椿屋敷のお客様

動物 Feed

2005年10月14日 (金)

サクサク

Nec_0074_1 さて、色づく秋の気配に取り残されたような気がして、一人悶々と身悶えしておりました昨日のわたくしの元に、「鹿児島ヤギ協会会長」から1本の電話が・・・。

「あのねえ・・・」「はい」「この間指宿からきたお宅のあの子だけど・・・」「はい?」(もしや病気でも?)「発情して種付けが済んだから」「はあ?」「早く連れて帰ってね。」愕然!

この間って先週末のこと、指宿で今年の2月に生まれた女の子ヤギを、種付けのために会長のヤギ小屋(雄雌あわせて8頭居住)に預かっていただいたばかりなのです。1週間もたっていないではありませんか。うわああああ!(ばたばたばた)

ヤギ世界ではそんなに話がサクサク進むのですか!う・・・っうらやま・・・あっ、いえ、コホン。とっとにかくヤギ小屋を大至急作ります。納屋の西側の屋根にさしかけて、柱を立てて、ヤギは蚊に刺されるのが一番イカンので網戸の網を張り巡らして・・・。もはや、我が身の悶々は宇宙の果てに吹っ飛びました。

今日はソラマメをどうしても植えなきゃだし、ああ、どうしよう、いや落ち着け、落ち着け、「慌てたち、ドンなこちゃ無かたッデ」と薩摩の先人も言っておるではないか。クールに確実にサクサク。今日をこなしていきましょう。

2005年10月11日 (火)

愛の復活

Nec_0082 長く暑い夏の間、彼とわたくしの仲は冷え冷えとしたものでした。

坊ちゃん育ちの彼は、わがままで自分の欲望が最優先です。「ご飯用意してよ、ご飯」「アジは当然ぼくのだよね。誰より先に食べる権利があるのさ。(誰が決めた?)」「それ生クリームでしょ、気が利かないなあ、舐めるって言ってるでしょ。」「暑いのにさわらないでよ!臭いがつくじゃない。」―――もう、さんざんやりたい放題の癖に、氷のように冷たい態度。最初はひそかに涙にましたが、よくよく思えば毛だらけの彼にべったり張り付かれるより、クールな距離があったほうが過酷な暑さにふさわしいというものでした。

10月も半ばにはいった昨夜、山中の陋屋ではやっと秋らしい気温となりましたが、布団の中で久々の掛け布団にくるまって安眠をむさぼるわたくしの首筋に、何者かが尖ったものを押し当ててきます。「すわ、何事?」と目覚めてみれば、彼(ドリアン・アメリカンショートヘアのハーフ・おじさん・12歳)が、前足を押し当てて爪を出したり引っ込めたりしております。たまったものではありません。彼一流の人間の起こし方で、実に労力の要らぬ効率のよい方法です。「布団に入れろちか?」一夜にしてこの態度の豹変振り、腹立たしいにもほどがありますが、結局根負けして端を上げてやります。だいたいわたくしを起こさずとも、自力で潜り込めるはずなのです。ただ、自分が「愛されているかどうか」確認するためだけに、夜の夜中にわざわざ起こすのです。やれ口惜しや。根負けして入れるだけならともかくも要求されるままに腕枕までしてやる我が身が情けない。おかげで朝は肩こりです。なにが口惜しいとて、ここまでわがままな彼を心より愛していることが一番口惜しい。

こうやってキーボードを打つ間も、膝の上に勝手に乗り人をアンカ代りにしております。重たいんだってば。

2005年10月10日 (月)

ヤブマメ

Nec_0079_1 ヤブマメの花と実です。

葛やクローバーなんかもそうなんですが、マメ科の植物は根が地中の窒素を蓄えるために、たいそう栄養があります。(『空中窒素固定装置』なみ。「キューティーハニー」かよマメ科)。

