「山のアケビは何見て育つ 下のマツタケ見て育つ」という都都逸がございましてな。かなりスケベエな状況を歌ったものですが不思議に下品ではありません。山の秋の実りにたとえてよくできていると思いますです。
それにしても「アケビとマツタケ」がコンビに歌われるほど、江戸時代っちゅうのはマツタケが一般的だったわけですな。アケビとコンビだよ?うちなんかアケビの蔓に困ってヤギに頼んでいるぐらいなんだよ?そういやマツタケの別名は「猫またぎ」。猫がまたぐほど採れた時代があったんだよなあ。いまや国産のマツタケなど伝説に近い。何でこんなことになっちゃったんだろう?
ということは、ひょっとしたらアケビも条件が変われば「昔はアケビという野草があってな。秋になるとパカッと口が開いて甘くないバナナみたいな味がしたモンじゃ」とか伝説になる日が来るかもしれないのかな?
中世のフランスでは、秋の森にどんぐりがなると豚を放してお腹いっぱいどんぐりを食べさせて太らせ、晩秋にその豚を殺して冬の食料にしたのだそうな。
肉食民族の知恵よのう~。
まあいえばナッツなので、かなり栄養ありそうだもんな。脂肪分がいっぱい。それは豚も太るというものです。かといって渋みがあるから人間の食料とは競合しないし。合理的だよなあ。ほとんどタダだし。
今、裏山ではカシやシイの実がどんどんなってきているので、「こういうところに豚を放せばいいんだろうな」と思ったり。(もう日本でもやってる人がいるんだろうけれど。)
(そういや、フランスの豚は森でフォアグラ(間違い。トリュフ。高い食材を混同してしまったぞ情けねえ)も探してくれるんだったな。たいしたもんよ。八面六臂のご活躍ではないですか。)
なんというか、そういうお話を聞くと、こと「家畜の取り扱い」ということになるとヨーロッパってすごいなあ。有史以前から肉食べ続けてた人たちだから年季が違うよ。
「山と森の利用法」なら、日本だって負けてなかったはずなんだけれど、残念ながらものすごい勢いでその知恵が失われていってるような気がします。人事じゃない、うちの山だって手入れができてないですもん。なんとかしなきゃ。
うおッ!ここで、べにこさんからご指摘が!そう、豚が探すのはトリュフです!きのこです!ガチョウの肝臓ではありません。べにこさんありがとう!大恥をかきまくるところでした。
というわけで、「待てば海路の日和あり」とはよくいうたもの。あるいは「果報は寝て待て」「棚からボタモチ」ですか。今年は「お菓子に入れることができるぐらい」のブルーベリーがなりました。年に二回ぐらい尿素で酸性に調整した堆肥をやって(ブルーベリーは酸性土壌が大好き)、タマーーーーに草取りをするぐらいなのですが。ありがたいことです。
¥280で3年前に買った苗が大きくなりました。ブルーベリーは自家受粉をあまりしないので、違う品種を2種類以上並べて植えると実つきが良くなります。今植えているのは3種類3本。また安い苗をみかけたら買ってきて植えておこう。来年は念願の「「ブルーベリーのジャムやプリザーブ」ができるぐらいの量が採れるものと皮算用しております。
一見そうは見えませんが、山椒はミカンの仲間です。他の柑橘類が花をつける時期に花をつけ、実をつける時期に実をつけます。
もっとも山椒の木には雌雄がありますので、雌の木がないと実はつけません。いちおううちの庭には雌雄の木を揃えているのですが、雌木の発育が悪くて、ずっと思うほど実が採れない年が続きました。でも、今年は他の柑橘類と同様、豊作の模様。小さい実をたわわにつけています。今年の秋には佃煮に入れることができるかもしれません。
薬草事典によれば山椒の香りの成分は、ジペンテン、シトロネラール、サンショオール、サンショウアミドなどとなっております。このうち健胃剤、防腐剤の役割を果たすサンショオールに実は毒性があるらしく、生の葉や果実の汁を川に流して魚を獲る習慣が残っているぐらいだそうです。おお、かなり毒性があるんじゃん。こりゃ食べすぎはよくありませんね。「山椒は小粒でピリリと辛い」ぐらいがちょうどいいと見た。
思わず「椿屋敷」などと気取った名前を名乗ってみたりするぐらいですから、うちの敷地内は椿だらけです。18年前になくなった祖父が好きだったのですが、どの木も年数がたってかなり年季の入った大きさになってます。
売り物にする植木は、毎年移植して根鉢を作らなければいけませんので、もうどの木も売れませんが、大きな木が庭や畑に植わっているのは安心感があります。ましてや台風の常襲地帯鹿児島なのでなおさらです。台風の風速に一番強いのは生木なのです。人間が作ったどんな塀よりも、よく育った生垣のほうが風を防ぐし倒れない。防風林というのはまことに正しい対処法です。
さて、椿だらけのうちの敷地は冬から春にかけて椿の花だらけ。それが一段落して今の季節になると、どこもかしこも椿の実だらけ。ツヤツヤと硬い椿の実がそこかしこにぶらさがっています。「椿油を絞ったら?」などとおっっしゃってくださる方もいるのですが、とてもとてもそこまで手が回らず・・・・・。
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