台風は鹿児島をかすめて去っていきました。いっとき雨風は激しかったものの夜半には落ち着きました。大事にならずよかったです。しかし、宮崎の竜巻などで亡くなった方もおられます。心よりご冥福をお祈りいたします。
さて、大風が吹いて一番心配だったのが、「若鶏小屋の屋根が吹き飛ばないか?」でした。鹿児島ではとにかく台風が来る確率が高いので、何を作るにしても大風が吹くことを計算に入れないと大変な目にあいます。
それで若鶏小屋は南側にヒトツバの密植、北側にモミジの密植がある2m四方の空き地に据えました。生きて根を張っている樹が結局一番風に強いと聞いたからです。
今回の台風で、もっとも風雨が激しい時間に若鶏小屋を見にいってみると、おかげさまで屋根は無事でした。うむうむ。驚いた事に周辺に風がビュービュー吹きまくって、人間の髪も服もバタバタ吹き飛びそうにはためくのに、その2m四方だけは静かで、髪も服も何事もないように納まります。樹があるって大きいなあ!
前にも書きましたが、伝統的に鹿児島の庭はヒトツバ(イヌマキ)を密植した生垣を作るし、日本三大砂丘の吹上浜では防風と防砂を兼ねた松林が植えられています。からっ風で有名な群馬では樫の生垣を作るといいますね。ほんとうに風に対して生垣はかなり効果的なんだなあ。
ちょっと今、4~5年がかりで、庭と畑全部をカバーする生垣をなんとかできないか考え中です。
元来、縦のものを横にするのも「メンドくさか」ようなナマケモノなので、「乳と蜜の流れる土地(旧約聖書でいうパレスチナの事だ。ドンパチ派手にやっているぞ)」だの「桃源郷」だの「ユートピア」だのがほんとにあるなら行ってやる、と長年思っておりました。
わかった事は一つ。「行くまでがものすごくたいへんだ。」
ユートピアがたとえあったとしても、ナマケモノはそれまでの道のりでまず挫折します。それで考えを変えました。「『乳と蜜の流れる土地』を自分の手で作る。」これですよ。これ。しかもよく考えてみればわが鹿児島は「乳と蜜が流れる」状態にかなり近い。そのものといってよい。亜熱帯に近い気候。降水量も多い。日本でも有数の過疎県で緑地も耕地もいやというほど残されている。水がうまい。温泉まで湧いてでる。伝統的に農林水産業で日本一のものが多い。実際に乳牛だって蜜蜂だって多いぞ。黒豚、黒牛、焼酎・・・・・
結構ほっといても、種や苗を植えさえすれば食べるものが(しかもうまいものが)できてくる。ありがたやありがたや・・・・・・・。
でもね・・・
気候が温暖なのはありがたいのだけれど、この夏みたいに暑いと、草の成長がはやすぎるのがたまにキズ。「台風来るしな」でゴロゴロしていた先週のツケが今一気にまわってきました。
縦のものを横にもしないナマケモノなのですが「このままでは家も畑も草とカズラに飲まれてしまう!!」と恐怖を覚え、ついにMy草刈機をだしてきてやっとかっと畑の1/3を草刈しました。草刈した草はヤギ餌と鶏餌です。暑かった!
「乳と蜜の流れる土地・・・」「乳と蜜の流れる土地・・・」
口の中で唱えながら、その道のりを歩んでおるのであります。
ここ数日夕立が降ります。必ず雷も伴っているので、そのたびモモ(紀州犬雑種・5歳・女の子)は大騒ぎ。
と、ここで稲妻の一つも写真で出せればたいへんカッコいいのですが、そんなものを撮れるような根性も技術もなく、激しい雨を受けて震える藪を撮るのがせいぜいです。
お昼をいただいた後「ウヒー―!こりゃたまらん!体から脂が出るー!」と炭火で焼かれたうなぎのごとく、あまりの暑さにだ~らだらだ~らだら汗をかいていると、三時を過ぎたあたりから、突然遠くの雷(たぶん東シナ海あたりで発達した積乱雲から発しているのであろう)がだんだん近くなってきて、モモが家の中に飛び込んできたな、と思ったら大粒の雨が降り出してきます。
驚くなかれ、雨が降り出したとたんに、寒暖計は3℃ほど下がっています。いきなりひんやりとする空気。これこれこれよ~。夏の午後はこうでなくっちゃ。
夕立がくるたび「熱力学の第二法則」ってやつを思い出します。「熱は熱いほうから低いほうへと移動して、その逆はない」ってやつ。つまり「宇宙の最初は超高熱のビッグバンで、それからどんどんどんどん冷め続けていて、最終的には絶対零度になって平均化する。」エントロピーの増大。
突出してエネルギーを溜めてしまった雲は、必ずいつかそのエネルギーを開放するために雨を降らす。自然は、宇宙は、結局突出したものを許さない。にもかかわらず生命体は生まれ、多大な熱量を放出し続ける。いつの日かすべての熱量が移動して活動を停止するそのときまで。
厳しいけれど美しい、掟。
昨日今日と畑の朝露がすごくて、スニーカーで入ると中までずっぽずっぽになるほどです。今日ももう一足乾してます。