よって野生の草でも、家畜や 家禽のいい餌になるので、昔から冬に備えて刈って干して蓄えていたようです。小さい頃斜め前のお宅が牛と馬を飼ってらして、そこのおじいさんが葛やクローバーの茎や葉を大量に刈って馬車(!)で馬小屋に運び込んでました。

それに比べればささやかですが、うちの藪に自生しているヤブマメを(藪払いも兼ねて)除草して、そのまま地鶏くんたちにあげると大喜びです。この小さなえんどう豆みたいな豆を争って食べます。 試しに自分でも食べてみました。枝豆みたいでなかなかいけます。しかしこの大きさでは百粒でも一口に足りますまい。Nec_0080_2

2005年10月 6日 (木)

モモに座布団一枚!

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納屋の二階を整理していたらド紫の古い寿座布団が出てきました

いつの、誰のための寿なのか、もはやさっぱりわかりません。大昔のものなので(推定製作年40年以上前)中綿はいいものを使っているようです。捨てるのももったいないので、うちで一番若い女の子にあげました。

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お気に召したようです。

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2005年10月 1日 (土)

貝殻

Nec_0048 今日の夕食に使ったハマグリの貝殻です。

「なぜ突然貝殻?」といぶかしく思われる向きもおありでしょうが、今、アサリ、シジミ、ハマグリなどを食した後の貝殻を、木槌で砕いて地鶏くんご一家(特に奥様方)のお食事に混入させていただいてるのです。もちろん奥様方がお産みになる毎日の卵の殻を(今でもかなり硬いのですが)硬くしてもらおうという魂胆です。おかげさまでどの鶏も食欲旺盛で、卵も初卵のときに比べて大きくなってきています。ときどき一日4個の時もあり、いよいよ来るべき秋冬に向けて、お待ち兼ねの皆様にご提供できるものと存じます。

などと、思いながらつくづくとハマグリの貝殻をながめておりましたのですが、また「古事記」のオオクニヌシノミコトの話を思い出しましてね。オオクニヌシ様はハマグリと赤貝の女神に命を救われているのですよ。

だいたい、オオクニヌシ神話には、そりゃもう徹頭徹尾女の影がつきまとうんですけどね。オオクニヌシ様には80人(すごい数です。ビンラディン以上です。ま、『多くの』ぐらいの意味ですか。)の兄上がいたんですが、この兄たちとともに美人と噂のヤガミヒメに夜這いをかけに行きます。その途中で会うのが有名な「因幡の白兎」。「かーわをむーかれて赤はーだか♪」で泣いているウサギちゃんなんて、もろ女でしょう。兄上たちがだまして塩水に漬けてひどい目にあわせたのに、オオクニヌシ様だけが体を真水で洗って「ガーマの穂綿にくーるまーれとー♪」教えてあげたので、ウサギちゃんオオクニヌシ様にほれ込み「あなただけがヤガミヒメを手に入れるでしょう。」と予言。その通りになって嫉妬しまくった兄上たちが、山から焼けた大岩を「赤イノシシだからしっかり捕まえろ」とか騙して転がし落とし(なんちゅう騙し方をするんじゃ)、オオクニヌシ様を焼き殺します。

それを嘆き悲しんだ母神様が、カミムスヒノ神に訴えて、キサガヒヒメ(赤貝ヒメ)とウムガイヒメ(ハマグリヒメ)を遣わしてもらうのです。キサガイヒメはわが身を削った粉を出し、ウムガイヒメは乳房から汁を出してそれを混ぜ合わせ、オオクニヌシ様の火傷に塗りつけます。するとたちまちオオクニヌシ様はよみがえり、元通りの美丈夫となりました―――。

とな。

ママがでてきて命乞い。遣わされた薬師は二人とも女。もろ肌脱いで我が身を小刀で削る女と、乳房からお乳を出してそれを混ぜ合わせる女、彼女たちが火傷をして裸で横たわる男にそれを塗りつけていく。最初読んだとき、そのあまりにエロティックなイメージでくらくらしましたよ。

