椿屋敷のお客様

薬草・ハーブ Feed

2005年10月15日 (土)

アオツヅラフジ

Nec_0092_2 アオツヅラフジの実です。

赤やら紫やら朱色やら、華やかな色合いの多い秋の実の中では地味なほうです。

よく地味な植物を、「路傍に咲きたる名も無き野の花」に類似した文章で表現されていることがありますが、「いまどき人類に発見されてない『名も無き植物』なんて、アマゾンの奥地か雲南省の奥地か、とにかく一般人じゃ行けないような辺境にしかねえだろ。見つけたらプラントハンター大喜びじゃん。」と、皮肉に考えてしまいます。いや、自分だって間違ったことを言ったりするので(すみません)、「一つの間違いも無くぎっちり考証してから書けよ。」と堅苦しいことを言うわけではないのですが、最初から『名も無き』と決め付けるのはちっとどうかなあと。「『名も知らぬ』花」なら納得できるのですが。

アオツヅラフジは地味な外見に似合わず、「利尿薬、むくみ」の薬として利用されてきました。誰が試して誰が伝えたのかもはやわからないことですが、緑多い列島に住んできたご先祖たちはその緑を長い年月をかけて研究し知り尽くしてきたのだなあ・・・と思います。

2005年10月13日 (木)

ガマズミ

Nec_0005_3 ガマズミの実です。

酷暑の夏に喘いでいたら、いつの間にか最高気温は30℃を切り、見渡せばさまざまな木々や草に色とりどりの実が実ってます。

道理で・・・我が身我が心も、「物狂おしう騒がし」くなるはずです。はああ、せつねえ、せつねえぞわしゃあ。ため息をつきたくなる秋でございます。

しくぁぁし!「10月に植えるべし」指定の種や球根も多いですし、夏の実りから採れる種も今のうちに乾かしたり整理したりして来年の春に備えなければなりません。晩秋にはヤギさんが来るのでその準備もせねば。ばたばたばた・・・・。気ぜわしいです。

はあああ。

ガマズミはもう少し熟れると果実酒に漬けるのです。酒が飲めたらなぁ。

2005年10月12日 (水)

アケビ

Nec_0089 畑の奥の藪を払いに行ったら、アケビがなってましたよ。

まったくそこらの山より藪じゃ・・・(とほほほ)。もちろん植えたわけではなく、どこのどなたか存ぜぬ鳥様が、どこぞの山とも知れぬ山のアケビの実を食されて、我が家の畑にお寄りくださった際に、種混じりのウンコをひりだし遊ばされたのである。

茎は「木通」といい、花の時期に採取して干したものを腎臓炎や尿道炎、膀胱炎のむくみに用いるらしい。あと煎じ汁でおできを洗うとよい。それと果実の皮を油で炒めて食べる地方が多く、春先の若葉や若枝をおひたしや、胡麻和えにもする。

ま、難しいことはさておき、さっそく中の果肉を食べてみる。ほんのり甘い。で、調子に乗って黒い種を噛んでしまった。にっっっっっがあああ!ぺぺぺぺぺ。そうだったそうだった、果肉は甘いが種は激苦いんだった。ちゅうてもほとんどが種なんじゃがのう。うがいをしたり、お茶を飲んだりいろいろやってもなかなか苦味は消えなかった。

残りは地鶏くんたちにあげた。

2005年10月10日 (月)

ヤブマメ

Nec_0079_1 ヤブマメの花と実です。

葛やクローバーなんかもそうなんですが、マメ科の植物は根が地中の窒素を蓄えるために、たいそう栄養があります。(『空中窒素固定装置』なみ。「キューティーハニー」かよマメ科)。

よって野生の草でも、家畜や 家禽のいい餌になるので、昔から冬に備えて刈って干して蓄えていたようです。小さい頃斜め前のお宅が牛と馬を飼ってらして、そこのおじいさんが葛やクローバーの茎や葉を大量に刈って馬車(!)で馬小屋に運び込んでました。

それに比べればささやかですが、うちの藪に自生しているヤブマメを(藪払いも兼ねて)除草して、そのまま地鶏くんたちにあげると大喜びです。この小さなえんどう豆みたいな豆を争って食べます。 試しに自分でも食べてみました。枝豆みたいでなかなかいけます。しかしこの大きさでは百粒でも一口に足りますまい。Nec_0080_2

2005年10月 9日 (日)

バジル

Nec_0076イタリア語は「チャオ」しか知りませんがイタリア料理は大好きです。(といっても日本でしか食べたことはありません)

