ヤス猫・ジョー
ジョーはヤス猫である。鹿児島では茶トラ猫を「ヤス猫」という。昔、日置の家で母が「また隣のヤスが来た」とぶつぶついっていた。「ヤスって何?」「ヤスよ!サバをおっ獲っていった!」猫のことであった。
なぜ、茶トラを「ヤス」というのか?長年の謎であったが、磯の仙巌園に行ったとき謎が解けた。あそこには「猫神社」があるのである。「安(ヤス)」とは、島津家存亡のお家騒動のときに、身を呈してお家につくした猫の名前である。 「そのお猫様の功績をたたえて、それ以降茶トラの猫をヤス猫というようになった。」そうな。・・・・・・・・・なんと、島津家がらみであったか!
どういうルートでお猫様のお名前が庶民にまで降りてきたのか、どれぐらい時間がかかったのか謎であるが、たいした浸透力である。侮りがたし島津家。
母の説では「ヤスは鳥を獲っとがうまか。」なのだが、ジョーも鳥獲りがたいへん上手である。常日頃ぼけーっとした猫だけに意外なのであるが。真夜中、台所で「ケーンケッケッケッケ!!!」とたいへんな騒ぎに飛び起きて駆けつけたところ、ジョーが小玉スイカ大の雉の子の首っ玉に齧りついていた。年末の大掃除にタンスの裏を掃き出すと、干からびた鼠とかモグラとか小鳥の羽とか嘴とか足が出てくる。全部きゃつの仕業である。「猫は狩りをできない人間に、狩の仕方を教えてやろうとして獲物を持って帰ってくるのである。決して叱ってはいけない。」のだそうだが・・・・・。ありがためいわく・・・・。
最近のコメント