この後もオオクニヌシ様はあっちこっちのヒメに妻問いをしまくり、そのたびにトラブルに巻き込まれて、またそのたびに女に助けられておるのですな。(女にもてるからこそのトラブル?もともと男に嫌われる男のタイプ?)例外はスクナヒコナノミコト逸話ぐらいですか。深読みすればあれも賢い少年を寵愛する話ととれなくもない。なーんかやることなすことどうもすけべえの匂いがする神様なんですね。だからこそ、出雲大社が日本一の「縁結びの神様」なんでしょうが・・・・・(恥ずかしながらあたしゃ5度も参拝してます)。

ハマグリはよく食べるんですがね。よくオオクニヌシ様の話を思い出すんですよ。「ハマグリは女性器の象徴」とは、民俗学じゃよく言うことですしね。

ましてや今日から10月、出雲に神様が集まって、それ以外の日本中が「神無月」、ちっとやそっとご無礼なことを考えてもバチは当たらんでしょう。

2005年9月25日 (日)

移動式鶏小屋

Nec_0031 うちの鶏小屋は移動式であります。庭や畑の中で「ここ、草が生えてきたな」と思うところに、鶏小屋ごと地鶏くんとその奥様方を移動させるのであります。草を求めてさすらう、モンゴル人のテントの如しです。100円ショップで台所用のワイヤー金網をたくさん買ってきて、ジョイントでつなぎ、木枠で強化し、天井に亀甲金網を張っただけ。総額¥2500ちょっと。

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これが、便利なのでありますよ。なにせ、地鶏様ご一家は、卵製造機であるとともに、草取り部隊でもあり、生ゴミ処理機でもあり、しかも鶏糞堆肥製造機、かつ目覚し時計なのでもありますからして。鶏小屋が通った後はぺんぺん草も生えておりません。しかし、土はよおお―肥えております。もうほこほこ柔らかくて黒くて見た目から違います。そりゃもう、地鶏様ご一家が実に熱心に土を強力なキック力で掘り返し、自分の糞や生ゴミを細かく粉砕して混ぜ込んでくれるので。

「地鶏」とはようゆうたもんじゃ、と思います。ご一家は本当に地面が好きなのです。掘り返した土を羽の隅々まで浴びて日光浴をするときの幸せそうな顔。うちの土地が労せずして肥え、わたくしも幸せでございます。

もうすこし数が増えたら、完璧な放し飼いにしたいものです。そのためにはワンコを本格的に牧鶏犬としてしこまねば。

2005年9月21日 (水)

なんで偉そうなの?

Nec_0016 だからって、なんであんたがそんなに偉そうなのよ?卵産んでるのは奥さんたちでしょうが。

雄鶏っちゅうのは本当に偉そうである。昔飼っていた薩摩鶏(闘鶏に使われていた)のサッちゃんに、右手の甲を蹴爪で蹴られて穴があき、いまだに傷跡が残っている。そのサッちゃんに体格こそ劣れ、地鶏くんの凶暴さはひけをとらない。

鶏小屋の掃除や卵回収のときに、すごい勢いで蹴りに来るのはやめろ!ご飯をあげるときに餌もわたしの手も味噌クソに一緒くたにして突くじるのはやめろ!トンカチで殴られたようなショックで、つぶろじん(青あざ)ができたじゃないか。皮も破けたぞ。

地鶏くんの一番の被害者はモモ(紀州犬雑種・女の子・4歳)で、ボーっと鶏小屋の金網に鼻先を突っ込んで地鶏一家の団欒をながめていたら、いきなり地鶏くんの「突くじり攻撃」にあい「ひゃいん!ひゃいん!」と悲鳴。犬の命のお鼻に怪我をしていた。モモはあんたたちを侵入者から守っている恩人〈犬)だぞ。ちったあ感謝しろっちゅうの。ってモモ、あんたもそんなお人(犬)よしな顔で、また鼻先を突っ込むなっちゅうの。

