椿屋敷のお客様

« 2006年3月 | メイン | 2006年5月 »

2006年4月

2006年4月25日 (火)

菊籬への道

Nec_0028_13 『秋の日差しに揺れる、色とりどりの小菊の垣根。玄関から築山へ優美なる曲線を描く菊籬』

という見果てぬ夢のための一歩です。四月始めに株分けした菊の冬至芽が根付きましたので、ゴゴ――イと(この鹿児島弁だい好きなんですよ。『たくさん』の意味なんですけど、いかにもどーんと豪勢でしょう?)ヤギ糞堆肥を撒きました。ふっふっふっふっふ。そーだて育て!

あとは6月の梅雨時に、挿し芽をしていきます。なぜかというと菊は4ヶ月で成長して下葉が全部上に上がってくるからです。すそのほうが丸裸の頭でっかちの株になってしまいます。菊の花期は10月~11月。逆算して6月に挿し芽をしておくとちょうどいい按配のかっこいい葉の生え方になるというわけ。最初にこれを聞いたとき「素晴らしい!!なんて、合理的なんだ!!」と叫びました。

梅雨期は湿潤で挿し芽がしやすい時期。園芸菊の歴史は長いので、ほんと素晴らしい育て方が確立されてるんだなあ。

2006年4月24日 (月)

スナックエンドウの実

Nec_0026_12 スナックエンドウの実がなりました。

昨日のエントリーに出しましたように、野生のカラスノエンドウやスズメノエンドウも実をつけています。園芸品種のスナックエンドウも同じく実をつけ始めているわけですが、やはり品種ものはデカイ!!しかもうまい(はずだ)!ビバ、品種改良!

園芸に少しでも興味のある方はご存知でしょう。野菜や花の品種改良は、ものすごく競争の激しい分野なのです。この方面の各社は、昔ながらのメンデルの法則を使った気の長い品種改良はもちろん、最新のバイオテクノロジーを駆使した遺伝子操作、さらにはアマゾンや雲南やニューギニアやなんか奥地での新遺伝子発見のためのプラント・ハンターまでやって、新しく珍しく美しく強くおいしい品種を作り出しておるわけですよ。

すばらしい企業努力のおかげさまで、テゲテゲな作り方でもそこそこに実がなってくれるわけです。ありがたやありがたや。

キャラウェイの魔力

Nec_0025_14 さて、キャラウェイは五千年前から使用され、石器時代の遺跡からも発見されているという歴史の古いハーブなわけです。古代エジプトでもおおいに使われたという・・・・・

ここらあたりですでにあやしげですね―――。

その後ヨーロッパの中世で「魔女のハーブ」と呼ばれ、「人や物を集める力をもつ」として用いられてきたのだそうな・・・・・よって、男の心を引き寄せたり、財産を集めたり、その手のまじないに使用されたそうな。

あやしげ――――!!

そういうの大好き!

というわけで、椿屋敷農園にも3本のキャラウェイの株が植わっているのです。そして、キャラウェイの魔力かどうかはわかりませんが、何ゆえかじわじわとものが集まってきています。ありがたいことに最近いただきものが多いのです。

餅用のモロブタとか、レーザープリンター(これまだ接続してないけど)、バラ、君子蘭、アリウム、紅茶ポット、花瓶、そうめん、麻婆豆腐の素、固ヤキソバ・・・・・

・・・・・って、人さまから見れば「なんじゃこりゃ――?」なシロモノも入ってますが。「いただける」そのことがありがたくうれしいこのごろなのです。

2006年4月23日 (日)

カラスノエンドウの実とスズメノエンドウの実

Nec_0021_17 Nec_0023_9

この間花だったと思ったら、もはや実になっています。カラスノエンドウとスズメノエンドウの実です。

マメ科はツルも葉も花もかわいいけれど、実もまたラブリー。かなり合理的なデザインの一族だと思います。カラスノエンドウやスズメノエンドウみたいなちびすけも、いっちょまえにマメ科の特色を備えているところがなんともいえません。

