椿屋敷のお客様

昆虫 Feed

2007年6月26日 (火)

バッタの脱皮

Nec_0002_2 朝も早々とヤギたちに食べさせるカヤを刈っていたら、脱皮したばかりのバッタとその抜け殻を見つけました。

おもしろいです。

バッタは不完全変態をする昆虫で、蝶やトンボのようにガラリと形を変える連中とは違い、幼虫時代からほとんどそのままの姿で脱皮を繰り返しおおきくなっていきます。

脱皮かあ。いいなあ。

人間も3年に一回ぐらいでいいから、脱皮して皮膚を交換できればいいのになあ。

「あの人そろそろ脱皮の時期みたい。おこもり中よ。」とか言われてですね、背中がぴりぴりと割れて古い皮を脱ぎ捨て、生まれたてのバージンスキンに全身を包まれて脱皮してくるわけです。日焼けとか傷跡とか虫刺され痕とかシワとか、一気にクリアー。色も白々と天然の美白肌に。・・・・・だったら、いいのになあ。

2007年6月22日 (金)

キュウリにカメムシ

Nec_0030_2 カメムシは恐ろしくたくさんの種類があって、特定するのはたいへんです。その上、大発生してなけなしの野菜にたかり枯らしてしまうことも多く憎たらしいことこの上なし。

今朝もキュウリを見てみたら、何組かのカメムシのカップルがちらりほらり。種類はわかりませんが、かなり大型のやつです。大事なキュウリの茎に取り付いてちゅうちゅう液を吸いながらおデートですか。一匹残らず毟り取り、地面で踏みつけました。南無阿弥陀仏。

2006年10月23日 (月)

ミノムシ

Nec_0021_231990年代半ばから、寄生虫オオミノガヤドリバエによる「絶滅の危機」がいわれ、いろんな県でレッドデータブックに載ってしまったオオミノガですが、数は回復したのでしょうか?今うちの近所では結構見かけるので「どうなんだろう?」と・・・・・。

県によっても、都市部と農村部とでも、全然生息状況が違うらしいので、ちゃんとしたデータを持っていない以上なんともいえないのですが・・・・・。

それにしても、よく「大発生!」と騒がれたミノムシがいつの間にか「絶滅の危機!」といわれている状況にはたまげました。

だってさ、ケヤキとかにやまなりについて、関東とかのケヤキ並木が丸坊主になったり、住民が文句言いまくったり、そんなんばっかりだったんだよ。

あまりにもミノムシの数が多かったので、この蓑のなかのサナギをくるむ繭を切り開いたのを何枚も集めて、パッチワークみたな細工物を作る人がいたりしたのに。一枚一枚が微妙に違うアースカラーの繭をパッチワークした財布とかバッグとか。なかなか綺麗だったし、手がかかっているという理由で、かなりお高かったはず。あの細工物はどうなったんでしょうか?

何億、何千億という個体数の動物が、あっという間に絶滅する。そういうことは生物の歴史の中ではよくあることで・・・・・。特に人類の活動範囲が広く盛んになりだしてから、その傾向は拍車がかかっておるわけで・・・・・。

オオミノガヤドリバエも、中国でミノムシ撃退のためにばらまかれたのが日本に入ってきて、日本のオオミノガに壊滅的な打撃を与えてくれたのだそうです。ミノムシまで絶滅されるとちょっと怖いので、なんとかがんばって欲しいです。

2006年9月25日 (月)

噂の信憑性

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今朝も今朝とてとばりのごとくジョロウグモが巣を張りまくっております。だいたいの巣が雄と雌のカップルです。ぼーっとしてたら案の定クモごと顔にべったり貼りつきました。たまらん。

ふっと、貼りついたクモの雄を見てみました。ハラワタが無い!喰われたあとじゃんか!うおおおおお!!

