椿屋敷のお客様

マンガ Feed

2006年3月13日 (月)

モンキー・パトロール

Nec_0024_12 やっぱりというか、なんというか子ヤギの尻ばかり追いかけるという状態になってしまったわけですが、昨日は一日冷たい雨が降りましたので、家の中におりました。そしてマンガ三昧。ああ、マンガ好きだなあ。

生まれたときからマンガがあったけど、ゲームはまだ未発達、そういう世代なもので、「マンガを読む」ということが一番心を落ち着かせるのです。活字も好きですが「活字だけの本に没入する」というのはそれなりに精神の安定と集中力が必要なもので、マンガより構えますね。ゲームは持ち運びが不便だし、目が疲れるし。「活字離れ、マンガ離れ」って言ったって、紙の媒体は無くならんでしょ。便利だもん。風呂でもトイレでも読めるし(行儀はなはだ悪し)。

「モンキー・パトロール」(既刊6巻・有間しのぶ著・祥伝社)はそういう「精神の安定と集中力」への準備運動にぴったりなんですわ。

基本は4コマギャグで、脱力系のほんわか絵なんですが、内容はシビア。というかなんというかここまでいうか?という、「今」の女達が抱えている夢や希望や現実や問題を、これでもかってぐらいの身も蓋もなさで描いてるとこがすごいです。

主人公は20代後半の3人娘。モロ「オヤジ性格」で元気もののドラッグストア店員ヤイチ。売れっ子ライターなのに貧乏性で男運の悪い香ちゃん。フェロモンを自由に操るモテモテのすず。この3人をめぐる交友関係、彼氏関係と、日常生活をセンスのいいテンポでぶちかましてくれてます。3人も、そのまわりの人間達もキャラのかきわけが強力無敵。

ヤイチはほんとに50代のオヤジみたいな性格で、巨乳好きでスケベ大好き、男友達やたら多い(トモダチってとこが、ミソ)。だってあたしたち共学で男女平等で雇用機会均等法なんだもん、わかっちゃいるけどどうしてもオヤジ入っちゃいます。こういうヤイチですら「高校の同級生で温厚篤実で男前で女の趣味がマニアックな弁護士オジャブー」などという彼氏ができるのが「モンキー・パトロール的世界観」なわけですよ。ありがとう有間しのぶ!おかげさまで夢と希望が持てるよ。

香ちゃんは、売れっ子ライターで2千万ぐらい貯金のあるキャリアで、しかも家事万能のお料理上手。でもこういう女にありがちな「わたしはどうあるべき?」という強迫観念が強すぎて、いつでも不安。年下の愛人(本名)という彼氏に翻弄されてます。貢いでます。その香ちゃんにも、これまた年下の元ヤンキ―だけど不器用で誠実なモリタという新彼ができ、幸せの絶頂。これまたありがとう、有間しのぶ!

フェロモンを自由に操る女神のごときプー女、すず。このひとのモテ方の描写がすごすぎ!とにかく世の中の男の中で、すずのフェロモン光線にやられないのは、ヤイチの彼氏と香ちゃんの彼氏だけじゃないかというほど男という男総なめ。年齢も地位も職業も全く関係なく落としまくり。そうでありながらすず本人は男に全く執着しない。輝くベビースキンと完璧なボディとかわいい顔を持ちながら、性格は戦国大名のよう。あああああ、女と生まれてきたからにはかくありたきものよ。よくぞこんな女を描いてくれた。ありがとう有間しのぶ!

ヤイチのトモダチの古着屋の店長玄夜。「モンパトの良心」といわれるほど男っぽい男だが、スタイル抜群ですずに翻弄され、人妻に騙される。

すずの彼氏のとらお。できるサラリーマンなのだが、すずの浮気に泣かされまくり。超汚いすずの部屋をエプロン持参で片付けてかいがいしく3度3度のご飯を作る。

ヤイチのトモダチ、日向くん。男なのにラブリーでプリティーな小悪魔系。すずと「かわいい界の王者争い」を繰り広げ、式神を飛ばしあう。

そのほかそのほか、多士済々なモンパトの世界。日常に疲れたあなた、とりあえず一度読んでみて。日常に疲れた殿方にもお薦め。

2006年2月15日 (水)

