椿屋敷のお客様

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2005年10月13日 (木)

ガマズミ

Nec_0005_3 ガマズミの実です。

酷暑の夏に喘いでいたら、いつの間にか最高気温は30℃を切り、見渡せばさまざまな木々や草に色とりどりの実が実ってます。

道理で・・・我が身我が心も、「物狂おしう騒がし」くなるはずです。はああ、せつねえ、せつねえぞわしゃあ。ため息をつきたくなる秋でございます。

しくぁぁし!「10月に植えるべし」指定の種や球根も多いですし、夏の実りから採れる種も今のうちに乾かしたり整理したりして来年の春に備えなければなりません。晩秋にはヤギさんが来るのでその準備もせねば。ばたばたばた・・・・。気ぜわしいです。

はあああ。

ガマズミはもう少し熟れると果実酒に漬けるのです。酒が飲めたらなぁ。

2005年10月12日 (水)

アケビ

Nec_0089 畑の奥の藪を払いに行ったら、アケビがなってましたよ。

まったくそこらの山より藪じゃ・・・(とほほほ)。もちろん植えたわけではなく、どこのどなたか存ぜぬ鳥様が、どこぞの山とも知れぬ山のアケビの実を食されて、我が家の畑にお寄りくださった際に、種混じりのウンコをひりだし遊ばされたのである。

茎は「木通」といい、花の時期に採取して干したものを腎臓炎や尿道炎、膀胱炎のむくみに用いるらしい。あと煎じ汁でおできを洗うとよい。それと果実の皮を油で炒めて食べる地方が多く、春先の若葉や若枝をおひたしや、胡麻和えにもする。

ま、難しいことはさておき、さっそく中の果肉を食べてみる。ほんのり甘い。で、調子に乗って黒い種を噛んでしまった。にっっっっっがあああ!ぺぺぺぺぺ。そうだったそうだった、果肉は甘いが種は激苦いんだった。ちゅうてもほとんどが種なんじゃがのう。うがいをしたり、お茶を飲んだりいろいろやってもなかなか苦味は消えなかった。

残りは地鶏くんたちにあげた。

2005年10月11日 (火)

千成びょうたん加工中

Nec_0084 加工中の千成びょうたんです。

やっと、表面の薄皮が剥けました。心配していた臭いも蓋をしておけば、全然わかりません。さすがに蓋を開けたら臭ったし、ボウフラとかミバエの蛆が湧いてたりしましたが(嫌いな方すみません)、もうそのまま全部地鶏くんご一家ににあげました。大喜びで突くじり食べてました。雑食性で昆虫は大好物なのです。

後は毎日水を替えてもうちょっと中に残っている種を出さねば、です。なかなか「傷一つないつややかな肌」にするのは難しい。

2005年10月10日 (月)

ヤブマメ

Nec_0079_1 ヤブマメの花と実です。

葛やクローバーなんかもそうなんですが、マメ科の植物は根が地中の窒素を蓄えるために、たいそう栄養があります。(『空中窒素固定装置』なみ。「キューティーハニー」かよマメ科)。

よって野生の草でも、家畜や 家禽のいい餌になるので、昔から冬に備えて刈って干して蓄えていたようです。小さい頃斜め前のお宅が牛と馬を飼ってらして、そこのおじいさんが葛やクローバーの茎や葉を大量に刈って馬車(!)で馬小屋に運び込んでました。

それに比べればささやかですが、うちの藪に自生しているヤブマメを(藪払いも兼ねて)除草して、そのまま地鶏くんたちにあげると大喜びです。この小さなえんどう豆みたいな豆を争って食べます。 試しに自分でも食べてみました。枝豆みたいでなかなかいけます。しかしこの大きさでは百粒でも一口に足りますまい。Nec_0080_2

2005年10月 7日 (金)

ヤマイモの花とムカゴ

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ヤマイモの花とムカゴです。

このの中に種ができ花弁をプロペラにして風に乗って飛び、着地点で発芽して増えます。

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ムカゴも落ちたところから発芽して増えます。これは「種」ではないのです。

茹でて塩を振って食べるとおいしいです。

つまり、ヤマイモは①種②ムカゴ③地下茎(掘って食べるところ)の三段構えで繁殖するわけです。「自然薯」として勝手に生えてくるのも当然といえましょう。

すげえ。

2005年10月 4日 (火)

からすうり3

Nec_0059_1 からすうりの実が熟しました。

鮮やかな朱色です。サザンカに絡んでいたのですが蔓のほうはすっかり枯れています。

これの黄色い種類は「黄からすうり」といい、塊根が天花粉の原料です。

黄からすうりはなかなか見かけません。

2005年10月 3日 (月)

