椿屋敷のお客様

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2007年2月

2007年2月10日 (土)

障子の部分張り

Nec_0027_22 猫どもと甥っ子にびりびりにやられた障子の補修をしました。

なにせ明日は冷えるという天気予報。いかにボロ家でも多少なりとも隙間風が入ってこないに越したことはありません。

大急ぎでありあわせの障子紙を穴に合わせてカッターで切り、小麦粉を水に溶かして煮た糊を障子バケで薄く桟に塗って、上から皺にならないよう紙を伸ばしながら張り付け、霧吹きで霧を吹き付けました。

どちらかといえばこの手の作業は得意なほうです。

でも、昔の人は年末ごとに家中の障子を張り替えてたんだよなあ。とてもとてもそんな真似はできません。いったいどんな時間配分の生活をしていたのでしょうか?

障子が白く新しくなると気分はとてもいいんだけれどね。

カリンの新芽

Nec_0023_22 カリンの新芽がでています。

おととしの秋の木市で買ってきた木なのですが、今年こそ花をつけて実をつけてくれるのではないかと期待しています

「カリンのはちみつ漬け」があると風邪のとき便利ですよね。

あまり風邪をひかない方なのですが、それでもときどきひどいのにやられるときがあります。鼻の粘膜が弱いのでまず鼻がたいへんなことに。次にのどに来てがほがほ。そういうときに「カリンのはちみつ漬け」があったらさぞかし鼻とのどがすっきりするだろうな。あの鮮烈で鼻に突き抜けるとってもいい香り。

どうぞ今年こそ実をつけてくれますように。

2007年2月 9日 (金)

バナナケーキの客

Nec_0025_27 夕方小腹が空いたので、仏壇に上げてあったバナナを使って、卵、砂糖、蜂蜜、薄力粉、バター、ベーキングパウダーと一緒にフードプロセッサーにかけ、耐熱容器に流し込んでラム酒漬けにしてあった干し葡萄を散らして、オーブントースターで15分焼きました。適当で簡単だけれど冬には熱々、夏には冷やして食べるとおいしいバナナケーキです。

さて、いざいざ焼きあがって食べようとしたところに、玄関にお隣の小学校一年の次男くんがやってきました。どうもお母さんとの打ち合わせがずれて、おうちから締め出しされてしまったようなのです。

夕方の子供のこと、おなかが空いている様子なので、これ幸いと焼きあがったばかりのバナナケーキをたらふく食べてもらいました。わたくしひとりで夕食後にこれを平らげるのは「いくらなんでもまずい!」と思っていたところなので、まさに飛んで火にいる夏の虫。

気に入ってくれてバクバク食べてくれたのでよかったよかった。

ナショナルジオグラフィック〈日本版〉

Nec_0022_27  「いかにも」と思われそうですが「ナショナルジオグラフィック」(日経ナショナルジオグラフィック社刊行)の日本版が創刊されて以来ずっととっています。

日経は腐った会社なので金を出すのはたいへん業腹なのですが、「ナショナルジオグラフィック」と「サイエンス」を出しているので、「しょがねえなあ」と思いながら毎年4月にまとめ払いしています。なぜだ。他の新聞社や出版社はなんでこんな確実に部数を稼げそうな雑誌の版権が取れなかったんだ?

なにせ「全世界で一番売れている雑誌」。ご存知の方も実際ご自分でとってらっしゃる方も多いと思いますが、一から十まで「写真・写真・写真」の雑誌です。それも世界でもトップレベルの。しかも辺境とか紛争地域とか「まーず一般人では行けませんなあ」という場所の写真がふんだんに。

アメリカが力を持ち始めた前世紀初めに創刊されて以来、世界中のありとあらゆるところに特派員とカメラマンを送り続けて撮り続けた記録と写真を持っているから、その百年分の記録も参照しながら、「いったいどうしてこうなったのか?」をヴィジュアルで見せてくれる。人間てのは(ちゅうかわたくしは)たいへんヴィジュアルに弱いので、写真で「こうだ」といわれると「ふーん、そうなのか!」などと簡単に納得してしまいます。我ながらまったくもっていい「お客さん」です。

学術的な文章を読む根性はない人間に、ふんだんな写真でもっともらしいことをわかりやすく書いてくれているナショナルジオグラフィック。「自分はこれを読んでいることでさもしいインテリ意識を満足させているんじゃないか」というジレンマに陥ったりするのですが、どうにもとるのを止めることができません。

・・・・・・・とまあ、考えてもしょうがないことをうじうじ悩むより、「うわああ、きれいな写真だなあ!」と素直に楽しもうかい。いや、ほんとうに写真がすばらしいのです!