星の時計のLiddell

Nec_0030_7 日置の実家の倉庫に、それはそれは大量のマンガを保管してもらってます。モノゴコロついて長谷川町子の「サザエさん」と手塚治虫の「火の鳥」を読んで以来のヘビーなマンガ読者なもので1980年代~現在にいたるまでの、それでも厳選して厳選して残したマンガの数々が山積み。別に初版本とかサイン本とかのお値打ち本があるわけではないのですが、大事なのです。もう少し整理せねば~せねば~と思いながら、まあ・・・ぼちぼちですわ。

この間整理していたらこれがでてきました。

「星の時計のLiddell」(内田善美著・全3巻・集英社)1985年1巻発行。

1980年代というのは、いまだバブルも崩壊せず、日本は「ライジング・サン」とか言われ貿易黒字をアメーリカあたりにぎゃんぎゃんいわれるほど好景気だったわけです。にもかかわらず、どこかで「このままで済むわきゃ無い・・・」と皆がぼんやりと思っていて、見えない未来に漠然とした不安とほのかな希望を持っていました。1960年代みたいな「ばら色の未来、夢の21世紀」という手放しな礼賛はできなくなっていたような気がします。公害とか過剰な都市化の弊害もどんどん出てきだしていたし。ああ、考えてみれば「エイズ」とか「アスベスト問題」とか、このころに「科学朝日」で第一報を読んだ記憶があります。もはや科学朝日も廃刊になってから久しいですが。

それまで一段下に見られていた「少女マンガ」という分野が、ものすごいことになっていました。とにかく凄かった!!「最先端の知性は少女マンガを描いてるんじゃないか?・・・」と鹿児島の片隅の田舎で田舎者なりに思っていました。その頃何よりもリスペクトしていた作家は数え切れません。クイーン萩尾望都を筆頭に、山岸涼子、青池保子、吉田秋生、名香智子、槙村さとる、三原順、etc.etc.・・・・・。全部挙げていったら作家名だけで五十人はくだらないでしょう。

「星の時計のliddell」はその凄まじい多様性と可能性をはらんだ当時の少女マンガの中の、完成形のひとつでした。とにかく絵が凄い!!「どうやって描いたんだこれ!?」というほど緻密で正確、それでいながら可愛らしく透明で清潔な色香がある。今見ても全く古さを感じさせない、知性で制御された絵です。デッサンもいいが何より色!カラーページのとんでもない素晴らしさ。カラーインクで描いてあるのですが原画はどうなっているのでしょうか?ああ、色あせてないといいけれど・・・。

そしてストーリーの内容も凄かった。

・・・アメリカのシカゴでロシア貴族の末裔ウラジーミルは不思議な男ヒューと知り合う。二人は学生時代からの付き合いだったが、ヒューが不思議な夢を見つづけていること、その夢を見ているときには無呼吸の仮死状態になっていることを知り、さらに二人は接近していく。ヒューの夢とは百年以上前のビクトリアン・ハウスの夢。溜息がでるほどに青い夜明け前のハウスに夜な夜な訪れる美しい少女リデルと、ヒューは夢の中で懇意になっていき、あるとき助けを求める少女の声に応えるために、とうとうその夢のビクトリアン・ハウスを捜す旅にでてしまう。

ヒュー本人も不思議な魅力を持った「新人類」とでもいうべき人物で、「生まれつきずっと退屈し続けていた」ウラジーミルも彼にひかれて、ヒューの旅に付き合うことにする。・・・・・彼らが探すのは本物の未来の希望なのか、それとも一人物の妄想にすぎないのか。

ああ、これだけの文章ではとても説明しきれん。とにかく探せばリサイクルブックショップにあると思うので、現物を見てください。80年代の最先端の科学知識も駆使され、当時の未来への漠然とした不安とも希望ともつかないヴィジョンが、マンガというメディアの持つ可能性のギリギリまで使って表現されています。