山椒の実

Nec_0054 「小粒でもピりりと辛い」山椒の実です。

山椒の木には雄木と雌木があり、おかげさまでその両方があるので、雌木に実がつきました。

胃腸の調整に、皮膚のかぶれに、利尿剤に使用するのですと。あと夏場のぬかみそに一握り入れてかき混ぜると腐敗を防ぐ―――と。知らんかったぞ、夏に入れときゃよかった。しかしまだ鹿児島は夏日が続いております。どうなっておるのでしょう?遅れてきた夏バテの人がまわりに多いです。あ、そういや夏バテにも効くはず。疲れ気味なので口卑しく一粒食べてみました。

黒い種は辛くなく、皮を噛んだら「ピりり」ときました。

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2005年10月 2日 (日)

へクソカズラの実

Nec_0050「屁糞カズラ」という、「ちょっとどうよ?そげな臭か花け?」な名を持つのであります。花は小さく白く中心が臙脂色でかわいいし 、実だって秋らしい風情で独特のかすかな匂いはありますが、臭くないと思います。

問題は茎と葉かな。確かに癖のある臭いがします。しかし「屁糞」というほどかなあ?いいすぎじゃないのか?と思いますが、何せ万葉の頃からすでに「糞カズラ」だったらしいですから、もうこれは日本語では「屁糞カズラ」以外のなにものでもないのでしょう。

今はまだ未熟で緑色ですが、もう少ししたら茶色に熟します。それが、しもやけの薬です。一種の脂肪酸など含むようです。

2005年9月30日 (金)

どんぐり

Nec_0047_1 椎の実、いわゆるどんぐりであります。

縄文時代の遺跡で、よく貝塚とか魚、鳥、獣の骨なんかと一緒に、栗、椎の実、橡の実、クルミなんかの殻が発見されるわけですが・・・。栗はゆでればOKですし、、クルミはそのまま食べてもおいしい。しかし椎、橡はねえ。かなりアク抜きがたいへんなようです。「殻を割って、粉に挽いて、水に何日もさらして・・・」それを、ろくな道具も無しにやるわけですからねえ。トンカチや石臼やタライやバケツのようなローテクグッズすら無い時代。打製石器、磨製石器、よくて素焼きの重たい縄文土器か。考えるだに大昔のまかないはたいへんだなあ。もっとも今と違って日本列島の人口は少なく、照葉樹林の原生林に覆われていたわけだから、原材料の入手は簡単ですか。どんぐり採集にいそしんでいたら、同じくどんぐりで冬に向けての脂肪蓄積に励んでいたイノシシどんかツキノワグマどんと鉢合わせとかしてそうですが。

インドの主婦が様々なスパイスを、平石の上にこぶし大の石をすり合わせるやり方ですり潰すのを見ますが、たいへんそうです。あれに比べればすり鉢ですら知恵と技術の集積ですね。すり鉢を焼成する温度は素焼きの温度とは比べ物にならないし。だいたいあんな丸い形に成形するにはロクロがいるでしょう。中の溝を切るのもたいへんそう。うわああ、そう考えると、現代の生活ってほんっとありとあらゆる技術の集積で成り立っているんだなあ。ありがたいよなあ。

よく「どんぐり笛」を作りましたが、あれはどんぐりの尻のほうの皮を根気よく石にすりつけて磨耗させないとできないんですよね。そのあと中の身をほじくり出して唇に当てて「ホー」とも「ピー」ともつかない音をたてる。この皮がなかなか固いんですわ。1時間も2時間もかかって途中で飽きて放り出したりしました〈あたしってやつは昔っからもー)。

おかげで、思わず「テクノロジーの歴史」などという柄にも合わないことに想いをはせてしまいました。

2005年9月27日 (火)

ネズミモチ

Nec_0038  台所の大黒様にお供えする木でございます。

「古事記」によれば大黒(オオクニヌシノミコト)様とネズミは深い縁があるのです。

オオクニヌシ様がお兄様たちの陰謀によって、草原で四方から火を放たれて、あわや蒸し焼きにされようかという危機に、ネズミが現れて「内はほらほら、外はすぶすぶ。」(ここは原文のままです。『ほらほら、すぶすぶ』って、『古事記』のくせにかわいいぞ)と申しましたそうな。とっさにオオクニヌシ様が足元を踏みつけると、地面に入り口が狭くて中が空洞になっている洞穴が出てまいりました。すぐその中に潜り込み、炎から身を遠ざけることができたのでした。それ以来ネズミはオオクニヌシ様の使いとなったのでございました。

「古事記」の中でもオオクニヌシ様の逸話が一番おもしろうございます。陰謀、智謀、恋愛、―――。恋に真剣で実に熱心に口説かれますが浮気者の子だくさんで、根はまじめなのにトラブルの絶えない、まことに人間くさいお方で―――。ネズミモチの実が強壮・強精の妙薬なのも暗示的でございます。