椿屋敷のお客様

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2007年4月

2007年4月30日 (月)

Nec_0011 今年も筍の季節となりましたです。

うちは鹿児島市のチベット、もろに山の中で孟宗竹や真竹や苦竹の林に囲まれております。竹の生育には条件がいいのでしょうね。

もちろん竹林というのは手入れがいるところで、まめに下草を払ったり倒れた竹を取り除いたりしないといい筍は生えてきません。うちの竹林はまったく手入れが行き届かずジャングル状態。いかんなあ。

写真は裏山のご近所の竹林。ちゃんと手入れされてるのでにょきにょきと筍が生えてきています。この筍は育ちすぎで、みなさん朝の5時(最近はすでに明るいです)とかに、山鍬を持ってやっと芽が出たばかりの筍を掘り返してらっしゃいます。そういうのが一番おいしいのです。早く掘り返さないと竹の生長は早いのでその日のうちににょきにょき伸びてしまう。時間との勝負。

鹿児島では「大名(でめ)竹」が一番おいしいと言われています。もう亡くなったお知り合いに「そんなに竹が生えやすい環境にいるんだったら、大名竹を自分で植えなさいよ」と諭されたことがあるのですが、いまだ果たせず。なんとかしたいなあ。

2007年4月29日 (日)

櫨負け

Nec_0012 竹を切っていたら顔や手首がやたらと痒くなってきました。

「やられた!」

はっと気がついて頭上を見上げたらやはりそこには堂々たる櫨の木が。

春になって盛んに根から水を吸い上げているので、目には見えねどそこらじゅうにウルシ成分を撒き散らしているのです。冬場は木が休眠しているので大丈夫なのですがね。

あああ、しまった。今年も冬の間にこの木を切り倒すのを忘れていた。もう手遅れ。これから秋になって葉が落ちるまでうっかり枝を切ったり触ったり、そうでなくとも木の下を通るだけでも櫨負けをすることでしょう。しまったなあ。

櫨の木は実生でよく生えるし大きくなるのも早いので、そこらに3、4本は4mクラスがあります。

しまったなあ。鏡で見たら顔が赤くなっていました。

2007年4月28日 (土)

金芽ツゲの新芽

Nec_0007 父が植木屋だったので、その名残でうちの敷地内にはたくさんの植木の残骸があります。

残骸と言うのもかわいそうだけどさ、商品としての植木となるには、ちゃんと毎年移植して根を作って枝を刈り込まないとだめなんだよね。どんな商売もたいへんです。父が体を壊してからほったらかしなので伸びるに伸び放題でブッシュになってました。

あまりのことに見かねて飼いだしたのがヤギさんたち。ヤギさんたちはたいがいの木の新芽が大好きなので、どんどん藪が開けて畑が明るくなってきています。ありがたやありがたや。

特に金芽ツゲの葉は大好物らしく、実に熱心に金芽ツゲを食べてくれます。ほっとくと丸坊主にしてしまう。奄美とか十島村とかヤギを伝統的に飼う島で野良ヤギが増えて食害が問題になっているそうだけれど、この食欲だとさもありなん。鹿とかヤギとか羊とか草食動物の偶蹄目の連中はよく食べるよな。食べるもののキロ当たりのカロリーが少ないから量で稼いでいるんだろうけれど。畑作っていて野良ヤギや鹿に食べられたらかなわんよ。

金芽ツゲ、あれほど丸坊主にされながら新芽シーズンにはけなげに新芽を出してくれてます。名前の通り黄金に輝く新芽です。ちゃんと刈り込んだらすごくきれいな生垣にんるんだけどな。

好きな木なんだよ。

2007年4月27日 (金)

もやしもん

Nec_0010 鹿児島のど田舎で産まれど田舎で育ちました。

うちのトイレはもちろん小学校のトイレも汲み取りで、低学年のトイレは6つトイレ口があって、そこから下の汚物だめが見えました。ときどき誰かの腸に住んでいたであろうでかいサナダムシが汚物だめの人糞や尿やちり紙の中でのたうちまわっていました。マジです。明治のハナシや中国や東南アジアのハナシではありません。わたくしの小学校時代の話です。

トイレの出口にはクレゾールを張った洗面器と簡易水道があって、「クレゾールで手を消毒しなさい」と張り紙がしてありました。幼心に「それでほんとに効果があるのかよ?」と思いました。

1クラス15人で、毎年ギョウチュウ検査やサナダムシ検査に誰かが引っかかってチョコレート色の薬を飲まされてました。

でも、一人として花粉症やアトピーなんかのアレルギーがいなかったな。ほんとだよ。

「もやしもん」(既刊4巻・石川雅之著・講談社)を読むと、いまやわずかン10年前の一応日本の片隅だったわが少女時代を思い出します。まあ「フケツ」も「汚い」もいいことじゃないけどさ、今主流となりつつある「過度の除菌ブーム」だって果たして意味はあるのかね?と常々思っていたところに忽然と現れた農大マンガ。

