椿屋敷のお客様

薬草・ハーブ Feed

2005年10月 2日 (日)

セイタカアワダチソウ

Nec_0049_1セイタカアワダチソウであります。

このたび施行された「外来生物法」の中で「要注意外来生物リスト」の中の「侵略的外来種ワースト100」の上位に入っております。しかし、そもそも日本に入ってきたのは「意図的導入」であったそうで・・・。やれやれなんといいましょうや。誰かがこれを観賞用にでも栽培したのでしょうか?母がこれのアレルギーなので、とにかく除草しなければなのですが・・・。白状します。全然間に合っておりません。繁殖力すごいです。

「要注意外来生物」という名誉ある称号をいただくには、この「繁殖力」がチェックポイントです。

逆に繁殖力に翳りのある、ワシントン条約で保護されているような種、たとえばジャイアントパンダ様を例にあげてみましょう。

「ジャイアントパンダ様のご一族が霧島山系の竹薮・笹薮でひっそりと繁殖しておられた!」こういう大発見があったとします。どうも誰かが飼育に困って捨てたらしいです(どういうルートで?税関はどうしたんだ?等のツッコミはさておき)。まず、誰も「駆除」とかいいだしませんね。とりあえず「保護」でしょう。調子に乗って牧園町あたりに「ジャイアントパンダ保護繁殖センター」の設立が計画されるでしょうが、もちろんワシントン条約事務局と中国政府は黙ってません。中国政府が「わが国は日本国が即刻大熊猫を返還することを要求する。」とか言ってきます。東シナ海の天然ガス田の線引きよりシビアな態度かもしれません。あるいは外交巧者の中国のこと、大熊猫の件で牽制しておいてガス田交渉を有利に運ぼうと画策するかも。そうなってたとえ日本政府が弱腰になっても、鹿児島県庁は退いてはいけません。「何の意味も無い」といわれる「県」という組織ですが、この際日本国からの独立を覚悟してでも「霧島山系のジャイアントパンダ様繁殖地」を守りましょう。なあに、本場中華人民共和国でも、大熊猫の棲息地の自然破壊が進み、そのペースたるや日本の比ではないぐらいなのです。「絶滅に瀕したジャイアントパンダに適した棲息地であり繁殖地である霧島」を盾に突っぱねとおしましょう・・・。

とね。セイタカアワダチソウと見れば根っ子から引っこ抜き、チャドクガと見ればカタキのように殺虫剤を吹き付けるわたくしですら「ジャイアントパンダ様がもし・・・。」と考えるとこのありさまですよ。

「ジャイアントパンダは害がないじゃないか。」とおっしゃるかもしれませんが、あれで食肉目、100kg-150kgもあるんですよ。ばりばり繁殖して数がうじゃうじゃいたら、きっと竹山はタケノコともども食い尽くされあっという間に全滅、飢えたパンダが里山に下りてきて、図体がでかいので人に怪我させることもあるだろうし、あっという間に害獣指定ですわ。

「要注意外来生物指定」。ま、人間のエゴ剥き出しなんですが。「生命力と繁殖力のお墨付き」と思えばある意味名誉なことでしょう。皮肉でなく。

へクソカズラの実

Nec_0050「屁糞カズラ」という、「ちょっとどうよ?そげな臭か花け?」な名を持つのであります。花は小さく白く中心が臙脂色でかわいいし 、実だって秋らしい風情で独特のかすかな匂いはありますが、臭くないと思います。

問題は茎と葉かな。確かに癖のある臭いがします。しかし「屁糞」というほどかなあ?いいすぎじゃないのか?と思いますが、何せ万葉の頃からすでに「糞カズラ」だったらしいですから、もうこれは日本語では「屁糞カズラ」以外のなにものでもないのでしょう。

今はまだ未熟で緑色ですが、もう少ししたら茶色に熟します。それが、しもやけの薬です。一種の脂肪酸など含むようです。

2005年9月27日 (火)

秋ウコン

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ウコンの花が咲きましたです。

ハマユウに似たいい香りがします。

秋に花が咲く種類は「秋ウコン」と申しまして、いわゆる「ターメリック」です。カレー粉の黄色成分です。肝臓の薬、二日酔いの薬としてあまりにもメジャーになってます。試みにYahoo検索してみたらスポンサーとショッピングサイトだらけでした。ほえええ。

今のところ家族内に肝臓を患っているものもなく、わたくしも酒を嗜みませんので二日酔いも知らず、根を掘り返したことは一度もありません。カレーは大好物ですが、ウコンを掘り返して混入するほどの根性も執着もなく、「インドカレー」のルーか、「カレー粉」を使用しております。凝るのは投入する野菜のほうですかね。かぼちゃ入れたり、トマトとナスで夏野菜カレー、豆カレー、ほうれん草・・・。

よって、うちのウコンはもっぱら観賞用です。ほったらかしともいいます。

17年前に亡くなった祖父が植えていた株です。うううむ、つくづくありがたいことです。

ネズミモチ

Nec_0038  台所の大黒様にお供えする木でございます。

「古事記」によれば大黒(オオクニヌシノミコト)様とネズミは深い縁があるのです。

オオクニヌシ様がお兄様たちの陰謀によって、草原で四方から火を放たれて、あわや蒸し焼きにされようかという危機に、ネズミが現れて「内はほらほら、外はすぶすぶ。」(ここは原文のままです。『ほらほら、すぶすぶ』って、『古事記』のくせにかわいいぞ)と申しましたそうな。とっさにオオクニヌシ様が足元を踏みつけると、地面に入り口が狭くて中が空洞になっている洞穴が出てまいりました。すぐその中に潜り込み、炎から身を遠ざけることができたのでした。それ以来ネズミはオオクニヌシ様の使いとなったのでございました。