夕方に夕立があって、朝方がひんやりして、結露するのにいい条件の日が続いたわけです。これぞ夏の日!!ですわ。(まっこち、こういう条件の土地が茶の葉をうまくするのにいいのですが、うちの茶はまだまだです。手入れをせねばならん。)
気象庁の発表では、100年前に比べて、年ごとの総降水量の変動幅が二倍になっているそうで。つまり、「去年の降水量と今年の降水量の差」が100年前に比べて二倍になっておるということです。こりゃ冷害さもなくんば旱魃パターンの気候ですわ。いわゆる天保の飢饉、享保の飢饉とかのときと一緒。やばいぞ―――。
もっとも地質学的な時間単位では、100年なんて針の先にも等しい短さです。20世紀ってのは「例外的に気候の安定した世紀だった」という説もあるほどでして。その前の長い長い500万年近くを生き延びてきた人類なので、何とかなるんじゃないかにゃあ、とも思いますです。
朝露ってのは万葉集の昔から「はかないもの」の例えにもされてきましたが、それこそが生命をはぐくむ現象だったりするわけで。
露を歌った在原業平の歌、
「白玉の何ぞと人の問いしとき 露と答へて消えなましものを」
というこれだって、若気の至りで御后候補を盗んで駆け落ちした業平が、その娘を娘の親に取り返されて悔しがっている歌とも取れるわけで。
ロマンティック以前にかなり生々しい歌でもあるのではないかと。
ついにと申しましょうや、やっとと申しましょうや、気象庁から鹿児島地方の梅雨明け宣言が出されました。フー―――ッ。
7月は降りましたね~。このわたくしをして家周りの排水整備を決意させるほど半端じゃない降水量でした。平年より13日ほど遅いらしいですが梅雨が明けるのはありがたいことです。
「梅雨が明ければ猛暑だろうな」まったく今日は猛暑でした。しかしうちは鹿児島市のチベット、山の上。夕方にわかに空かきくもり、激しい夕立が・・・・・。(こういう土地柄なのでおいしいお茶ができるのだ)
夕立の後は一瞬涼しくなりましたが、今は21時、またぞろ気温が上がってきました。寒暖計を見たら30℃あります。湿度も高そう。ムシムシ。
鹿児島県北部ではこの二日で総雨量1200ミリを越えるそうです。1200ミリって・・・・・またもや観測史上初めての事態だそうです。
もっとも日本で気象観測を始めたのが100年足らず、この程度のスパンで気象という地質学的現象を語るべきではありません。
しかし、しかし・・・・・
梅雨が明けたあと、また35℃を越える酷暑の日々がまっているのでしょうか?
なんというか、こう、夏って・・・・・最高気温でもせいぜい32℃ぐらいで、それでも朝方はひんやりさわやかな空気、昼過ぎに「暑いね~」と昼寝して、3時を過ぎたらいつの間にかもくもくと入道雲、ザー―ッとやってきた夕立で、昼の暑さがさっと洗い流され、夕方はまた涼しい風がさわさわと風鈴を揺らす・・・・・
・・・・・っちゅうような季節じゃなかったかいなあ?
どうも今年の夏は「降ればどしゃぶり、晴れれば日照り」――――。厳しいのう。
鹿児島県で一番でかくて長い川、川内川流域の全住民に避難勧告が出てしまいましたよ。
「全住民」てああた。何万人になるんじゃ?と思ったら案の定鹿児島県下で、避難指示・避難勧告が出ている人数は6万人に達するそうな。
ううううむ。どうぞ、みなさん無事に避難されますように。
鹿児島県北部だけではなく南部の雨量ももの凄く、昨日から今日にかけての一日で、平年の7月の総雨量の140%が降ってしまったらしい。
ううううううむ。
7月初めに、10日連続で一日150㍉~200㍉の大雨が降り続いたというのに。
まだ降るか?
どうなっておるのじゃ?
幸いにしてうち近辺に避難指示・勧告はでておりませんが。
おそろしかことです。
毎日毎日、雨雨雨・・・・・しかも大雨です。いいかげん地盤も緩んでいることでしょう。みなさんもどうぞ崖の下とか用水路の近くとか通るときはお気をつけてお通りください。
「今年は空梅雨かも」などといいかげんなことを言った自分が悪かったです。反省してます神様仏様。なのでもういいかげん雨を止めてください。洗濯物が乾かず、布団がしけり、家の中がなんとなくかび臭くなり、畑が草だらけになってます。植えた苗の中には根ぐされを起こしているのもあります。フ―――。
今日もいっときの間もなく降り続き、雷は鳴りつづけてました。無理やり小止みのときにモモの散歩に行きました。ネムノキの花が咲いているのですが、携帯のカメラではなにがなんだかわかりません。あの絶妙な白から赤にうつるポワポワの花、好きなのに。ちょっとブルー。
とかなんとか言ってる今日、テポドンが発射されたらしい。なにもこんな梅雨前線が停滞して台風が見えているときにそんなことせんでも。いや、たとえ高気圧に覆われてようが寒気団が南下してようが、そんなことして欲しくないけど。
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