21世紀現在、残念ながらこのマンガが示唆していた「未来の不安」のほとんどは現実になっています。環境破壊はとどまることを知らず、温暖化、動植物の絶滅とひどくなっているありさま。それでも、今読み返しても「ひょっとしたらこのマンガの中にある希望は、あるかもしれない・・・」と思わせる。時代や世代を超えた大傑作なのであります。

2006年1月29日 (日)

のだめカンタービレ・14巻

Nec_0033_6 恥をしのんで申しますが、実は小学校2年生から高校2年生までピアノを習ってました。もちろん、な――んのモノにもなってません。あ、唯一甥っ子が遊びに来たときに「お馬の親子」や「ぞうさん」や「桃太郎」を弾いてあげられたからよかったのかにゃ。

モノにならなかった原因は今やはっきりわかります。「ハノン」や「平均律」みたいな基礎練習がだいっきらい!だったからです。とほほほほ・・・・・。何事もなァ、そういう基礎部分が大事なのよ。「ハノン」で10本の指が均一に早く動く訓練をしなければ(それも気の遠くなるような時間のかかる訓練)、リストやショパンの超絶技巧曲はとてもじゃねーけど弾きこなせません。いまだに根性なしですが、子供の頃に比べりゃ、そのことが骨身にしみてきたので、またゆっくりぼちぼちとピアノを弾き始めてみようかなあ。もう競争しなくていいんだし、楽しみのためだけに。大人になってからピアノを始める人が多いと聞きます。そうだよなあ。音楽は「おとのたのしみ」なのに、凡人は大人にならないと「ハノン」を楽しいと思えない。それを心から楽しいと思えて基礎練習を苦痛としない、それが「才能ある」ってことなんすかね。

あいかわらずぶっ飛ばしている「のだめカンタービレ・14巻」(二ノ宮知子著・講談社)です。あいかわらず、のだめは変人の変態ですがね。これがピアノの基礎練習だけはまじめにやってるんですよ。オクレール先生の指示にも素直に従ってるし(にもかかわらず肝心の試験のときにぶっ飛んで指示を忘れるところがのだめなんですがね)。平均律のメロディーを歌いながら練習するシーンなんか、ちょっといいなあ、と思わせるものがあります(のだめなのに)。

二ノ宮知子氏はこのマンガで「こ、こんなやつがクラッシックを・・・」という言語を絶した変態と変人ばかりを登場させてます。が、しかし二ノ宮氏の「ハズさねーなァ」というところは、実生活でいかに変態な音楽家達も「音楽に関しては実に真摯で愛があるのである」ということを必ず描いているところ。

主人公ののだめもしかりですが、おれ様千秋はもともとがまじめな努力家。ドイツの巨匠エロジジイ、シュトレーゼマンも若い頃の勉強は超人的だし、千秋のライバルフランスのおれ様ジャンも、「ブイブイいわすおれ様未来日記」をつけている松田も、みんな結局は「音楽が人生の最優先」な連中ばかり。特に今回は36歳油の乗り始めた「これから世界的にブイブイいわす予定の指揮者」松田のできは出色。千秋にかます「お前ほんとに36歳かよ!」というような子供じみたイヤがらせの数々、笑かす笑かす。こういう男でもやはり人生の一番は音楽で、逆玉の富豪のバカ娘が音楽の邪魔になると、とっさに音楽をとってしまう音バカっぷり。(それにしても、千秋、ジャン、松田と三人もおれ様指揮者を出しておいて、よくこの三者の性格かきわけができるよなあ。しかも三人とも笑える性格。すごいよ二ノ宮知子)

ピアノののだめ、オーボエの黒木くん、バソンのポールで組んだトリオ「ヤキトリオ」も爆笑。

のだめ、花の都パリでもあいかわらずの絶好調なのであります。

2006年1月21日 (土)

かぼちゃのマーブルパウンド

Nec_0010_6 夕方にやっと冷たい雨が止みました。鬱陶しかったなあ~もう。久々の晴れ間が本当にうれしかった。

雨払いにケーキでも焼くか、とかぼちゃのマーブルパウンドケーキを焼きました。よしながふみさんのマンガ「フラワー・オブ・ライフ」にでてくるケーキです。簡単ですがおいしいんですよ、これ。

