)

落花生をいただく

Nec_0026_2 モモ(紀州犬雑種・女の子・4歳)とへろへろふらふら夕方のお散歩をしていたところ、ご近所の方が落花生を引っこ抜いているところに出くわしました。枝豆、大豆、ソラマメ、落花生など豆類を上手に作るご婦人です。「白内障のレーザー手術をしてねえ、夕方は良かふい見えんがよ。」「じゃっですか。そや、のさん(大変な)ことじゃいやしたですね。」とぼんやりモモと見ていたら、「持っていっきゃんせ。」と落花生をいただきました!ありがとうございます!早速茹でて塩を振っていただきました。たいそうおいしゅうございました。

うちの近所はまったく「鹿児島市のチベット」で、半径1km内にスーパーも小売店もコンビニもなく、喫茶店もレストランも食堂もなく、それどころか信号機すらないのです。まあだからこそほとんどのお宅が犬や猫を飼い、鶏も飼ってらっしゃるので、うちの地鶏くんが鳴く時間帯にはそれこそこだまのようにあちこちのお宅の雄鶏たちも「コッケッコッコオオオオ―――」と時の声をあげています。お散歩をしていたら今日のような役得もあります。なかなかいい所です。

2005年10月29日 (土)

Nec_0011_1今年は柿の当たり年だったようで、どこのお宅の甘柿も渋柿もたわわに実をつけています。すばらしい!

残念ながら拙宅の柿は手入れが悪く(とほほほ)、この大当たり年に あまり実をつけませんでした。茶の木や柿の木があるエリアは畑の一番奥で、行きとどいとらん!いかんぞ。藪はぼちぼち払いつつあります(めーさんの冬用寝藁と飼い葉もいるので、はめつけて干草作り中)。後は茶や柿の木に鶏糞やヤギ糞堆肥を撒いて来年の収穫をこそ期待。

今時分、出水の紫尾温泉で名物「あおし柿」がでているんだけど、いまだ食べたことがありません。日帰りでもいいから温泉に浸かって「あおし柿」食べてみたいけどなあ・・・。おいしそうだなあ・・・。

2005年10月26日 (水)

クサギの実

Nec_0006_1 クサギの実です。

赤と黒の取り合わせが鮮烈で好きな実です。クサギそのものには薬効がなくて、クサギに寄生する虫が疳の虫に効くらしいです。寄生虫がねえ。世の中何が役に立つかわかりませんです。

寄生虫といえば「曉虫・回虫」といった昔の子供のお腹によくいた寄生虫、あれを腹に飼ったことのある人は、アレルギーになる率が低くなるそうです。まったく世の中何が役に立つかわかりません。え、わたくしですか?恥ずかしながら両方とも飼っていたことがあります。チョコレート味の虫下し飲みました。おかげでかどうかわかりませんが今のところ花粉症もアトピーもありません。しかし同条件だったはずの東京に住む妹は3年ぐらい前から花粉症を発症しているので、絶対の予防法ではないようです。

ちょっと今朝はばたばたしました。

2005年10月23日 (日)

スイカズラの花と実

Nec_0027_1 どうしたことでしょう?今頃スイカズラの花が咲いています。同時に実も成ってます。珍しい。

本来4,5月に咲く花なのです。今年はいつまでも暑かったために花が勘違いしたのでしょうか。いい匂いがして、吸うとほんのり甘い大好きな花なのですが(地鶏くん一家もこの花が大好き)。

葉と茎を乾燥して入浴剤に使うと、腰痛と痔に効果があります。ヤギ小屋普請でかがんでセメント塗りをしていたら腰が痛くなったので、「腰痛に効き目」が目をひきました(ばばくさ)。春のツルを乾燥して置いてあるので、これをたっぷし使って朝風呂に入ろうか。それとも近くの温泉へ?いかんよ、そんなことじゃあ。そーれで身上つーぶした♪(BY小原庄助さん)      

2005年10月16日 (日)

ノブドウ

Nec_0097 ノブドウの実です。

幼い頃からのマンガとTVの見過ぎで、ひどい近視と乱視です。コンタクトレンズも使っているので目が疲れやすく、必然的に「目にいい」と聞くと耳がそば立ちます。

ノブドウも昔から「突き目の薬」として民間で使われ続けてきた野草。それでなくてもこの実は赤、青、緑の間のあらゆる色調に熟すので、「秋に熟す実」のうち大好きBEST3に入ります。ちょっとした山の藪でも生えているので、見る機会があったらご覧になってください。虫食いや枯れが入った葉や蔓とあいまって、日本画そのもののような風情があります。

薬として使うのは茎から出る水。かなり水を吸い上げるらしく1,2時間でお弁当箱一杯ぐらいは溜まるとか。山仕事をする人たちは、それで目を洗ったり飲んだりしてきたのです。透明でちょっと渋くて少しだけ粘性のある水が目のゴミを洗い流してくれるのだそう。1度それをやってみたいなあと思いながら、実を楽しんでいるうちにいつも季節が変わってしまうのです。

2005年10月15日 (土)

アオツヅラフジ

Nec_0092_2 アオツヅラフジの実です。

赤やら紫やら朱色やら、華やかな色合いの多い秋の実の中では地味なほうです。

よく地味な植物を、「路傍に咲きたる名も無き野の花」に類似した文章で表現されていることがありますが、「いまどき人類に発見されてない『名も無き植物』なんて、アマゾンの奥地か雲南省の奥地か、とにかく一般人じゃ行けないような辺境にしかねえだろ。見つけたらプラントハンター大喜びじゃん。」と、皮肉に考えてしまいます。いや、自分だって間違ったことを言ったりするので(すみません)、「一つの間違いも無くぎっちり考証してから書けよ。」と堅苦しいことを言うわけではないのですが、最初から『名も無き』と決め付けるのはちっとどうかなあと。「『名も知らぬ』花」なら納得できるのですが。

アオツヅラフジは地味な外見に似合わず、「利尿薬、むくみ」の薬として利用されてきました。誰が試して誰が伝えたのかもはやわからないことですが、緑多い列島に住んできたご先祖たちはその緑を長い年月をかけて研究し知り尽くしてきたのだなあ・・・と思います。