「ある種のクモは、交尾後雌が雄を食べる」という噂の状況証拠であります。これでかなり信憑性が高くなりました。こうなると願わくば「雌が雄を捕食する」現場を見たくなるなあ。

モモ散歩の途中で見た別の巣では、哀れ手足をぐるぐる巻きに縛られて吊るされた雄の姿を見つけました。にもかかわらずその巣の雌には次なる求愛者が押しかけております

するってえと、なにかい?ジョロウグモ世界でモテる雌とは「できるだけ大きくて丈夫な巣を作って待ち構え、のこのこやってきた最初の雄とはとっとと情事をやっちゃって、ぐるぐる縛って食べちゃって、その死骸も始末しないうちに次の雄を迎え入れて情事にふける」雌ってことですな。それを雄は「彼女って素敵だ!彼女と愛を交わして吊るされて食べられたい。」とか思ってよってくるわけですな。

この世の愛の形はさまざまであります。

2006年9月22日 (金)

ジョロウグモの求愛W

Nec_0014_20 今年もジョロウグモの求愛シーズンがきました。もう庭中、畑中蜘蛛の巣だらけです。迂闊に夕方歩くと、体中に蜘蛛の巣がへばりつきます。

写真の雌グモはどうも甲斐性のある雌らしく、雄が二匹求愛にきています。蜘蛛類はだいたい雌のほうが体が大きいのです。ジョロウグモも雄は雌の前足の長さもありません。交尾の後うろうろしていると雌に喰われてしまうのもいたしかたございますまい。

交尾後、雌が雄を捕食する事が多いといわれる蜘蛛類ですが、とくにゴケグモ類にはその種が多いらしいです。毒グモで有名なセアカゴケグモなど、雄が交尾を終えるなり、まるで投身自殺のごとくコロンとひっくり返って雌の口の前に身を投げるらしいです。何を考えておるのでしょうか?まったくもって究極の愛とはこのことなり。「それがしあわせ♪」と遺伝子の中に書かれているのならば、愛する雌の牙の前に身を投げる瞬間に、凄まじい快楽を感じるのでありましょうか?わたくしセアカゴケグモの雄ではありませんので、その感覚量りがたし。

2006年9月12日 (火)

黒い蜘蛛

Nec_0068_1 夜中に目覚めてトイレにいったらば、トイレの前廊下にアシダカグモのメスが卵嚢を抱えてうろうろしていました。その大きさ優に手の平サイズ!あまり真夜中に見たいシロモノではありません。

アシダカグモは実はゴキブリを食べてくれる益虫。いじめると噛み付いたりするけれど、基本的には恐ろしげなカッコウに似合わぬ平和主義者。だいたい蜘蛛の仲間で人死にが出るほどの毒を持つのはセアカゴケグモぐらいといいますね。タランチェラもカッコばかりで、それほど危険ではないそうで・・・・・。

でも特に西洋じゃ、蜘蛛って嫌われてるみたいだなあ。昔、「黒い蜘蛛」(スイスの牧師・ゴットヘルフ作)って小説を読んで、むちゃくちゃ怖かった覚えがあります。あんまりキリスト教圏のホラーって怖いと思う事がないんだけれど。これはマジで怖かった。

横暴な領主に苦しめられるスイスの農村が舞台で、その領主の過酷な治世に疲れきった農民たちが、一時的に税と苦役を逃れるために悪魔と取引をしてしまう、と。代金は洗礼前の赤ん坊。みなこれが罪だとわかっているんだけれど、「悪魔なんかごまかせばいい。いざとなったら自分たちが苦しむより、何も知らない子供を差し出してしまえ。」と、危険な契約を交わしてしまう。よくある集団心理よな。その契約書は村の一人の女の頬に悪魔がしたキス。そのあと子供が産まれるたび、二回三回と悪魔を欺くたび、女の頬のキスの痕に大きな黒い蜘蛛の形のあざが浮かび上がってくるわけよ。

やれオソロしや、その女は頬の蜘蛛に突き動かされて、村に産まれた新生児を悪魔に引き渡そうとする。その現場を神父様に押さえられ、聖水をかけられたところが体がちぢんで黒い蜘蛛になって!!

