椿屋敷のお客様

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2006年5月

2006年5月 9日 (火)

タンポポの綿毛

Nec_0009_13 気がつけばタンポポの花はふわふわの綿毛になっていました。

いやあ見事な球体ですね。これをフーフー吹いて種を飛ばしたことのある方は多いでしょう。少しの風で台座にひっかっかっている種が外れて、羽が風に乗って飛んでいくようにできています。まっこち合理的な作りです。

自然界では曲線や円や球のほうが合理的です。自然界に直線というものはありません。それは人間の脳の中だけに存在するものです。

例えば自分の肩関節の位置を動かさず指の先までまっすぐ伸ばして腕を回してみてください。自然に指先は円を描くでしょう?同じ理屈が他の生命体にも言えるのです。中心点を決めて同じ半径で上下左右に座標上を動けば自然に円や球になります。角がなければ重力や摩擦力や気圧がいびつにかかることもありません。よって生体組織も壊れにくくなります。生体組織の組成のほとんどを占める水分には表面張力がありますから、曲面であればその表面張力も細胞膜を守る役目に一役かってくれます。

「角をたてていいことは無い」

生命の基本原理からしてそうなわけですな。

ドクダミの花

Nec_0008_16 「利尿・便通・高血圧予防・はれものの膿だし・虫刺されのかゆみ止め」に効くという、「十の薬効のある『十薬』」の名を持つドクダミの花が咲きました。

といっても、この白い花弁みたいなのは正確には花びらでなく、葉に近い苞なんであります。中央に棒のように延びた部分に雌しべ雄しべだけの花が密生しておるのだそうです。変わってる―――。

なにはともあれ臭いです。

草取りなんぞした日にゃ~、そこらじゅうにドクダミのにおいが立ち込めます。この花が咲いている時期に全草を取って干すと万能薬「十薬」ができるんですが・・・・・。そこまで手が廻っておりません。

花を集めて広口瓶に詰め焼酎を注ぐと、虫刺されに効く薬になるとお知りあいに聞いたので、それは試してみようかと思ってます。

2006年5月 8日 (月)

ジェントルマン

Nec_0006_11 烏骨鶏(雑種)夫人がついに抱卵を開始したわけですが、その夫人と一緒にもらってきた英国産の雄鶏くんが、いつも抱卵する夫人の傍らに寄り添って仁王立ちになっています。

この雄鶏くん、英国産だからかなのか知りませんが、たいへんなジェントルマンくんなのですよ。

烏骨鶏(雑種)夫人は小柄なので、たいへん臆病です。うちへやってきた当初から怯えて怯えて大騒ぎ。また犬のモモ(紀州犬雑種・5歳・女の子)が余所からやってきた動物には最初厳しいので、ワンワンワーンワンと小屋の外で大騒ぎ。「どうなることか?」と思っておりましたが、なんとこのジェントルマンくん、怯える彼女を腹の下に落ち着くまで庇いこんであげるのです。

―――――うっひゃああ!ジェントルマー―ン!!

毎晩毎晩夜になると怯える彼女を腹の下に庇い、雷が鳴ると怯えるので庇いしてました。雌鳥は卵を抱きだすといきなり気が強くなるのですが、そうなると今度は写真のような仁王立ち。人間の男にもお手本にして欲しいようなジェントルマンぶり。いいなあ!烏骨鶏(雑種)夫人。

ジェントルマンくん、実は何十羽もいるヤギ会長のところではいじめられていた個体だったようです。左眼が怪我のせいで見えないらしいです。そのために他の個体にも優しいのか、英国産だからジェントルなのかわかりませんが・・・・・

隻眼てのは日本の民俗学じゃ「神の使い」だったりするんですがね。なんにせようちにツキをもたらしてくれる雄鶏くんのようです。

葛の葉

Nec_0004_13 鹿児島では、はや日中の最高気温が25℃を越える夏日になってきています。

雨は降るし日は照るし温度は高いしで、草がもう元気づく元気づく。ヤギさんや鶏さんが食べるところはともかく、人間が手を入れるべき畑のど真ん中も日々草が成長しているのを見て「とりあえず明日、明日は草取るぞ」と見なかったふりしたりなんかして・・・・・

でも、見なかったふりしても草は生えるのであります。

葛はいったん根付くとまさしく「葛地獄」とでもいいたくなるような一面の葛野になってしまいます。他の植物のすべてを覆い尽くし滅ぼし尽くす恐ろしい蔓草です。ほんとうに強い!

