今日の夕食に使ったハマグリの貝殻です。
「なぜ突然貝殻?」といぶかしく思われる向きもおありでしょうが、今、アサリ、シジミ、ハマグリなどを食した後の貝殻を、木槌で砕いて地鶏くんご一家(特に奥様方)のお食事に混入させていただいてるのです。もちろん奥様方がお産みになる毎日の卵の殻を(今でもかなり硬いのですが)硬くしてもらおうという魂胆です。おかげさまでどの鶏も食欲旺盛で、卵も初卵のときに比べて大きくなってきています。ときどき一日4個の時もあり、いよいよ来るべき秋冬に向けて、お待ち兼ねの皆様にご提供できるものと存じます。
などと、思いながらつくづくとハマグリの貝殻をながめておりましたのですが、また「古事記」のオオクニヌシノミコトの話を思い出しましてね。オオクニヌシ様はハマグリと赤貝の女神に命を救われているのですよ。
だいたい、オオクニヌシ神話には、そりゃもう徹頭徹尾女の影がつきまとうんですけどね。オオクニヌシ様には80人(すごい数です。ビンラディン以上です。ま、『多くの』ぐらいの意味ですか。)の兄上がいたんですが、この兄たちとともに美人と噂のヤガミヒメに夜這いをかけに行きます。その途中で会うのが有名な「因幡の白兎」。「かーわをむーかれて赤はーだか♪」で泣いているウサギちゃんなんて、もろ女でしょう。兄上たちがだまして塩水に漬けてひどい目にあわせたのに、オオクニヌシ様だけが体を真水で洗って「ガーマの穂綿にくーるまーれとー♪」教えてあげたので、ウサギちゃんオオクニヌシ様にほれ込み「あなただけがヤガミヒメを手に入れるでしょう。」と予言。その通りになって嫉妬しまくった兄上たちが、山から焼けた大岩を「赤イノシシだからしっかり捕まえろ」とか騙して転がし落とし(なんちゅう騙し方をするんじゃ)、オオクニヌシ様を焼き殺します。
それを嘆き悲しんだ母神様が、カミムスヒノ神に訴えて、キサガヒヒメ(赤貝ヒメ)とウムガイヒメ(ハマグリヒメ)を遣わしてもらうのです。キサガイヒメはわが身を削った粉を出し、ウムガイヒメは乳房から汁を出してそれを混ぜ合わせ、オオクニヌシ様の火傷に塗りつけます。するとたちまちオオクニヌシ様はよみがえり、元通りの美丈夫となりました―――。
とな。
ママがでてきて命乞い。遣わされた薬師は二人とも女。もろ肌脱いで我が身を小刀で削る女と、乳房からお乳を出してそれを混ぜ合わせる女、彼女たちが火傷をして裸で横たわる男にそれを塗りつけていく。最初読んだとき、そのあまりにエロティックなイメージでくらくらしましたよ。
この後もオオクニヌシ様はあっちこっちのヒメに妻問いをしまくり、そのたびにトラブルに巻き込まれて、またそのたびに女に助けられておるのですな。(女にもてるからこそのトラブル?もともと男に嫌われる男のタイプ?)例外はスクナヒコナノミコト逸話ぐらいですか。深読みすればあれも賢い少年を寵愛する話ととれなくもない。なーんかやることなすことどうもすけべえの匂いがする神様なんですね。だからこそ、出雲大社が日本一の「縁結びの神様」なんでしょうが・・・・・(恥ずかしながらあたしゃ5度も参拝してます)。
ハマグリはよく食べるんですがね。よくオオクニヌシ様の話を思い出すんですよ。「ハマグリは女性器の象徴」とは、民俗学じゃよく言うことですしね。
ましてや今日から10月、出雲に神様が集まって、それ以外の日本中が「神無月」、ちっとやそっとご無礼なことを考えてもバチは当たらんでしょう。
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