椿屋敷のお客様

食・レシピ Feed

2005年10月31日 (月)

味噌蔵兼仏間

Nec_0026_1真っ暗けで何がなにやらおわかりにならないことと思いますが、今仏間を味噌蔵にして麹を発酵させている最中です。

風が当たるのも直射日光もいけません。出入りも必要最小限にして室温をできるだけ一定にするのです。もはや今朝は麹のいい匂いが家中に漂ってきました。このまま順調に生育してくれることを、神様仏様にお祈りするのみです。例年は稲刈りの声の直後に仕込むのですが、今年は諸事情で少し遅くなりました。うまくいきますように。一説によれば「麹を発酵させる部屋」にはその前年までの麹菌が残っているので、そこで発酵させる麹はうまくいきやすいし、その家独特の麹菌が育成されるので、それが「我が家の味噌の味」として反映されるのだそうです。「手前味噌」とはこのことなりか。

2005年10月30日 (日)

味噌作り・2

Nec_0022 Nec_0021_3 Nec_0023 麦の次は大豆です。

大豆は煮えるのに時間がかかるので圧力鍋を使います。祖母が使っていた6L入りのバカでかい圧力鍋で何回かに分けて煮ます。煮えたらこれも年代物の餅つき機に。(昔はこれも臼と杵でやってました。日置の家にはまだ臼があります)。

餅つき機で粉砕してペースト状になった大豆です。

味噌作り・1

Nec_0015_1 Nec_0016 Nec_0017 まず麦蒸しにかかります。麦と豆と昆布を洗って用意しておきます。

Nec_0018 蒸し器で蒸し、

(この過程をかまどと蒸籠でやりたいんだよう)

Nec_0019 蒸しあがったらバラに開けて耳たぶ程度(38℃)に冷まして麹を混ぜて、

Nec_0020_1

最近モロブタの変わりに袋に入れて3cm平均の厚さにして、蓋をします。風に当たるのは厳禁なので、仏間を締め切ってしまいます。

これの繰り返しです。

2005年10月29日 (土)

味噌作りの準備

Nec_0014_2 今年は例年より遅れましたが、そろそろ味噌作りに取りかかろうとしています。

6月の梅干作りと並ぶ年中行事です。自家製の味噌はおいしいです。

2005年10月24日 (月)

ハガマ

Nec_0032_1  「ローテク万歳グッズ・その6」ハガマです。

祖母が使っていたものですがこういう単純な構造のものは本当に長持ちします。

土鍋で炊いてらっしゃるべにこさんはよくご存知だと思いますが、ハガマの利点はおいしく炊けること、おこげができること、後始末が簡単なこと、あと意外ですが炊き上がる時間が短くて済むことです。これで3合炊いて20分もあれば炊き上がります。早いです。

2005年10月20日 (木)

チェリーセージ

Nec_0001_1 チェリーセージの花です。

セージ類はバジルやローズマリー、タイム、ミント、ラベンダーなんかと同じシソ科です。ハーブの中でシソ科は大勢力です。じょうぶでよく育ちますしね。

セージはソーセージやベーコンに欠かせません。豚肉に良く合うのです。

わたくしの夢の一つに「かまど小屋を持つ」というのがあります。そこには洋風のかまどと和風のかまどを置きます。そのかまどでベーコンを作り、燻製を作り、田舎パンを焼き、もちろん餅つきのときはモチ米を甑で一気に蒸し上げ、粽を蒸し、茶を手煎りし、・・・・・。夢は果てしなく広がりますが、とりあえず今できることで。生ハムもどきはいかがでしょう?

豚バラ塊肉に塩コショウして保存用ポリ袋に包み牛乳パックの空き箱に(水が漏れないため)一晩そのまま入れておきます。翌日水がでたら拭き取って、セージやローズマリー、タイム、オレガノ、パセリなんでもお好みのハーブをまぶして再びポリ袋と牛乳パックに入れて冷蔵庫で保存。4,5日したら香りが移っているのでこれをベーコン代わりに使うとなかなかおいしいですよ。ソテーしたり、スープやシチューやカレーに入れたり、利用方法はいろいろです。切るときにはベーコンと同じように脂身の層が見える方向に切ってください。ときどき水を拭き取りながら横のポケットに牛乳と一緒に立てておくと便利です。

2005年10月15日 (土)

サイフォン式コーヒー沸かし

Nec_0095 「ローテク万歳グッズ・その5」サイフォン式コーヒー沸かしです。

真夏でも熱い日本茶の日本茶党ですが、朝食の後にだけはコーヒーを飲みます。城南町のAプライス(鹿児島の食いしん坊の方たちならよくご存知では?)で、『深煎り仕立て(豆)』というお買い得のブレンドを買ってきて、コーヒーミルでがりがりと挽き、サイフォン式のコーヒー沸かしに水を計ってセットして、アルコールランプでぽこぽこ沸騰させて・・・。理科の実験みたいでやめられないのです。