それからその村では、家畜が人が、黒い蜘蛛に襲われるようになってしまう!蜘蛛が触ったものすべてが、黒く焦げて高熱を発し、体中が真っ黒になって死ぬ・・・・・(今にして思えばこれは黒死病の暗喩?)。どんなに逃げようとしても黒い蜘蛛からは逃れられない。逃げた先で黒い蜘蛛は静かに待ち構えている(この待ち伏せの描写が怖かった)。むちゃくちゃを言って村民を苦しめた領主や騎士たちも、ある日城に現れた蜘蛛の一走りで全滅。悪魔は契約の履行を迫っている。「洗礼前の子供を引き渡せ。」と。

恐怖に震えるのみの村人たちの中で、ただ一人子供を思う母親だけが立ち上がった・・・・・。

なにせこちとら仏教徒でございますからして、キリスト教の神や悪魔がいまいちピンとこないんで。「悪魔払い」とかちーとも怖くないんですが。この場合敵が「蜘蛛」でござんすからねえ。うちにはアシダカグモがうろうろしているし。じわりじわりと静かに村人を追い詰める蜘蛛の描写がか~なり怖かった。

大人になってから読み返してみると、村人たちの集団心理、とくに「スケープゴートを出せば済む」とか「自分さえ良ければ他人はどうでも良いエゴイズム」とか「契約の怖さ」が細かく描かれていて、こういう人の心の恐ろしさがあって初めて蜘蛛が恐ろしいのだと、やっとわかりましたです。

本当に怖いのは化け物全とした蜘蛛ではなく、人の心。こわ~~~!

2006年8月31日 (木)

バッタ

Nec_0042_6 たぶんトノサマバッタの幼齢じゃないかと思うのですが、確かなところはわかりません。藪になった草むらは今やバッタだらけです。一歩進むごとにピョンコピョンコと四方八方に跳ねていきます。

20世紀初頭まで、大陸ではトノサマバッタが大発生して、一面空を覆い尽くす大害虫の群れとなる恐ろしい現象があったわけです。それは恐れをこめて「飛蝗(ひこう)」と呼ばれました。

通常のトノサマバッタは「孤独相」と言って、なんてことないバッタです。が、群れになって「群生相」となると、顔つきは凶悪になるわ、後ろ足は長く強力になるわで、長旅にも耐えうるようになります。その何億匹というオーダーの虫が、ありとあらゆる地上の植物を喰らい尽くしながら大陸を移動して行くのですと。

オソロシーですね。

中国には「易姓革命」という思想があります。「どんなに栄えた王朝もいつかは滅びる事を免れない。次の王朝に譲る天の時が来る。」という「ごもっとも」な思想なのですが、この「天の時」の兆しとして「飛蝗」があったのです。

なにせ一旦飛蝗が発生すると、ありとあらゆる植物を喰らい尽くすまで止みません。当然食べるものが無くなった民が、大量の流民となって少しでも食べ物のある土地になだれ込みます。それがまた中国の話ですから、人間の数も半端じゃない。飛蝗以上に凶悪な何十万、何百万と言う数の流民が大陸中を彷徨う。考えるだけでもこれまたオソロシー。そんな状態に国土が叩き込まれたら、まともな政治ができるはずがない。あっという間に王朝は滅びてしまいます。中国の歴史とはこれの繰り返しなのです。

幸か不幸か、我が国では国土が狭すぎて、トノサマバッタが飛蝗になるほどのべらぼうな単一作物の土地がありません。何でも中国から取り入れた我が国に「易姓革命」の思想が入ってこなかったのは、こういう自然条件の違いがあったわけです。

「万世一系」とやらが継続されてきたのは(これにもさまざま異論はありますが)、たまたまの自然条件からきた単なるラッキーなのです。

2006年8月27日 (日)

カブトムシの雌

Nec_0033_13 「『虫なんか嫌いだ~嫌いだ~』とかいいながら、昆虫の記事が多いじゃないか。いやよいやよも好きのうちか?」などと誤解されるかもしれませんが、鶏小屋の近所にカブトムシの雌が来ていましたので。

いや、嫌いなんですよ。嫌いなんですが、いかんせん今の時期虫が多い!非常に多い!ここは山の中。

たぶんここらへんは落ち葉も多いし腐れた木の枝もあるので、卵を産みつけようとやってきたのでしょうかね。こういう木屑おがくずのある場所を、彼女達は見逃しません。えらいもんです。春にこういうところを掘り返すと、必ずデブデブぴちぴちの幼虫が入ってるもの。はっきりいってバカでかい蛆虫。たくさんいると思わずぎゃーッて言うぞ。