チェリーセージの花

Nec_0020_15 今年もチェリーセージの花が咲きました。

セージ類はサルビアの仲間なので、サルビアそっくりの花が咲きます。サルビアの仲間は薬用になる種類が多く、サルビアの名前そのものがラテン語の「サルベール(健康である)」から来たのだそうで。(ここらあたりハーブ辞典の丸写し)。人間も健康にするけれど、セージそのものも頑健な植物です。だいたいハーブはもともとがヨーロッパの野草ですから、頑健で繁殖力旺盛な植物が多いです。

なによりサイモンアンドガーファンクルのスカボロフェア―、「パーセリ・セージ・ローズマリー・タイム♪」ですわ。この四つのハーブは揃えたかったのですが、今全部揃っているのでしあわせ。

セージは名前どおりソーセージに使う植物なのですが、いまだソーセージに使う機会なし。とりあえず豚肉料理には使ってます。

2006年4月22日 (土)

イヴの眠り

Nec_0018_8 うううううー――む。

「イヴの眠り」(全5巻・吉田秋生著・小学館)であります。

これに関しちゃ書こうかどうか迷ったのですが・・・。基本的にここで取り上げるマンガは「誉め」にしたいわけですよ。マンガ評論のための専門サイトではないし、だいたい人さまの作品をああだこうだと非難するのは好きでありません。(という言い訳からも、この作品への評価が伺われてしまいますね)、でも大好きな吉田秋生氏の最新作なので、結局取り上げずにはおれませんでした。

吉田秋生氏は、本当にデビュー当時から大好きで大好きで、ほぼ全作品を持っています。世紀の傑作「BANANA FISH」に夢中になった方は多いでしょう。わたくしもその一人です。「イヴの眠り」も「BANANA FISH」→「夜叉」から連なるシリーズです。

この3作品に共通してでてくるキャラが、シン・スウ・リン。NYのチャイナタウン出身で、「BANANA FISH」のアッシュ・リンクスと交流があり、「夜叉」の有末静と協力関係で、そして今回の「イヴの眠り」のヒーロー(であるはずの)烈(リエ)の親父さん。新中国のリーダーとして期待される実力者。金も人脈も世界規模で持ってます・・・・・って、ちびのストリートキッズからエライ出世したなあ、おい。

つくづく思いましたね。「吉田秋生氏は初代を描くことはうまいが、二代目は描けないんだなあ。」と。あるいはこうも言えるか。「巨大なる組織やシステムに反抗する一匹狼を描くことはうまいが、システムの側は描けない。」・・・・・いや、ひょっとしたらそもそも「物語」というのは「成り上がる初代」や「システムに反抗する一匹狼」のためにあるのかも知れません。

「BANANA FISH」も「夜叉」も、「徒手空拳のアッシュ・リンクスや有末静が、おのれの才覚や気力や人柄だけで人々を魅了し、巨大なる組織や国家に立ち向かう」話でした。何の後ろ盾もない彼らが、命がけで自分の愛するものや誇りを守ろうとする姿に、感動させられたわけです。

「イヴの眠り」は彼らの二代目の話です。ヒロインのアリサは静の実の娘。リエはシンの息子。敵役のスーグィは静のクローン。「夜叉」のテーマが「遺伝子操作で新人類の能力を持って産まれてしまった静の悲しみと戦い」だったので、そのままそのテーマが持ち越されているわけなのですが・・・・・。どうも、ヌルい。戦いが戦いに見えん。

なにせ、アリサにしろリエにしろ、功成り名遂げた親の子なので、バックに親の組織力も、見も蓋もない言い方をすれば銭もあるわけよ。対して敵役のスーグィのほうにあまりにも銭が無さ過ぎ。いつもの吉田マンガのパターンだとこっちのほうが主人公だよなあ・・・・・。

アリサも魅力的な美少女として描かれてるし、リエだってこういう育ちのいい男の子は大好きなんだけどなあ。どう――もシンや静の持つ組織力が彼らの魅力の発揮を邪魔してるような気がしてならん。

もったいないよなあ・・・・・。

それでもさすが吉田秋生氏、それなりにおもしろく読めたけれど(2巻ぐらいまでは特に)、全五巻の中で一番おもしろかったのは番外編の「ハウメアの娘」。アリサの母ルー・メイ・クアンと育ての父ケン・クロサキが戦乱のカンボジアで知り合う話。これだもん。これだってルー・メイ・クアンもケンも徒手空拳だからおもしろいんだよね。