よって、バジルは畑の必需品です。

お客様のななさんのお宅でもバジルを栽培してらっしゃるし、べにこさんはガーリックオイルの作成に余念がありません。まっこち皆さんおいしいものを召し上がるための日々の精進ぶりさすがです。

バジルはまあいえば地中海沿岸に自生する野草なので、あまり水を遣り過ぎずに日向で育てれば、よく育ちます。今年もかなり繁ってくれたのでそろそろバジルソースの作成にかからねば、と思っています。

本場では松の実やクルミの実などを混ぜて濃厚なソースにするのですが、オリーブオイルとニンニクとバジルの葉っぱをフードプロセッサーにかけるだけの簡単ソースにしています。それだけでもパスタに混ぜればおいしいし、ピザにのせてもよし、あと鶏モモ肉にこれと塩コショウとまぶしておいて下味をつけ、パン粉や粉チーズとオリーブオイルを混ぜた衣をつけてオーブンで焼くと、簡単な割にはすごくおいしいです。

今年はちょっと奮発して松の実かクルミか混ぜてみようかな。来年のバジルの収穫期まで冷蔵庫で一年は持ちます。便利です。

2005年10月 8日 (土)

ススキ

Nec_0070 ススキです。

「日本の秋にはこれがなくっちゃ」ですね。花札の月の下にススキがなくちゃ締まらない。昔はこれで屋根を葺いたんですね。これを、鎌で刈って。集めて束ねて。ほんとにたいへんそう。

ススキの葉の芯だけ手でシュッとしごいて飛ばす、ススキジェットという遊びがあり、調子に乗ってどんどん飛ばしていたら中指の横を深く切ってしまいました。血がだらだら出てびっくり。

ススキの野を歩くとき油断してると切ります。破傷風の原因になりかねないので注意です。

根茎は解熱剤なのに。

2005年10月 7日 (金)

ヤマイモの花とムカゴ

Nec_0071_1

ヤマイモの花とムカゴです。

このの中に種ができ花弁をプロペラにして風に乗って飛び、着地点で発芽して増えます。

Nec_0072

ムカゴも落ちたところから発芽して増えます。これは「種」ではないのです。

茹でて塩を振って食べるとおいしいです。

つまり、ヤマイモは①種②ムカゴ③地下茎(掘って食べるところ)の三段構えで繁殖するわけです。「自然薯」として勝手に生えてくるのも当然といえましょう。

すげえ。

2005年10月 6日 (木)

ゲンノショウコ

Nec_0062_1 ゲンノショウコの花が咲いてました。

下痢止め、更年期障害、冷え性、便秘に効く上に副作用ナシという万能薬でございます。

「ゲンノショウコ」とは「現の証拠」で、「飲んでみろ。効くだろうが。『現の証拠』だ、という名の由来である(意訳)」と本草学者の小野蘭山という方が記述しているらしいです。いったい最初に言い出したのは誰ですか?そのネーミングセンス、大阪人じゃないですか?(例:天神橋筋六丁目を『天六』)

大阪で本草学は発達したらしいですしね。実際ロマンティックなところを排除した即物的な(笑える)ネーミング、でも現実によく効く、大阪人がいかにも好きそうな薬草です。今の大阪市内に生えてるのかどうかは知りませんが・・・。(あるなら淀川堤とかですかね)

2005年10月 4日 (火)

からすうり3

Nec_0059_1 からすうりの実が熟しました。

鮮やかな朱色です。サザンカに絡んでいたのですが蔓のほうはすっかり枯れています。

これの黄色い種類は「黄からすうり」といい、塊根が天花粉の原料です。

黄からすうりはなかなか見かけません。

2005年10月 3日 (月)

山椒の実

Nec_0054 「小粒でもピりりと辛い」山椒の実です。

山椒の木には雄木と雌木があり、おかげさまでその両方があるので、雌木に実がつきました。

胃腸の調整に、皮膚のかぶれに、利尿剤に使用するのですと。あと夏場のぬかみそに一握り入れてかき混ぜると腐敗を防ぐ―――と。知らんかったぞ、夏に入れときゃよかった。しかしまだ鹿児島は夏日が続いております。どうなっておるのでしょう?遅れてきた夏バテの人がまわりに多いです。あ、そういや夏バテにも効くはず。疲れ気味なので口卑しく一粒食べてみました。

黒い種は辛くなく、皮を噛んだら「ピりり」ときました。

Nec_0088