  • かぼちゃ150g
  • 砂糖20g
  • バター20g

かぼちゃを蒸すなりレンジにかけるなりして柔らかくしといてつぶし、バターと砂糖を混ぜておく。

  • 小麦粉100g
  • 砂糖100g
  • バター100g
  • ベーキングパウダーこさじ1/2
  • 全卵2個
  • 牛乳20cc

バターを柔らかくしておいて泡だて器で砂糖とすり混ぜる。ときほぐした卵を少しづつ加え、牛乳も加えて混ぜる。

最後にそこにベーキングパウダーをプラスした小麦粉を3~4回に分けてゴムベラでさっくり混ぜる。お好みでシナモンを加えても良し。めんどくさいときはこの作業をフードプロセッサーでやっちゃいます。

6cmx7cmx25cmぐらいのパウンド型にこの生地を流しいれ、さっきのかぼちゃペーストを入れてマーブル模様になるように適当に混ぜる。

170度のオーブンで45分から55分焼く。

以上です。

よしながふみさんのマンガ、傑作「西洋骨董洋菓子店」(全4巻・新書館)といい、大好き。ときどきレシピも載っています。おいしい。

2006年1月19日 (木)

沈夫人の料理人

Nec_0004_8 学生時代の専攻は中国史でした。

でも、あまりに「でかい、多い、長い」歴史の凄まじいパワーとボリュームに「コリャダメだ」と匙を投げ(当時から根性無し)、合気道部に入ってランニングとスクワットと腹筋と道場練習ばかりしてました。「体育会武道系一の胃袋」と称されるほどよく食べたものです。

中国語もなんとかマスターしようと、わたくしにしては結構な手間とお金をつぎ込みましたが残念なことに全くものになりませんでした。しかし、中国に行く機会がありそれはそれはおいしいものばかり食べる旅行をいたしました。ほんとうに、おいしかったなあ!!この世のものとは思えないほどジューシーな上海蟹のかに味噌。てりてりとつややかな北京ダック。本場四川のマーボー豆腐。上海の屋台で食べたマントウ。抗州で食べた金魚のお菓子。天安門広場で食べたアイスクリーム。長安で食べた枕スイカ。今思い出してもあれはしあわせな日々でした。

「沈夫人の料理人」(深巳淋子著・既刊3巻・小学館)を読むたび、あの食べるもの食べるものすべてがおいしかった旅行のことを思い出します。

・・・・・富裕な商人の後妻さんの若く美しく食いしん坊な沈夫人と、その屋敷に買われてきた腕のいい料理人の李三。李三は腕はいいけれども愚直なほどに正直者。意地悪でサドっ気むんむんの沈夫人の格好のおもちゃです。そしてまた沈夫人にいじめられればいじめられるほど、李三はおいしい料理を作り上げるのです。・・・・・

という、単純な構造のストーリーなのですが、おもしろいのよ。なによりおいしそうなのよ!

「究極の『ご主人様と下僕』物語」とよく書評で言われてますね。まったくその通り!沈夫人の李三の操縦振り、凄いよ!ちょっとサドっ気のある東京の妹など「かくあるべし!わたしも専用の料理人のいる生活をしたい」などと申しております。きゃつはわたくしに負けず劣らずの食いしん坊で、わたくしよりはるかにグルメなのであります。稼ぎも多いのでたいがいのおいしいものは食べているはずなのですが、「沈夫人の料理人」はきゃつの胃袋すら刺激しておるらしいです。

この話あまりにどれもこれもおいしそうなので、また中国に行きたくなりましたよ。今の中国の食べ物がはたしておいしいのかどうかは知りませんが。

派手に炭鉱やら化学工場やらで事故やらかしてばかりで、公害もすごそうな今の中国。

2006年1月13日 (金)

無限の住人

Nec_0036_6 「食わず嫌い」という言葉がありますねえ。思い込みで食べても見ない前から「これ嫌い」と決め付けて人生を損するという。子供の頃小豆も小豆餡も嫌いでしたが、全くの食わず嫌いでした。今は羊羹も饅頭もお汁粉もばくばく食べます。「虎屋のにしてよう」などと贅沢三昧を言うほどです。

