椿屋敷のお客様

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2006年4月

2006年4月30日 (日)

ジバシリの花

Nec_0008_15 ジバシリの花が咲いています。

まっことバラ科とキク科っちゅうのは植物の世界の中での二大勢力じゃないでしょうか?

と、これは別に科学的な根拠(総数とか種の多さとか棲息地の広がりとか)があっていっているわけではなく、「えっとこの草は何科かな?」と見ると「え?」というぐらい多い(特にキク科)というだけのことですが。

ジシバリという変な名前をもつこの草も(おそらく地縛り?)、見るからにキク科ですね。可憐な花ですが実にぞんざいで粗末な扱いです。だって丈夫なんだもん。畑に入るとこれも厄介なんだもん。カタバミのように球根があるわけじゃないんだけれど、なにせキク科はほら、種が。恐ろしく細かくてたくさんの種ができる上に、その一つ一つに性能のいい羽がついていて、風に乗ってどこにでも飛んでいって実生するじゃないですか。なんて巧みで合理的なデザインとシステムでしょうね。

キク科植物の系統図は知らないけれど、この「細かい種に羽」がついた風媒花のシステムは共通。うまいこと棲み分けや時期分けをしながら進化してきたんでしょうね。

ところで、「ジバシリ」ってファンタジーとかに使われそうな名前だなあ。あと、いっそおフランスとかにそういう名前ありそう。知らないけど。わたくし鹿児島弁と(一応)日本の共通語しか知りません。(それも不自由だったりして)

茶の新芽

Nec_0009_12 茶の新芽が出ています。

はっと気が付けば前の畑も隣の畑も、おじさんやおばさんが茶摘籠を抱えて茶を手摘みしています。五月二日は、はや八十八夜です。

うちのご近所は昔から茶を作っているところで、(なんせ山の上で霧がかかる。お茶に適した気候)畑の境には当然のように茶の木が植わっています。うちも隣の畑との境に野放しのままだったのですが、去年の秋、半分だけ剪定しました。

今年はちょっくらできる範囲で茶を手摘みして手もみしようかと思っております。五月二日は決戦の日。ええと、茶摘籠と~バラと~釜~、道具は全部納屋にあるはず。雨が降りませんように・・・・・。って、そんなに気張らんでおきましょう。ぼちぼちぼちぼち、マイペースマイペース。

2006年4月29日 (土)

くるな!ナメゴン

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とよのかイチゴがわたくしのテゲテゲで大雑把な作り方にもめげず、じゃんじゃん花を咲かせ実をつけてくれています。

この間最初の実を載せたら、ご自分も作ってらっしゃるべにこさんや賢者totto*さんから「ナメ」についての大反響があり、「やはりみなナメには困っておるのであるなあ・・・」と思った次第でした。

ナメ。もうフルネームで描くのもいや。見つけ次第「南無阿弥陀仏」と唱えて塩ツボに突っ込んで処刑。いや、生態系でちゃんと役割を果たしておるんですよ。きゃつも。だから「絶滅しろ」とは決して言いませんが、イチゴには近づくな!

特撮怪獣モノの草分け「ウルトラQ」に、「ナメゴン」という見るだに恐ろしい鯨並みの大きさのナメ怪獣が出てくるんじゃなかったかな?(うろ覚え)。うええええッ。ナメが大集団で人を襲う映画「スラッグス」とか、なんでそんなの作るの?怖いもの見たさ?

鹿児島のように温暖な地方では「コウラナメクジ」というバナナ並みの大きさの背中に菱形の模様を背負ったナメクジってやつがいて(書いていて目がくらむ。とうとうフルネームで呼んでしまった・・・)、ある日それとブロック塀で出会ってしまったことがあります。 あまりのことに目が吸い寄せられて離れませんでした。これはあれか?「ナメクジはガマに弱く、ガマはヘビに弱く、ヘビはナメクジに弱い」という三すくみか?わしゃ油汗た~らたらか。

2006年4月28日 (金)

カタバミの花とムラサキカタバミの花

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 というわけで、「地球規模で繁茂している類縁種・カタバミとムラサキカタバミ」の花を並べてみました。

この二種は花の形や葉の形もよく似ていますが、その頑健さもよく似ています。なんせめぼしい病気や害虫がいない。とにかく丈夫。うっかり畑に入ってしまうとまず根絶はできない。掘り返すと球形の根がゴロゴロ出てきて、これからまたいくらでも復活します。フー――ッ。まあ、ごらんのようにうちの畑には両方とも入ってきておるわけです。ははは・・・・・(力なく笑う)

ミツバチの季節

Nec_0002_14 トウが立って花が咲いたキャベツにミツバチが来ていました。

もうしっかり後ろ足に花粉を固めて持っています。「働き蜂」とはようゆうたもんです。人間がそばにいるのも意に介さず、実に熱心に「花から花へ♪」飛び回っています。たいしたもんだ。

こういう働き者がいるからこそ、うちの作物は人間が受粉してやらなくとも受粉して結実するわけです。まっこち、まっこちありがたいことです。咲きまくる花のめしべに、もし自分がいちいち筆持っておしべの花粉をつけて廻るはめになったら、と思うとぞっとします。こういうのは専門家に任せたほうが間違いが無い。なにせ連中はそれが人生というか生活のすべてなのだから。

NHKの「新日本紀行ふたたび」で我が鹿児島は開聞岳山麓の養蜂家の今日を放送するというので、また珍しくTVを見ました。たいへん印象的な番組でしたが、特に最近のミツバチの需要で「ハウスでマンゴーなんかの果物栽培をしている農家に、花の受粉のためにミツバチを箱ごと貸し出す・一日一箱¥10000」というのがあるのが「さもありなん」と思いました。