「古事記」の中でもオオクニヌシ様の逸話が一番おもしろうございます。陰謀、智謀、恋愛、―――。恋に真剣で実に熱心に口説かれますが浮気者の子だくさんで、根はまじめなのにトラブルの絶えない、まことに人間くさいお方で―――。ネズミモチの実が強壮・強精の妙薬なのも暗示的でございます。

2005年9月24日 (土)

ヤツデ

Nec_0022 天狗がこの葉っぱの形のうちわを持ってますねえ。案の定「テングノハウチワ」という異名があるそうです。一振りでよろず全てのものを吹き飛ばすという神通力を持つ天狗のウチワもいいですけどね。おなごの身としましては、孔雀の羽をこの形に束ねた、大きな大きなウチワがあるでしょ?あれを、ターバンをした見目麗しい少年に持たせてゆー―っくりあおがせて、おのれは籐椅子に寝そべってマンゴーやアボカドなんかをアンニューイに口にする生活がしとうございましたね。

ま、3日で飽きるでしょうけど。ナマケモノなのに貧乏性。矛盾しとる。

ヤツデの乾燥した葉を煮出した「ヤツデ風呂」はリュウマチの薬なのですと。リュウマチはたいへんな病気です。痛みのひどさ。思うように体が動かせなくなる辛さ。「アンニューイな羽ウチワ生活」に身分不相応な憧れを燃やすより、今体が思うように動く幸運を最大限に生かさねば。―――と、頭では理解しているのですがね・・・。

2005年9月21日 (水)

失敗!ヘチマ水

Nec_0017 あいたたた、今年のヘチマ水は失敗しました。量が少なすぎ。

原因は欲をかいてたくさん密植しすぎて(しかも肥料が足りなかったか)、思ったように株が成長しなかったためです。去年かなりうまくできて、1本の株から1升瓶一杯のヘチマ水が採れたので慢心しておりました。「ふふふ、今年は7、8本はあるから1升瓶8本はいける。そしたらあの人にもあの人にもヘチマ水を配って、おのれは全身に浴びるように使うたろ・・・」あな、あさましやおろかしや、獲らぬタヌキの皮算用とはこのことなり。「舌きり雀」の隣の意地悪ばばあのごとし。

来年はリベンジであります。次は少数精鋭主義でいくぞ。ヘチマ水風呂でつやつやお肌。すでに皮算用全開。

2005年9月17日 (土)

ヨモギ

Nec_0007ヨモギにはお世話になったなあ。「血止め草」といって、すりむいたり切ったりしたところの止血に、つばをつけてぐしゃぐしゃにしたヨモギを貼り付けた。はたしてそれで早く血が止まったのかどうかはわからないが。まあ、敗血症にも破傷風にもならずに成人したなあ。

3月には「草餅に使うから、芽を集めてこんね。」と大ざるを渡された。すでに当時からぐうたらだったので、かなり硬くなったところも一緒に摘んで持って帰り、「こげな硬かところは使えんがね!」と、改めて採りにいかされたなあ。自業自得。

この葉っぱを入浴剤に使うと血行促進になるらしいので、来るべき冬の冷え性に備えて、干しておこうかと思う。匂いも独特の利きそうな匂いがするし。

もぐさはヨモギの葉の毛だけを集めて作ったものである。が、さすがに、まだお灸の世話になることはない(はずである)。

からすうり2

Nec_0008 からすうりの実であります。まだ熟しておりません。この緑色のシマシマがおいしそうなんだけれど、食べられたもんじゃありません。残念。もうすこししたら赤朱色に熟します。なかなかに風情がありますぞ。しもやけや催乳に利くらしいです。

野草には「カラスのなんとか」とか「スズメのなんとか」とつく名前が多いです。

2005年9月13日 (火)

葛の花

031 二日酔いの薬ですと。干してせんじて飲めばよいらしい。わたしは酒をまったく嗜まないので縁がございませんが。(酒飲みたちからは『人生の半分を捨てとる』といわれます。くすん。)

あの凶暴なほどに繁茂する葛にこんな可憐な(かつ二日酔いの薬になる)花が咲く。わが身もかくありたきものよ。

彼岸花

Nec_0191彼岸花が咲きはじめている。もうじき秋の彼岸かあ。「暑さ寒さも彼岸まで」というが、今年の夏も暑かったなあ。

美しく赤い彼岸花は、案の定毒があるのである。アルカロイドのリコリンというちょっとやばい毒である。「絶対に口にしてはいけません」と子供のころ注意された方もあるのでは?

おなごに生まれてきたからには、「美しいけれど毒がある」とか「美しいけれどトゲがある」とか、そういう形容詞で表現されてみたいものじゃのう。このブログも当初の目論みは「抑えても抑えてもあふれだしてくる妖しいお色気を醸し出す」じゃったんじゃがのう。どこで間違えたかのう・・・おかしいのう・・・。

彼岸花が土手とか田んぼや畑の回りに生えているのは、もともとモグラよけとして植えられていたからだという。つまり彼岸花の鱗茎に毒があるので、モグラが近寄らず土手にトンネルを掘らない。よって土手が長持ちする、という寸法である。宿根草なので半永久的に生えるし手間要らず。昔の人の知恵というのは、ほんとうにすごい。

こんな能書きを垂れとるから色気がないのだが・・・。ひょっとして毒だけはある? モグラも近寄らん?

追記:「雲の雫」さんとこでも彼岸花について書いてらっしゃったので、http://rain.synapse-blog.jp/まで。