「食ってみると案外・・・」という話は食べ物以外でもよくある話。つくづく、頭も体も舌も柔らかいにこしたことはありません。固く硬直していると大損こきます。人生の快楽を自ら捨てることはない。心がけているつもりなのですがねえ。

「無限の住人」(沙村広明著・既刊18巻・講談社)は連載開始から知ってました。アフタヌーンは立ち読みマンガ雑誌リストに入っているし。でも飛ばし飛ばしテゲテゲにしか読んでなかったです。だって特に連載当初は女性キャラが全部一緒に見えたし。キャラの名前はへんちくりんで覚えにくいし(司戸菱安=しどひしやす=シド・ヴィシャスとかさ)。

最近ブックオフで1冊100円で売ってるのでまとめ読みしてみたんですよ。びっくら!!こーんなおもしろかったのか!

「無限の住人」を語るのに、よく「圧倒的な画力、斬新な殺陣」が言われるんですが、いや、なんちゅうーてもスケベエですわ。すごい。手飛び、足飛び、首飛び、血ィ吹き出る殺陣シーンと違て、エロには直接的な表現はしてないのにエロい!!「男達がエロいエロいというが女からしたらどこがよ?」という青年誌マンガはよくありますが、これはマジでエロい。ちゅうか、この作品では武器を使う女達が出てくるわけですがその女達の殺陣そのものがむちゃくちゃエロい。

特に乙橘槇絵。なんと化け物のような剣士が跋扈するこの物語の中で最強の剣士なのはこの女。主人公の「百人斬りの万次」が見たとたん一目散に走って逃げ出すほど。この女が三節槍を一閃すればそこらじゅうの男どもの首や手足が吹っ飛ぶのだが、汗一つかかず、息一つ乱さず、血しぶき一つ浴びない。その殺陣は舞のように優雅でストリップのようにエロティック。たまらん。

百淋姐さん。この人はもう常日頃からエロい。金髪も超ミニの着物も超高足ゲタも片足だけのスパッツもしぐさも目つきもどっきどき。偽一との間はどうなるのでしょうか?

瞳阿。一部ロリコンファンの熱狂的な支持を受けているという、アイヌの血を引く小柄な女戦士。さもあらん。沙村氏の侮れないところは、このロリ顔のねえちゃんが「愚かなまでの力を求める精神」を口にし、しかもそれを実践しているところ。その筋好きの兄ちゃんたちにはたまらんでしょう。

女主人公凛。最初は強烈なネエちゃんたちに埋もれて目立たなかったんだけどねえ・・・。最近は凄いよ。万次を無事に人体実験から救い出せるんでしょうか?今の凛ならできそうな気がする。

・・・・・というように、実は沙村氏は殺陣が描きたいのではなく、「女体が一番エロく見えるシチュエーションと構図が描きたいのではないか?」と思うほどでありますよ。それほど彼の殺陣は男も女も皆関節が柔らかそうだ。「関節が柔らかい」ということは実は格闘技にはたいへん重要なことで(ばかやろうな体育会系はストレッチを無視しがちだが)、関節の可動域が大きいくなり技の応用力を広げ、怪我を防ぐ。そういう意味で沙村氏の殺陣は一見むちゃくちゃなようで理屈に合っていると思う。

「☆ガボンド」という大ヒット作があるけれど、あれの殺陣を見て思うのが「どいつもこいつも体固そう~」。だから~。固いと楽しくもおもしろくも気持ちよくもないんだってば。体固いとたいがい頭も固くなるよ。M本武蔵のイヤなところは「男の論理」に「女の生理」を無理矢理従わせようとするところ。もしくは最初から無いものとしようとするところ。武蔵だけじゃない、少年誌青年誌ってその手のが多い。「★じめの一歩」とかさ。いっつも思うね。「あんたら、そんなに女性性を無視してると痛い目見るよー」