ハウスの中は一種の密室。虫が来ない。虫が来ないと受粉しないから、実がならない。機械化は事実上不可能。人間がいちいち受粉して廻るのはたいへんな手間とコストがかかる。

結局「被子植物が発生して以来何億年も受粉し続けているであろうミツバチ様にお願いする」のが一番手っ取り早くてコストが低くて間違いが無いわけよ。

「『養蜂』という商売は決して無くならんな」と思いましたね。

2006年4月27日 (木)

カタバミの実

Nec_0034_10 カタバミの実がなっています。

黄色くて可憐な花をつける、どこにでも生えるカタバミは、ほんとうにどこにでも生えるらしく、同一種全地球規模だそうです。ふええええ。すごい。

畑に入るとたいへんで、すごい勢いではびこります。「地球規模」はだてではありません。たいへんに強い種です。

このカタバミの熟した実を触ると、プチッとはじけます。かなりな勢いではじけて種が四散します。子供の頃それがおもしろくて次から次にはじけさせて飽きませんでしたが、今考えればとんでもない。こんな強い草の繁殖を助けてどうする!

この草は全草にシュウ酸を含み、大量に食べると危ないです。うっかりお子様がままごとで口にしないように。ただ、その毒が虫刺されや寄生性の皮膚病には効くわけですから、毒と薬というのは紙一重ですねえ。

マスタードの花

Nec_0033_9 マスタードの花が咲きました。

生物というものは動植物を問わずうまく設計されているもので、芽や種や花にそれぞれの面影があったりします。

ソラマメの芽はなんとなくソラマメの面影があるし、アケビの花にはいかにもアケビの実がなりそうなめしべがついてます。神様だか誰だか知りませんが、うまいデザインです。

マスタードもその例に漏れず、その花はいかにも「マスタード・イエロー」なんざんす。もう見れば「ああ、これはカラシナ以外のなにものでもないわ!」という黄色。マスタードはこの花の種をすり潰したものです。去年の二株からとった種で今年はたくさん種がとれそうです。

2006年4月26日 (水)

サルトリイバラ移植の段取り

Nec_0031_13 さて、うちの近所の藪、秘密の場所に生えているサルトリイバラですが、「我が家の畑に移植」せんと虎視眈々と狙っておるわけであります。(道路端なので人のうちの土地ではないです)

目をつけていた株が五株あったのですが、なんとそのうちの一株がこの間の部落(鹿児島ではこの言葉に差別的意味はありません。念のため)の草払いできれいに刈られてしまいました。ガ―――――ン!!

男の人の中には「カカランダンゴ作り」に全く興味の無い人もいるわけで、サルトリイバラも他のカズラも一緒くたに刈ってしまったようです。あいたたた。

気を取り直して残った株の根の回りに、スコップを入れて丸く根を切って作っておきます。移植するのは梅雨時ですが、それまでにこうやって根を作っておくと格段に移植の成功率が違うのです。やはり下準備、段取りは一番大事です。

早春にいただいてきた枝を挿した中で二本だけ「ついたかな?」というのがありますが・・・・・。微妙。なにせサルトリイバラは日照時間にシビアーな植物。照りすぎてもダメ、暗すぎてもダメ。条件が合わないとあっという間に無くなってしまう。さてさて・・・・・

ナデシコの花

Nec_0032_11 ナデシコの花が咲いています。

枕草子に「草の花は撫子。」とかでてきてたよなあ。平安の昔からあったっちゅうこってすか。「大和撫子」はセキチクが「唐撫子」と呼ばれたのと対比されて称されたそうな。清少納言も、「草の花は撫子。唐のものはさらなり。」とか続けて言ってたもんな。平安の昔からセキチクのほうが派手だったわけか。

しかしこういってはなんですが、菊とか撫子とか歴史の古い花は本当に仏前にマッチしますねえ。この二つほど仏様にぴったりの花は無いのではないかというほど。安価だし、程よくかさばってくれるし、よく持つし、その割には色も派手で見栄えがするし。

やはり仏壇があって庭があるなら、菊とナデシコを植えない手はないでしょう。墓前の花にもぴったりこ。さらには宿根で時期が来れば勝手に生えてくるし丈夫だし言うことなし。

とはいえうちのナデシコ、芽のときにヤギが踏んたびりまくりました。

ごめんね。けなげによく生えてきてくれた。お詫びにそえ竹をせねば。

2006年4月25日 (火)

ジャーマンアイリスの花

Nec_0030_9 黄昏時のジャーマンアイリスです。

「アイリス」は「あやめ」のことです。えーっと、ここらあたりうろ覚えの情報ですが、ヨオロッパとかあちらへんであやめのことをアイリスって言うんじゃなかったかな。

ギリシア神話で「イリス」は虹の女神だから、それとも関係があるのかも。あ、調べてないのでここら不確かです。でもアイリスは「虹」の言葉がぴったりの美しい花だと思います。アイリス、あやめ、菖蒲・・・・・この仲間は花の形がなんとも言えず美しいですよね。

ジャーマンアイリスは特にでかいアイリスです。はっきり言って派手。色も微妙な色調の赤紫。花盛りの今時分の庭でも、はっとするほどよく目立ちます。なんで「ジャーマン」なのかな?ドイツで作られたアイリスなのでしょうか?詳しく知りません。なんにせよ、球根もでかい。花が終わって地上部が枯れたら、そのごろんとした球根を庭に置いておくだけ。勝手に球根が増えて翌年も咲きます。いつもは忘れているんだけど、花が咲くとはっと思い出します。「あっ、そうだった!うちジャーマンアイリスがあったんだ!」