――――と、まあ誰に何といわれようが地鶏くんの素行は一生直んないでしょうけどね。ちょっと言ってみたかっただけ。

3個/日の卵

四羽の地鶏の奥様方が、一日3個の卵をお産みになります。

「要領よくサボタージュしてんじゃねえの?」などと、欲にかられてあらぬ疑いをかけたあさましきわが身が、申し訳なくお恥ずかしゅうございます。

あとは、残り一羽のお方の一刻も早いご成長をお祈りするばかりでございますNec_0015

2005年9月20日 (火)

ヘタクソ

Nec_0013 木戸口にトカゲの巣穴がたくさんある土手がつながっている。モモ〈紀州犬雑種・女の子・4歳)のお気に入りの場所である。

散歩の帰りにここに寄って、無数にうろちょろしているトカゲを何とかして捕まえようと熱心にチャレンジするのだ。前足を揃えて構えちゃあ、人間が両手のひらで何かを押さえ込むときのように「ずさっ、ずさっ」と、飽きずに土手の草むらを押さえ込む。しかし、いっちゃあなんだがヘタクソ。

ドリアンとジョーの猫たちがよくトカゲを捕まえてきては、尻尾を切ったりして遊んでいる(迷惑なんだってば)。ここはおそらくそのトカゲの供給地である。

猫は単独で待ち伏せ猟をする動物であるから、体もそのために特化している。出し入れのできる爪、瞬発力のある骨格と筋肉、体臭がしないようよく手入れされた毛皮、鋭敏なひげと視力・・・etc。いつもボーッとしている猫たちも狩りのときは人(猫)が変わったような集中力で「ほお――!」というぐらい段取りがうまい。

比べて犬は、群れで持走力を頼りに追い込み猟をする動物であるから、こういうトカゲ獲りのようなチンケな猟のときは本領がまったく発揮できない。だいたい爪が出しっぱなしなので、体長5cmぐらいのトカゲを捕まえるのに、土も草ももうもうとはね飛んで大騒ぎ。こんな大騒ぎでは日光浴をしていた土手中のトカゲが全員巣穴に逃げ込んでしまうであろう。モモの娯楽なのでいつも黙って飽きるまでさせているが、「あんたほんとうにトカゲ獲りに向かないねえ・・・。」と思う。

だからといって「じゃあお手本見せてよ。」といわれると、はなはだ困るのであるが。

2005年9月19日 (月)

兄貴と俺

ドリアン(アメリカンショートヘアのハーフ・おじさん・12歳)とジョー(ヤス猫・おじさん・10歳)は仲がいい。それも、「仲良し」などという生易しいものではなく、なんというかこう「『兄貴と俺』といったような、濃厚で粘着質なものである。」という結論に達している。長年の観察の結果である。

ジョーはドリアンの後をいい年こいていつもついてまわる。真似をする。「ドリアン兄貴どこにいくっすか?」「兄貴魚たべるっすか?」「朝飯ねだるの手伝うっす。」「そこが涼しいっすか?寄らせてくださいっす。」「そこがぬくいっすか?寄らせてくださいっす。」「おぐし整えるっす。」「背中かゆいっすか?掻いてさしあげるっす。」・・・・・すべてこの調子である。 

ドリアンは気分屋なので、ときどきいきなりヒステリックになって「あー――っつ!もう腹立つなあ!いらいらいらいらする !!」と、そばにいる何の罪もないジョーの頭を連続猫パ―――ンチ!!!

042 で打ったくったりする。そんな仕打ちをされても、「そうなんす兄貴、俺が悪かったす。」としょんぼりうなだれるだけのジョー。お前は全然悪くないっちゅーの。ジョーのほうが体も大きいし力も強いのになぜ?ジョーが子猫のとき、ドリアンがちょっとめんどうを見てくれたから?そんな大昔のことで、あそこまでの暴君ぶりを許すの?オス同士の力関係はわからん。