「無限の住人」じゃそういう「オトコバカ」どもがじゃんじゃん痛い目を見てるのが痛快。百淋姐を輪姦した連中とか。あとねえ、天津影久を抹殺しようとした十数人の心形唐流の連中があっという間に槇絵にやられ、生き残りの一人が「お前に殺されるんじゃいやだよう。天津と戦わせてくれよう。」と泣きながら哀願したり。それを目の当たりにして「こいつらバカだ」と凛が言ったり。

うおおおお、っとな名シーンてんこもり。今さらながら時代劇殺陣ものじゃ、やっぱこれかねえ。

2006年1月 7日 (土)

医龍・10巻

Nec_0017_5 はなはだ不調法な人間なもので、酒を飲めません。煙草も吸えません。賭け事しません(麻雀はゲームとして好き)。夜更かしもダメです。別に「それが品行方正だから」というモラルの問題ではなく、芯からダメなのです。酒も煙草もギャンブルもバリバリという人はうらやましくさえあります。

そんな人間の最大の娯楽が「マンガの立ち読み」(それってどうよ?)で、本のリサイクルショップ、ブックマーケットとブックオフは娯楽の殿堂なのです。もちろん会員証持ってます。鹿児島市内の店は定期的に巡回しているといっても過言ではありません。日本はマンガ王国で、毎月大量のコミックスが発売されていますが、これを新刊・定価で買うか、リサイクルで買うか、結構自分の中でシビアなランクづけをして判断しています。「このマンガ今一押し!新刊買い!」「このマンガヒット作。だから待てば即ブックオフに」「ブックマーケットで見つかったときでいいや。」などなど。今、リサイクルに出るサイクルも早いので、よっぽどじゃないと新刊で買いません。そのよっぽどのマンガの一つ「医龍・10巻」(乃木坂太郎著・永井明原案・小学館)です。

去年もおもしろいマンガは目白押しでした。でも立ち読みしながら(マンガ雑誌は基本的に立ち読み)わくわくハラハラ、手に汗握ったのは何といってもビッグコミックスペリオールでしたね。この「医龍」あり「MOONLIGHT MILE」あり西原理恵子(早く体調直して復帰してください)あり「社長でじゃんけん隊」あり。

特に「医龍」の三人目のバチスタ手術シーンと、「MOONLIGHT MILE」の月ベビー救出シーンは凄かった!!

・・・・・助教授加藤が教授昇格の命運を賭けて、朝田に手術させる三人目の患者は、なんと生後9ヶ月の赤ちゃん!しかも「完全内臓逆位」という何万人に一人という内臓が右左逆になっている患者。当然、その手術が困難を極めることは誰しもが想像できること。

おりしも教授の選挙法の改革を話し合う教授会が開かれ、策略の鬼、鬼頭が選挙法改正案を提出したところ。ここでも加藤の天敵古狸野口をはじめさまざまな人間の利害が絡み選挙法改正の行く末はわからない。

野口が教授会にかかりきっている時間に「緊急手術」として開始されたバチスタ。想定外に重い患者の症状。緊張が走る手術室にさらに不測の事態が。朝田を憎む木原の母親が、瀕死の心臓破裂で担ぎこまれてきたのだ。木原の母親を救えるのは朝田だけ。追い詰められた木原は、思わず手術室に乱入し天敵朝田に母親の手術を頼む。そして朝田の決断は・・・・・

これをスペリオールでリアルタイムで読んでいましたが、ほんっ・・・・・とうにハラハラしましたね。スペリオールは鹿児島では毎月第2・第4土曜日に発売されるのですが、待ち遠しかった。手術室の緊張も当然サスペンスフルなのですが、魑魅魍魎うずまく教授会も凄かった。断然「アメリカ帰りの鬼頭教授」のファンなので、野口に釘を刺された鬼頭がいきなり櫛を取り出して(会議中に整髪するかよ、オヤジ)、由比正雪のごとき黒い長髪をけずりだして「・・・・・さて、整理しようか・・・・・・」ときた。ンもー―――!かあっちょいい―――!!

手術室じゃ相変わらずの麻酔医荒瀬、オペ看ミキ、そしてあの自己チュー研修医伊集院が成長しとるではないですか!見所満載!!