2007年2月 8日 (木)

人間と同じ

Nec_0021_28 1月末から2月初めにかけて、寒かったですね。てきめん人間も動物もからだの調子を悪くしてしまったのでした。

チビ(ヤギザーネン種・女の子・もうすぐ1歳)も消化不良か何かを起こして、元気はなくなるわ緑色の液体をもどすわ、たいへんでした。普通の動物病院ではヤギはなかなか診てもらえないものなので、不安が募ります。そういうときにヤギ師匠が近くに住んでらしてちゃんと対処法を教えてくださった上にわざわざ薬持参で来てくださるので助かります。ほんとうにありがとうございました。

師匠いわく、

ヤギは人間と内臓等が似ているので、人間と同じような薬を飲ませればいいということでした。んで、師匠が持参したくださったのはなんと市販の滋養強壮剤と口内に挿入する注射器。これでほとんどの場合元気になるそうです。うわあああ。

なにごとも先達というのはありがたいものです。あと、こういう消化不良様の症状の場合、人間の消化不良の薬を子供の服用量分だけ与えるといいということでしたので、キャべジンを買ってきて飲ませました。

おかげさまでチビはすっかり元気になりもりもり草を食べています。ホッと一安心。

海の温泉・山の温泉

Nec_0019_23 年が明けてから、1月末に東京の妹のおごりで牧園町の「天空の森」に行き、2月早々には「ヤギサミット準備委員会」で指宿市の「白水館」に行きました。

温泉王国鹿児島でも、海と山の代表的な温泉の双方に行ったわけです。こんな贅沢5年に一度もしないのに、今年は建国記念日の声も聞かないうちにレンチャン。あああ、はや今年の贅沢は打ち止めでしょう。

それにしても「天空の森」と「白水館」はおもしろいぐらいに対照的な温泉施設でした。

ご存知のように「天空の森」は

  1. 山のてっぺんにある
  2. 徹底的にプライベートにこだわる。個人貸切。
  3. ハイテク技術で作られているが表面のインテリア等はあくまで「山小屋風」である。
  4. 料理の基本は山の幸のフレンチである。

対して「白水館」は

  1. 海岸沿いにある。なにせ売りが「砂むし温泉」
  2. 昔ながらの大型団体様向け施設
  3. 「元禄時代」をイメージしたどハデなインテリアで、増築を重ねた鉄筋コンクリートビル。
  4. 料理の基本は海の幸の日本料理

だもんな。もう一から十まで対照的。だから同じ温泉とはいえコンセプトが違いすぎて比較もしにくいんだけれど・・・・・・・

ただひとついえるのは今まで温泉といえば「白水館」タイプがほとんどだったけれど、これから「天空の森」タイプが増えてくるだろう、ということ。そりゃあね。贅沢感という意味じゃやはり「天空の森」のほうがはるかに贅沢。一昔前ではこういう「山小屋風」「田舎風」を贅沢という人はほとんどいなかったろうけれども、今の「金を持ってても暇がない」都会人はこちらのほうを贅沢と感じることでしょう。

ま、わたくしにとってはどちらにいっても贅沢の極みだったのですがね。

2007年2月 7日 (水)

鳥インフルエンザに関する恐ろしい話

Nec_0020_26 鳥インフルエンザに関するとても恐ろしい話を聞きました。

「全国ヤギサミット準備委員会」で元・鹿児島大学副学長で家畜の権威の萬田正治先生と同席することができお話を伺ったのです。

「『鳥インフルエンザの感染源が野鳥だ』というあれね、実はなんら確認されてないの。たまたま鳥取大のバカ教授がひとりだけ言ってたことを都合がよかったものだからそのままマスコミが使い続けてるだけだね。学会じゃ誰も言ってないよ。

―――――ホントなんですか?!

「だいたいなんで何万羽も飼っている『清潔で合理的な近代的養鶏場』だけがウィルスに狙い撃ちされてるわけよ?養鶏場そのものに原因があることは間違いないでしょうが。

―――――(確かにその通りだ。日本には平飼いで野生に近い状態で鶏を飼っている農家はごまんとある。そういうところで鶏の大量死が確認された報告はまだない。有機農法で合鴨を田んぼで放し飼いにしている農家も。まだぜんぜん無事だ。そういう連中のほうがはるかに野鳥に接する機会が多いはずなのに)

「日本が戦後やってきた畜産政策はものすごく危ないわけ。考えてもごらん今の大規模養鶏場の環境を。

  1. ほとんど同一の遺伝子を持つ大量の鶏のブロイラー養成。
  2. 多量の抗生物質を投入した輸入飼料(日本では人間に投与される抗生物質の総量の3~5倍が家畜に投与されている)
  3. 閉鎖され隔離され温度湿度まで人工的に管理された無菌室の環境(通常ならば悪玉菌を駆逐する善玉菌の存在も許さない)

この状況は何かに似ているだろう?