「菌が見える体質」主人公沢木の影が薄くったっていいじゃない。なんといっても謎の知識と謎の人脈と謎の過去を持つ樹教授ですよ、樹教授。樹教授の提唱する「モネラ界(微生物の世界のことらしい)の住人によるテラフォーミング(地球改造)の野望」に、「じゃっど!じゃっど!」と大いに共感いたしますですよ。はい。

酒飲みにはたいへんうれしい日本酒やその他の酒の薀蓄も満載。

おすすめでございます。

2007年4月26日 (木)

白藤

Nec_0006 畑の中で一番藪になったところに、白藤の木があります。他のシーズンのときはまったく忘れているのに花の咲く今時分に「あ、そうだったここに白藤があったんだった!」と思い知らされるのです。

それほど鮮烈に潤沢に、こぼれそうな白い花がほこっています。

藤はなよなよと弱弱しそうな外見とは裏腹のたいへん強い生命力を持っています。だってねえ、あのなよなよとした枝をそのまま地面に挿せばあっという間に根付いて蔓を伸ばし始めるんだから。支えになる木が必要でその木に絡み付いてないと自分が維持できないようなふりをしといて、挙句の果てには宿主の木をがんじがらめにして絞め殺す。木が枯れても外の藤はその枯れ木を支えにして花をつけ実を実らせほこっていく。

藤原鎌足を始祖とした藤原氏。決して藤原氏そのものは天皇になることなく外戚として寄生して400年もの平安時代を生き抜き栄えた華やかな一族ですが、この一族の氏に「藤」の名前がついているのはまことに日本語として正しいと思わされる、藤の生態なのでありました。

2007年4月25日 (水)

囀り

Nec_0005 モモの散歩コースに裏山が入っています。今の季節裏山を通ると、ウグイスやメジロ(鹿児島弁で『ハナシ』という)の雄が必死で囀りの練習をしているのです。

「ホー、ホー、ホ・・・・ケキョケキョケキョケキョ・・・・・・」

「ピーピックッパックピックパックピックッパックピピッ」

おまえら舌がまわっとらんぞ!精進しなさい!!

この囀りのでき不出来が、嫁さんが来る来ないに直結するのであるからして連中必死です。

「男は男に生まれるのではない。男になるのである。」とは、ハードボイルド系の小説でよく使われるセリフでありますが、たいへんなのは人間の雄だけじゃないな。どの世界の雄もだな。

2007年4月24日 (火)

ストロベリー・シーズン

Nec_0004 今年も露地植のイチゴが実る季節がやってまいりました。

うちではとよのかイチゴと優香とワイルドストロベリーを植えているのですが、今年はジャムにできそうなぐらいの収穫が見込めそうでちょっとウハウハ。ありがたいことです。あとは鳥や虫やナメにやられないよう気をつけねば。

果実のイチゴは好きですが、どうにも「イチゴフレーバー」というのが好きになれません。ほんもののイチゴとイチゴ味はまったくもって違うものだと思います。アイスクリームでもヨーグルトでも飴でも「イチゴ味」はまずい。今頃よく「季節限定」とかでお菓子が特別に「イチゴ味」になってたりするのですが、まずい。それも商売なんだろうが早く元通りに戻してくれ。特にチェリオアイス。あれは103円の値段でチョコたっぷりなのが売りなのに今どこにいってもイチゴ味のみ。「生チョコ味」は+20円だし。やめてえ!早く元のチョコ味に戻して~~。

2007年4月23日 (月)

雨・雨・雨

Nec_0003_2 昨日に続いて今朝もまた雨・雨・雨。

おとといの朝がさわやかな晴れ日だったのに、まったくもって春の天気は変わりやすい。もっともこの雨こそが万物を育てる雨で、この雨のもたらす水分と温度が植えたものを大きくするのですから、文句も言えません。

しかし、雨の嫌いなヤギたちとモモ(紀州犬雑種・6歳・女の子)は嫌で嫌でたまらないらしく、それぞれの言葉でいろいろ文句を言っているようです。やれやれ。

あたしが雨を降らしとるわけじゃないぞ。「雨を降らせるな」と言われてもどうにもできんぞ。言っとくけど。

2007年4月22日 (日)

ヒラドツツジの花

Nec_0002 五月はツツジ・サツキの季節です。といっても春の早い鹿児島では、もうじゃんじゃか咲いていて花の絨毯のようになっています。

昔、菊とかツツジとかごくごく一般的な花をあまり美しいとは思っていませんでした。「俗で下品だ」とすら思っていました。なんという傲慢。その世界を知らないやつほど入り口に入る前から食わず嫌いの発言をして見せるものです。いかんなあ。

今、ツツジやサツキの花は本当に美しいと思います。美しい上に惜しみなく咲くのでそのありがたさに長いこと気づいていませんでした。この春たけなわの時期にこの花が咲く土地に住んでいてよかった。

2007年4月21日 (土)

朝だ朝だよ

Nec_0047_2 今時分から夏にかけての朝はたいへん気持ちがよろしゅうございます。この時期は特に早起きに限ります。

もっとも5時を過ぎると、山の端の空がほんのり明るくなってくるので、雄鶏くんたちがハデに鬨を告げるしヤギたちが騒ぎ出すしで、否が応でも早起きになるのですけれど。

さて、五時を回ったので朝ごはんを作って食べよう。