もう一人のお気に入り、中田先生も木原の母親の手術で大活躍。まっこち見所だらけ。ほんっと医療ものマンガの中でこれがピカイチだと思います。

2006年1月 2日 (月)

ごくせん

Nec_0004_7 おかげさまで、だいぶ風邪はよくなったのですが、家の風呂に入ると寒さでぶり返すので、温泉に行ってきました。車で5分圏内に3件も温泉があるのです。ビバ鹿児島!温泉から帰ってきたら、「これはぐうたらせよという歳神サアの思し召し」などと勝手なことをほざいて、寝転がってマンガ読み。ああ~しあわせ。

そういうぐうたらマンガ読みにふさわしい作品がこれ。「ごくせん」(森本梢子著・集英社・既刊12巻)。何かTVドラマにもなって大ヒットしたようだけど、TVをほとんど見ないので未見です。機会があったらビデオで見るかも。マンガのほうが最高におもしろいので、今のところこれで満足してるのです。

・・・・不良とヤンキーの巣窟白金高校に赴任してきたメガネの新任女教師、山口久美子通称ヤンクミ。一見まじめでおかたそうな彼女にはとんでもない秘密が。実は老舗のヤクザ、黒田一家の跡取娘なのでした・・・・・

設定だけ聞くと「な~んだよくありそうな話。『奥様は魔女』系つうかさ。」などといいたくなるようなパターン踏襲なのですが、森本梢子氏の本領はここからなのです。とにかくキャラクターの配置がいい。主人公をはじめとしてどのキャラも「どこかで見たような・・・」一見類型的なキャラなのです。でも、その配置が巧みなので、ストーリーとして動くときに、そのパターン化とかマンネリズムとかがかえって心地いい。

ヤンクミが担任するクラスを〆ている慎。頭も運動神経も良く侠気もある慎は、やっぱりというかなんというかヤンクミに惚れる。惚れたはいいがなかなか進展しない池の恋のもどかしさ。なんなればヤンクミには片思いの相手がいて、それは黒田一家の顧問弁護士篠原先生。じれったくなるようなよくある三角関係も、森本氏一流のすっとぼけた間があればこそ、ツボをおさえて笑かしてくれます。

クラスの仲間のクマ、うっちい、野田、南、同僚のFカップ巨乳教師藤山先生、露出狂のハゲ校長、黒田一家のてつ、ミノル、若頭京太郎、若松、そしてヤンクミの祖父三代目龍一郎。それぞれがそれぞれにふさわしい性格と容姿(「YOU」みたいな女性誌でこんな身も蓋も無いキャラデザインでいいのか?というぐらい)でばっちり配置されてます。うううむ、見事だ。

9巻からは黒田一家の愛犬、性格オヤジの土佐犬(の雑種?)富士まででてきて、一見クールな慎とからむからむ。笑かす笑かす。うううううむ、見事だ。

どうなるんでしょうね、黒田一家の四代目跡目相続。『赤獅子の若大将』慎か?『弁護士』篠原か?ヤンクミの恋の行く末がダイレクトに絡むこの顛末、目が離せませんよ―――!!

2006年1月 1日 (日)

カルバニア物語・10巻

Nec_0002_7 というわけで、お正月だし、風邪ひきだし、のんべんだらりとやっておる元旦なのであります。(モモとヤギと鶏は盆も正月もないので、散歩、運動、小屋掃除はいたしました。)

朝のモモ散歩のついでに近くのお宮さんに初詣に行って賽銭箱に¥100投入。今日出かけたのはそれだけ。あとは寝転がってマンガばかり読んでいました。

昨年末に大好きな「カルバニア物語・10巻」(TONO著・徳間書店)が出たので何回も読み返します。やっぱりいいなあ~♪

今回はカルバニア一の大貴族で、男女のエキューのパパ、カイル・タンタロット公爵大活躍の巻でした。特に第1話の「公爵の日」がすごくよかった!!なんで、こんなシンプルなのに感動的なお話を思いつけるかなあ?!すごいよなあ。