「いっそかくありたし」と思うほどです。

京都にいた頃「葛野」という地名があり、また阿倍清明の母が葛の葉という狐だったという伝承もあり、「なんだ、『花の都』つうてもちょっと市街をはずれりゃ荒れ野原だったとじゃなあ」と思った次第でした。葛とはそれほど荒れ野に生える植物です。

でも、その根は良質の葛でんぷんになり、蔓の繊維は籠や衣類に使われ、花も薬に(二日酔いに効くそうな)、全草は牛馬の飼料に、昔から使われてきました(また牛馬ヤギがこれを大好きなんだわ)。たいそう役に立つ植物ではあります。

2006年5月 7日 (日)

ソラマメを食す

Nec_0002_15 なにせソラマメ大好物でして!

熟すのを待ちかねておりました。空を向いていた実が熟して重くなって垂れ下がってきたときが食べ頃。しな垂れてきた莢を取って、剥いて、茹でて塩を振って、今2歳間近の甥っ子とむさぼり食べてしまいました!はっと気が付けばもう残りはこれだけ。―――――柔らかくて香りがよくて、ほんっとうにおいしかったなあ――――。

まだまだあるので旬の間は楽しめそう。シアワセ―――。

あ、そうだ、

「オニタビラコ」の件でお客様のみの窓さんからご指摘がありました。食べることができるんですって。しかも、古い時代の春の七草「ホトケノザ」はこちらのほうだったそうですよ。みの窓さん、ありがとうございました。これからもどんどんご教授くださいね。他のみなさまも気づいたことがあったら、どんどんおっしゃってください。

椿屋敷農園は「政治運動と宗教活動と個人攻撃」それと「あまりにもデータの重すぎるコメント」以外はフリーです。

烏骨鶏(雑種)夫人卵を抱く

Nec_0001_15 烏骨鶏(雑種)夫人が昨日から卵を抱き始めました。

ヤギ協会の元会長から「これは烏骨鶏とチリ産の鶏の雑種でよく卵を抱くから」と、英国産の雄鶏と一緒にいただいた鳥です。

「ヒヨコちゃん誕生」は悲願でありまして・・・・・どきどきわくわくしております。「夫人の邪魔をしちゃならん!」と近辺を通るときは足音を忍ばせて通ります。とかいいながらもこっそり地鶏夫人たちの卵も何個か巣に忍ばせて托卵したりなんかして・・・・・

あと人間にできることは静かに見守ることのみなんであります。

2006年5月 6日 (土)

オニタビラコの花

Nec_0030_10 オニタビラコの花が咲いてます。

呆れたことにこれもキク科です。キク科っていうのはよほど合理的にできた植物なのでしょうね。ありとあらゆる大きさと形があり、鹿児島ではほぼ年間を通じて何かのキク科が咲いています。

オニタビラコ、これもよく見る草なので「ああ、これ、オニタビラコっていうの」という方も多いでしょう。イメージとして「便所の裏やドブの横に咲いている」花です。まあ、「可憐」というにはちょっと苦しいですが、小さい花なのに「オニ」とはこれいかに。

これを小型にした「タビラコ」という草があるのです。この種は田んぼのそばで冬場に平べったくなるロゼット状態をとるので、「タビラコ」。それを大型にしたので「オニタビラコ」。

食べるという話も薬になるという話も聞かないなあ。まあ、ヤギは喜んで食べますが。

今朝はめーさん(ザーネン種・1歳2ヶ月・ママ)の乳が張っていて、全部搾るのに両手が痺れるほどでした。片方のお乳から600ccほども採れました。だんだん搾れる乳量が増えてきています。ふっふっふっふっふ・・・・・・。

