11月3日は「晴れの特異日」で、晴天の確率が高く前後に雨が降ることはほとんど無かったはずなのですが・・・。
どうしたことでしょう。clustrさんがそぼ降る雨の中行列の先頭で(すごいです)「おはら祭り」で踊って以降もぐずぐずしたお天気が続いています。なんだか体もだるいし、雨が降ると寝転がって(行儀はなはだ悪し)ミカンを食べながら本を読みます。
まあ、予想通りというかやっぱりというか京極夏彦氏の大ファンであります。「故獲鳥の夏」を初めて読んだとき、いやほんとに頭をガーンと殴られたようなショックでしたね。そして自分が日本語圏の人間であることを神と仏に感謝しました。日本語であってこそ表現できる世界だと思ったし、「翻訳や映像化は不可能でしょう」と思いました。スティーブン・キングの小説の映像化がうまくいかないのと同じで。案に反して「故獲鳥の夏」は映画になってしまいましたが観にいってません。どうかなあーと。原作のイメージってモノがあるでしょう。古本屋にして武蔵晴明神社の神主にして憑き物落としの京極堂役の堤真一、精神衰弱の小説家関口役の永瀬正敏、どちらも嫌いな役者さんではありませんが、どうかなあー。唯一華族出身にして長身美貌で頭脳明晰で破壊的性格な探偵の榎木津役が阿部寛と聞き「うむ!今の世ではこれしかあるまい!最高のキャスティング。」と膝を叩きました。榎木津、もぉー――大好きなのです。「京極堂シリーズ」はもちろん全部持ってますし、全巻最低5回は読み返してますが、いまだに榎木津が出てくるたび「出たぁ―――!」とか思いますもん。また出方がいちいち超ド派手なんですもん。歌舞伎の千両役者もかくやとね。
ですから全編榎木津大活躍の、「京極堂シリーズ」のいわば番外編「百器徒然袋―雨―」(講談社)は一番のお気に入り。京極夏彦の本は「分厚い、漢字が多い、難しそう。」と敬遠される向きがありますが、それは誤解です(いや分厚いし漢字が多いけど)。難しくないのです。実にわかりやすく明解な文章ですらすら読めるし、なおかつお馬鹿なのです。文字通りおもしろくて笑えるのです。特に本書は・・・笑いますぞ―――!「メフィイスト」という雑誌で連載していたとき立ち読みしていたのですが、思わず本屋で大笑いしてしまい、店員と店中の客の視線を集めてしまったという恥ずかしい思い出が・・・。榎木津お馬鹿パワー炸裂!「京極堂シリーズ」を最初から読まなくてもこの本からだったら入れるんじゃないかなあと思います。あ、それとこれも誤解されてますが決してホラーではありません。あくまで探偵小説なのです。
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