・・・・・カイル・タンタロット公爵は大貴族なのに、自分の誕生日には、毎年必ず下町のスラム街にまで出向いて、子供達にお菓子を配ります。「生誕のほどこし」という、『自分の存在の喜びを他者に分け与える』行事なのです。スラム街のすさんだ大人たちは、公爵を出し抜こうとして「ハゲ(公爵は若ハゲ)さらって金とる」とか「娘を妾に」とか「もらった菓子を小金に替えて」とかロクでもないことしか考えてません。親が飲んだくれのイサクは、そういう大人たちの策略が嫌で公爵に忠告しますが、お人よしそうな公爵は実はなかなかにしたたか。こっそり軍用犬満載の馬車を護衛につけているし、古物商に手を回して公爵家のお菓子は買取できないようにしてあるのです。「カッコいいなあ、大人になるなら公爵のようになりたい。」と思い始めたイサクは、今度は自分の誕生日にタンタロット公爵の大邸宅まで「生誕のほどこし」をしに行きます。浮浪児みたいな貧しい格好のイサクのほどこしは、あえなく門番に捨てられますが、何年も続けているうちに・・・・・

これが、すごくいいオチがついていて、短いんだけど感動したなあ。

そうなんだよ。「未来を思う力、作る力」ってのは「何でもないことをやってみること、続けてみること」から始まるんだよね。つくづくうなづかされたお話でしたよ。

この巻では公爵令嬢エキューが、雌猫のごとくいきなり発情して(気持ちはわかるぞ)、長年の求婚者ライアンと文字通りの恋人同士になったり(一悶着あったけど)、エキューパパの恋人の妊娠が発覚したり、エキューがとうとう女公爵になったり(一悶着も二悶着もあったけど)、盛りだくさんな内容で、すごくおもしろかったです。かわいい絵にシビアな内容。ほんと、お薦めのマンガなのだ。

2005年12月13日 (火)

だめっこどうぶつ

Nec_0032_5お読みいただければおわかりかと思いますが、この「椿屋敷農園」は高邁な理想に燃えて書かれているものではありません。エコロジーとか癒しとか地球を救う正義の味方とかじゃまったくありません。ひたすら「うまいものをローコスト・ローテクノロジーでたらふく食べるにはどうしたらいいか?」を、ない知恵絞って試行錯誤しておることを、そのまま書いております。んで、ありがたくもお客様方のお知恵を拝借したり、余った産物を食べていただいて、その知恵と結果を摂取したりなんかして、また書く、ことをやっております。

今日のように寒い日など、ぐうたら怠け根性が前面に出て、猫と一緒に縮こまっていたいのに、寒さに強い犬とヤギにせかされて、イヤイヤ長靴はいて散歩に行ったり、運動させたり、小屋掃除したりなんかしてるわけです。寒いと妙に怒りっぽくなったりして「ああ――あたしってダメダメだああ――。」などと落ち込んでみたりするものの、寒くても落ちない食い意地にかまけて、生姜とネギたっぷりの味噌煮込みうどんなどむさぼり食べているありさま。そんなダメダメなお仲間のあなたに、お薦めのマンガ「だめっこどうぶつ」(既刊2巻・桑田乃梨子著・竹書房)です。

もう、まっー――ったく役に立つマンガではありません。「桑田着ぐるみ劇場」と銘打ってあるように、弱虫狼のうる野や、ヤクザウサギのうさ原、のろまのチーターちー子、いんちきユニコーンのゆに彦、近視の鷹のタカ岡などなど、とにかくどこかダメダメな動物が、なにかズンだれた着ぐるみのかっこうででてきて、ダメ森でぬる~い日常生活(どんなんや)を繰り広げるという内容です。”動物達の生態に迫る”というわけでも”失われ行く自然を描く”というわけでも、まー――ったくないんですがね。こんな「ああ、今あたし濡れ落ち葉」みたいな気分になる日に、読むには最適のマンガです。気の抜けた笑いが心地いいのです。「人間、そんないつもいつもキリキリがんばってられっかよぉ」とふてくされる自分も許せる気になる、そんなマンガ。

必要なんですよ、あたしには。