「吉祥天女」を思い出しちゃった。あれも2巻ぐらいまではおもしろかった。小夜子が権力をもっちゃたらなんかつまらなくなったしな。吉田秋生氏、よっぽど権力と相性が悪いのかも。

とにかく次の作品に期待だ――――。

ヤマツツジの花

Nec_0017_13 ヤマツツジの花が雨に濡れそぼっています。

今年もはや、ツツジ・サツキが咲く季節となってまいりました。

鹿児島には霧島山系という神々の宿る名山があり、しかもそこには天下に誇る名花、ミヤマキリシマツツジが群落をなしておるのです。

今年ももうすぐミヤマキリシマの大群生の満開でありましょう。お友達のミツコさんはミヤマキリシマが大好きで、毎年この時期霧島山系に登ってます。なんせ足腰の丈夫な人で、フットワークが軽い軽い。毎年誘われるのですが、なかなかタイミングが合いません。すみません、ミツコさん。

今年もうちの庭のヤマツツジを見るのがせいぜいです。でも、ヤマツツジのなんともいえない赤も好きなのです。

2006年4月21日 (金)

麦藁帽子

Nec_0016_10「 ローテク万歳グッズ・その17」麦藁帽子です。

「はやッ!」とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、鹿児島の日差しは厳しいのです。晴れた日の畑はもう普通の帽子ではキツイ。つばが広くて風通しのよい麦藁帽子は必需品。

「美白のため」というより「日射病で倒れないため」というほどの切実さ。五月はもっと紫外線がきつくなることでしょう。去年まで使っていた麦藁帽子は、油断していたらヤギにずたずたにされてしまいました(おいしかったのか?)。至急購入する必要がありました。が、わたくしの頭はでかい(小さい頭の人がうらやましい・・・)。頭の鉢がきっちり入る麦藁帽子はなかなかありませんのですが、今日たまたま寄ったホームセンター滝の神(鹿児島市吉野近辺の園芸関係者御用達)の¥298の麦藁帽子がぴったりでした。ラッキー!!しかも、なんとリーズナブルなお値段!

デザインもシンプルで好きなタイプ。

今日から毎日お世話になるグッズであります。

カラスムギ

Nec_0015_12 なにやら「烏と雀のオンパレード」になってきました。

カラスムギなんであります。

飼料用かなにかで輸入されてきたのが野生化したんじゃなかったかな?でも、ここらあたりうろ覚えです。これもまた道端に畑の土手に河原に、ありとあらゆるところで今頃穂をだしています。

この花穂を包む茎ごと引っこ抜いて、根元側の空洞の部分を3cmから5cmぐらいの長さに折り取ります。その片側を軽くつぶして、口にくわえて吹くと「ピ――プ――」と音がします。これが麦笛です。ナノハナのエントリーで山村慕鳥の「風景」の詩の中に「かすかなるむぎぶえ」という連があるのですが、必ずこの音を思い出します。

田舎の子供は春になると、茅花(ツバナ)を咥えて「甘い甘い」と喜んだり、カラスムギで麦笛を作って吹いたり、レンゲやクローバーで花冠、草イチゴを集めて食べまくり、まったく退屈はしなかったなあ。

2006年4月20日 (木)

卯の花

Nec_0004_11「う~のはなのにおう垣根に

ホトトギスはやも来鳴きて♪」

・・・・・となぜか今日は唱歌シリーズなのですが、卯の花です。ウツギともいいます。

「卯の花の垣根」など現物を見たことがありません。卯の花はこの時期そこら中に野生のが咲いてますので、よく見かけます。こぼれるように白い花が咲いて、なかなか華やかできれいです。

これが垣根に使われたのは、容易に挿し木で付いて成長が早く、木の材質が硬かったためと思われます(大昔これとヒノキで火を熾したといわれるほど)。んで、垣根に使われなくなったのは成長が早すぎて藪になり手入れがたいへんだったからじゃないか、と。「過ぎたるは及ばざるが如し」か。

旧暦卯月に咲くから「卯の花」。幹の中が中空だから「ウツギ(空木)」。名前も風流だし、万葉の時代から愛された花なのですが。

どうしよう。挿し木したらすぐつくだろうけど・・・・・。これ以上畑が藪になったらいやだなあ。