きっとコーヒーのプロの方から見たら言語道断なこともやっているのだろうけれど・・・フィルターも本式の布のやつじゃなくて使い捨てのペーパーフィルターだし。ま、楽しいからいいや。

15年ぐらい使っているコーヒー沸かしですが、耐熱ガラスの上ボールも下ボールもそれぞれ割れるたびに、金物屋さんにメーカー取り寄せしていただいて使い続けています。使うほどに愛着が湧きますですねー。

2005年10月 9日 (日)

バジル

Nec_0076イタリア語は「チャオ」しか知りませんがイタリア料理は大好きです。(といっても日本でしか食べたことはありません)

よって、バジルは畑の必需品です。

お客様のななさんのお宅でもバジルを栽培してらっしゃるし、べにこさんはガーリックオイルの作成に余念がありません。まっこち皆さんおいしいものを召し上がるための日々の精進ぶりさすがです。

バジルはまあいえば地中海沿岸に自生する野草なので、あまり水を遣り過ぎずに日向で育てれば、よく育ちます。今年もかなり繁ってくれたのでそろそろバジルソースの作成にかからねば、と思っています。

本場では松の実やクルミの実などを混ぜて濃厚なソースにするのですが、オリーブオイルとニンニクとバジルの葉っぱをフードプロセッサーにかけるだけの簡単ソースにしています。それだけでもパスタに混ぜればおいしいし、ピザにのせてもよし、あと鶏モモ肉にこれと塩コショウとまぶしておいて下味をつけ、パン粉や粉チーズとオリーブオイルを混ぜた衣をつけてオーブンで焼くと、簡単な割にはすごくおいしいです。

今年はちょっと奮発して松の実かクルミか混ぜてみようかな。来年のバジルの収穫期まで冷蔵庫で一年は持ちます。便利です。

2005年10月 8日 (土)

麦茶

Nec_0075 今年ほど麦茶を飲んだ夏はありませんでした。

ジュースは苦手なので(腹がたぷたぷになる、後口が悪い、太る)、麦茶は夏の必需品です。パック麦茶を使っていたのですが、明治生まれの御婦人に「使う分だけ煎りなおす」という技を伝授していただき、100¥ぐらいの一番安いバラ入り袋に変えました。フライパンやオーブントースターでちょっと煎ってから沸かすだけで、香ばしさが全然違います。

漢方ではお茶やコーヒー、それからほとんどの果物ジュースは「冷性」で体を冷やしてしまいますが、麦茶の原料の大麦は「温性」で冷えすぎることがありません。クーラーが苦手でうっかりしてると手足が氷のように冷えるので、麦茶は重宝します。

麦茶のだしがらはすべからく鶏小屋へ直行です。地鶏くんたちは争って食べます。うまいらしいです。

長かった今年の麦茶シーズンももう終わるでしょう。あと少しで麦茶が切れてしまうのですが、買い足すべきかどうか迷っているところです。

2005年9月30日 (金)

どんぐり

Nec_0047_1 椎の実、いわゆるどんぐりであります。

縄文時代の遺跡で、よく貝塚とか魚、鳥、獣の骨なんかと一緒に、栗、椎の実、橡の実、クルミなんかの殻が発見されるわけですが・・・。栗はゆでればOKですし、、クルミはそのまま食べてもおいしい。しかし椎、橡はねえ。かなりアク抜きがたいへんなようです。「殻を割って、粉に挽いて、水に何日もさらして・・・」それを、ろくな道具も無しにやるわけですからねえ。トンカチや石臼やタライやバケツのようなローテクグッズすら無い時代。打製石器、磨製石器、よくて素焼きの重たい縄文土器か。考えるだに大昔のまかないはたいへんだなあ。もっとも今と違って日本列島の人口は少なく、照葉樹林の原生林に覆われていたわけだから、原材料の入手は簡単ですか。どんぐり採集にいそしんでいたら、同じくどんぐりで冬に向けての脂肪蓄積に励んでいたイノシシどんかツキノワグマどんと鉢合わせとかしてそうですが。

インドの主婦が様々なスパイスを、平石の上にこぶし大の石をすり合わせるやり方ですり潰すのを見ますが、たいへんそうです。あれに比べればすり鉢ですら知恵と技術の集積ですね。すり鉢を焼成する温度は素焼きの温度とは比べ物にならないし。だいたいあんな丸い形に成形するにはロクロがいるでしょう。中の溝を切るのもたいへんそう。うわああ、そう考えると、現代の生活ってほんっとありとあらゆる技術の集積で成り立っているんだなあ。ありがたいよなあ。

よく「どんぐり笛」を作りましたが、あれはどんぐりの尻のほうの皮を根気よく石にすりつけて磨耗させないとできないんですよね。そのあと中の身をほじくり出して唇に当てて「ホー」とも「ピー」ともつかない音をたてる。この皮がなかなか固いんですわ。1時間も2時間もかかって途中で飽きて放り出したりしました〈あたしってやつは昔っからもー)。

おかげで、思わず「テクノロジーの歴史」などという柄にも合わないことに想いをはせてしまいました。