でも、昨今のクワガタ、カブトムシブームで、その気のある人にはこれはいい利殖物件なのでしょうね。よくマンションの一室でクワガタムシの養殖をやっていい収入を得ている人の話なんか聞きます。マンションの一室でねえ。人工的に湿度・温度を管理して上手に育てるのはたいへんだろうな。ちょっとした環境の変化で全滅するだろうし。マニアじゃなきゃできねえよ。そう思います。

2006年8月26日 (土)

カナブン

Nec_0031_22お隣の子供たちが裏山から採ってきたカブトムシとクワガタムシを育てています。

まだそれがぴちぴちデブデブの幼虫のうちから、生垣越しに「お隣のおば・・・・おねーちゃーん(うむ、よしよし)!カブトムシとクワガタが育ったよ~!」と呼びつけてはわざわざ見せてくれるのです。

ありがとうよ。おねーちゃん、うれしいよ。でもね、おねーちゃんそんなに虫好きでないし、ましてや甲虫類のデブデブの蛆虫みたいな幼虫、あんまり見たくないんだけど。

心の中でぶつぶつ言いながらも、がえんぜない子供たちが親切で見せてくれるものを、イヤな顔もできません。引きつり笑顔で脱皮しては大きくなる幼虫をそのたび見せられてきたわけです。その幼虫もめでたく羽化し、りっぱなカブトムシとクワガタムシになりましたのでもうデブ蛆虫は見なくてすみますが、今度は「触ってみてよ、手の平に乗せてみてよ」攻撃です。きゃつらの鉤爪は結構痛いんだけどなあ。

うち近辺は鹿児島市の北の果ての山中、浄水池が近く調整区域なので家があまり建っておらず、周り中畑か竹林か山林。自然、蝉類、カブトムシ類、クワガタムシ類、トンボ類など虫には不自由いたしません。このブログでも「やれナナフシが入ってきた」の「キリギリス」だの「アシダカグモ」だの「ムカデ」など出てきております。招きもせぬ賓客には事欠かぬわけです

今日も今日とて、一日の汗を風呂で流して上機嫌でTシャツを着たところ、何者かが首筋から侵入。

「またかよ」

悲鳴も出ませんな。カナブンでございました。カナブンて変な名前ですが、これで正式な和名だそうな。この虫も世界各国地域ごとに変種が多く、「生きたジュエリー」に例えられるほど美しい色艶の外羽に魅せられた、とんでもないマニアがいるそうですが・・・・・。わたくしまったくその手のマニア心を持ち合わせませんので。うんざりしながらTシャツの首穴に手をかけて揺さぶりました。

ポテッと小ぶりなカナブンが一匹、背中から落ちてきました

おそろしや蜂毒

Nec_0030_16 とうとう鹿児島県でもキイロスズメバチの犠牲者が出ました。

出水で山払い中の方だったそうです。本当にお気の毒です。

去年一回刺されて、今回鼻を刺されただけだったそうです。それで呼吸困難になって亡くなった。典型的なアナフィラキシーショックです。

体内に入った蜂毒は、抗原抗体反応という免疫反応を起こします。それで体の免疫系に蜂の毒が記憶されてしまって、次に進入したときに全身の発疹、呼吸困難などのアレルギー反応を誘発してしまうというわけ。

これは一度蜂に刺された事のある人だったら、また蜂に刺されてしまえば、健康・不健康に関わらず誰にいつ発現するかわからないショックなので、怖い。本当に怖い!!もうすでに今年刺されてるし。

蜂は9月~11月が女王蜂を育てるシーズンで、気が荒くなっていて攻撃性が強いのです。気をつけなくっちゃ。みなさんも今や都会でもどこに巣があるかわかりませんよ。どうぞ充分お気をつけて。んで、刺されたら病院へ。アナフィラキシーショックは早ければ数分で症状がでてきます。

写真は、アシナガバチの巣の中に入っている幼虫です。このあと鶏にあげました。