―――――生物化学実験室。細菌やウィルスの培養基。

「その通り!どんなに無菌に近い状態を作ったとしても、1立方mあたり1個や2個の細菌やウィルスは必ず存在する。そのウィルスにとって大規模養鶏場の鶏ほどおいしい餌はないだろう。こいつらに野生種のような抵抗力はまったくない。しかも同一遺伝子タンパクを持つ。加えて実に快適な環境。ウィルスにどうぞ繁殖してくださいといわんばかりだろう。

―――――そ、そんな、

野生種は何千年もの間体内でウィルスを飼いならし弱毒性にしてきている。そういう意味ではとても安全だ。一番危険なのはこの実験動物に等しい養鶏場のブロイラーたちだよ。ウィルスは何万羽ものブロイラーの間を感染していく間に、進化し、強毒性となる。

なんという恐ろしいお話でありましょうか!!あまりのことに言葉を失いました。つまり鳥インフルエンザも病原性大腸菌O-157やノロウィルスと流行の原理は一緒なのです。人工的で(人間が考える)清潔な環境と、抵抗力のない個体が大量に集合している状況こそが流行の根本原因なのです。

―――――せ、政府はなぜ何も手を打たないのですか?

「利害が絡むからだよ。経済の原理だ。アメリカから義務化されている飼料穀物の輸入。抗生物質を販売する薬品会社。JA。ちょっと考えただけでも養鶏場形式の鶏飼育で利を得ている連中は山ほどいる。そして日本の農政は戦後何も考えていない。『ことなかれ』ばかり考えて結局失敗続きだ。これに関しては特にわたしも抗議しつづけているが、役人の頭というのはとにかく固い。

あまりにも恐ろしいお話だったのでいてもたってもいられず、ブログに載せました。あとはこの文章を読んだみなさまのご判断にお任せいたします。

野生のミツバ

Nec_0016_24 うちの近辺は、タゼリとかミツバとかサンショウとかが山の中に自生しています。どれも山の中から採ってきたほうが香りがするような気がします。

ミツバとかスーパーで買うとなるとほんの少しの束が¥150とか¥200とかかなりお高いので、何も手を加えないところからわさわさ生えている様子を見ると、資本主義社会の矛盾をダイレクトに感じます。

香りはあっという間に飛んでしまうもの。野生のミツバをいくらただで収穫したとて、それを選別しパッケージに入れて都市に出荷する間に栽培種のミツバと変わらない(あるいは味が落ちる)状態になってしまうので、かける経費に比べれば損をしてしまうのです。ううううむ。

この「野生のミツバの、しかも季節限定のはかない香りを楽しむことに重点を置く」か「年がら年中金を出せばミツバが手に入る都市の便利さをとるか」。誰もが迫られている選択ではないでしょうか?

2007年2月 6日 (火)

菊の冬至芽

Nec_0017_29 玄関から築山までのアプローチに植えてある菊の花はとうに時期が終わり、盛んに芽を出してきています。冬至芽がでてくる季節なのです。

咲き誇る色とりどりの小菊に、細竹の垣根を張り巡らした菊籬(きくまがき)は、わたくしの見果てぬ夢であります。去年はなんとか株を定着させて花が咲くところまではこぎつけました。今年はぜひとも垂れ下がるほどたわわに花をつけさせて、竹垣を差しまわしたいものです。もう、今から秋が楽しみなのです。

今日は今年の秋に鹿児島は指宿で行われる予定の「全国ヤギサミット」の「準備委員会」にいってまいります。どの業界にもそれなりの団体があるものです。

2007年2月 5日 (月)

狩をする猫

Nec_0018_26 かと思えば、うちのヤス猫、ジョー(13歳・じじい)は狩をします。特に今の時期は、山から小鳥がうちの庭に降りてきているので、ジョー大活躍。

わざわざうちに持ってこなくてもいいっちゅうのに。今日も今日とてわたくしには名前もわからない小鳥を加えて見せびらかしながら帰ってきました。その後はスプラッター。飛び散る羽。「やめろーーー!!」なにか貴重種の小鳥でないことを祈るのみです。

「狩の仕方を人間に教えてくれようとしている」「人間に食べさせようとして持ってくる」「自分はこんなに狩がうまいんだぞ、とアピールしている」などなど言われますが、どうなんでしょ?確かにわたくしは小鳥を獲れませんが。食べもしないぞ。はっきりいってありがた迷惑。

洋の東西を問わず「尻尾の長い猫は狩がうまい」というようです。なぜ?尻尾にアンテナがついているとでも?でも、狩が好きな性格の猫とそうでない猫は確かにいます。その明暗を分けるのはなんだろう。遺伝子の中に狩が好きな血統があるのでしょうか?

日本に家猫が入ってきたのはそんなに古くないと申します。確か聖徳太子の頃仏教の伝来とともに経典を鼠から守るために遣隋船だか遣唐船だかに乗ってやってきたのだよな。もっとも「弥生時代に稲作の伝来とともに米を鼠から守るために入ってきていた」という説もあり。どっちにしろ外来生物なわけよ。

猫が入ってきたせいで絶滅した在来種というのは結構いたんじゃないかとも思うのですがね。アマミノクロウサギは危ないところですが。なにせ連中狩がうますぎる。まあ、出し入れできる爪といい、夜でも見える目といい、優れたアンテナのひげといい、短距離に向いたよくしなる脊椎といい、待ち伏せ猟をするためだけに特化した体をしてるもんな。飼われながらも決して野生を失わない。いい性格をしているよ。