ニワゼキショウの花

Nec_0028_14 ニワゼキショウの花が咲いています。

これはものすごく小さいのですが、むちゃくちゃ可愛らしい花が咲きます。紫の六枚の花弁に黄色の花芯で、色のバランスが絶妙なのです。

ちょっとした庭先にも固まって咲いていたりしますが、花そのものは一日しか持たないんで、今日の花は今日限りということです。そういうはかなさもいいなあ。

「人間の役に立つ」というわけではないのですが・・・・・「かわいい」というのはまったく侮れないことです。これが固まって揺れていると、いとおしさと切なさで泣きたくなったりしますもん。

2006年5月 5日 (金)

医龍・11巻

Nec_0027_9 今の日本でこういう事を言うと、とんでもない偏屈と思われそうなんですが、TVをほとんど見ません。「TVなんてお下劣」などと考えているわけでは決してなく、どちらかというとだい好きだったはずなのですが・・・・・見なくなってしまったのです。

目が悪くて「見ていると疲れる」というのも大きな原因です。いったん見なくなりだすと、お話についていけなくなりますし。今は「TVを見るヒマがあったらその分マンガを読む」というのに徹底してます。よって「医龍がTV化された」というのは知ってますが、一度も見たことはありません。どのみちどんなに忠実な実写化でも結局は別物だもんな。わたくしにとってはマンガでもう充分お腹いっぱいなんででございますよ。

と、ここで「医龍・11巻」(乃木坂太郎著・小学館)です。

大盛り上がりに盛り上がった「バチスタ手術」が大成功に終わりました。朝田を天敵と嫌う木原の母親の心破裂縫合手術成功のおまけ付です。ここまでお膳立てが揃ったらこのまま「加藤、教授選有利、野口派一掃になだれ込む」方向に行くのか?と一瞬思いましたのに・・・・・

なんと由比正雪ヘアの鬼頭教授(わたくしの一番のお気に入り)、ほんとに第3の教授候補を連れてきちゃいましたよ!

その名も国立笙一郎、メリケン国はUCLAの教授様!!さすが鬼頭さま引っ張ってくる人材が一味も二味もちがいます!

いやあああ、ほー―ンと乃木坂氏、只者じゃありやせん。

この国立の出し方もむちゃくちゃカアッチョええ!11巻一番のお気に入りのシーンは、この国立と野口が教授室で初対決するシーンですな。「こんな男でも、年をとると、祖国の役に立ちたいと思うようになるものです。」だって。もう――かっちょええ!またこの国立のルックスが「いかにも年功序列の日本医学界に見切りをつけて、飛び出した先のアメリカで出世しそうな」濃いい、というかブラックっぽいルックスなんですわ。なんという画力じゃ。絵だけでこの説得力。

これで教授選の行方は全くわからなくなってきました。おもしろい!どう考えても今の状況下で加藤に勝ち目はないぞ?どうなるんだ?ますます目が離せない医龍なんでございました。

国立と野口の対決に同席した鬼頭教授が、野口の煙草の煙にもはや嫌悪感モロだしで、手でパタパタ煽いだりするところなんか、「もお――ん鬼頭教授ったら(はあと)」で萌え萌えでございました。

クサイチゴの実

Nec_0026_13 野生種、園芸種を問わず、今がイチゴ類の実盛りでございます。

日本の野生のイチゴの中で最も一般的なクサイチゴも、そこかしこの藪で赤い実をつけています。

クサイチゴはほんとうにどこでも実をつけるので、小さい頃の野遊びのおやつに格好でした。甘酸っぱくてとてもいい香りがいたします。

よくこの実を集めて草の茎に通して数珠だまのように連ねて持ち歩きました。「大人からもらったわけでもない、お金で買ったわけでもない、自分で採集する喜び」を一番最初に教えてくれた野草でした。