椿屋敷のお客様

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2007年9月

2007年9月20日 (木)

ノコンギク

Nec_0020 とかなんとかいっているうちに、秋刀魚や秋茄子がおいしくなってきました。あいかわらず日中最高気温が33℃だったりするのが、納得いきませんが確実に秋の気配がそこかしこに見えてきておるわけです。

「秋の花」といえば菊。春菊、夏菊とそれぞれのシーズンに咲く品種もありますが、やはり秋の青い空と乾いた空気とがよく合います。

野のキク科の花もどんどん咲き始めてます。ごくごく一般的なノコンギクもそこらの藪の中で、まるで秋草の文様のように可憐な花を咲かせています。

おお、考えてみればやんごとなきお家の家紋がこの形なのであるよ。日本にあまたある草木の花の中から、あえてこの花を家紋に選んだ理由はなんなのでしょう?

20年近く前に亡くなった父方の祖父が「恩賜の煙草」とやら、「菊の御紋」がついた煙草を持ってました。大切にしていたけれど、考えてみればすごい話やあ。あれどうなったのかな?祖父は心おきなく全部吸って亡くなったのかな?

2007年9月19日 (水)

狙う猫

Nec_0021 猫の狩の本能というのはすごいもので、一説によると年間のべ1000匹のネズミを獲るそうな。凄まじいなあ。

だから下手なネズミ捕り器や、殺鼠剤なんかより猫一匹のほうがよほどネズミ駆除には効果的なのです。米を栽培する文化には役に立つ動物ですね。高床式の倉庫でもネズミよけの猫を飼ってたと申しますし。

うちのドリアン(アメリカンショートヘアーのハーフ・14歳・じじい)も、もう年配なのに動くものがあると反応せずにはおれんらしいです。

最近は秋の虫がさかんに家の中にはいってきますので(なにせボロ家)、そのつど飛び上がっては緑の鈴虫だかキリギリスだかを追いかけます。写真は網戸のところで「カサッ」と音がしたとたん、飛び上がってがに股になり虫をおさえつけようとしているところです。いまだ狩の本能衰えず!頼もしいことであります。

2007年9月18日 (火)

本を借りる

Nec_0022 毎度おなじみ市立図書館伊敷公民館分館に本を借りに出かけました。

活字とマンガの中毒気味なので、「まだ読んでない本」が手元にないとなんとも心もとない心地がします。まあ、ニコチンやアルコール、ドラッグの中毒に比べればましですか。図書館を使えばほとんどお金がかからないし。

ずっと鴨池の本館に行ってたのですが、最近はほとんど分館を使います。駐車場は無料で広いし、人はいないし、広さの割にはかなりの量の本を置いてるし、端末で予約したら分館まで届けてくれるし。図書館というのは貧乏人の本好きにはまことに結構なシステムであります。

ネットで観ているアニメ「精霊の守り人」シリーズの原作本が読みたくて足を運んだのですが、なんとあるじゃないですか!偕成社の豪華ハードカバー、挿絵つき。しめしめ。上橋菜穂子氏の著作、そこにある限りをもってカウンターへ。

なじみのお姉さん(ボランティアの司書らしいです。ちょっと年配)が「9月24日~10月7日は特別整理期間だから今10冊4週間借りることができるのよ」と声をかけてくれて、「ならば!」とさらに石田衣良だの恩田陸だの桐野夏生だのあと5冊。これだけあったらしばらく活字には不自由しません。ほくほく。

ちょっと落ち込むことがあったんだけれど、これだけの本を抱えて家に帰ったら、忘れちゃいました。

図書館ってありがたいなあ。

2007年9月17日 (月)

名残のヘクソカズラ

Nec_0019 藪の中で夏の名残のヘクソカズラが咲いています。まだ日中の最高気温は32℃あるしなあ・・・・・。

今、藪の中は夏の草と秋の草のせめぎあいで、ヘクソカズラもあればヤブマメもあるしクズもあるし、それぞれが微妙なバランスで少しづつ秋の草が勢力を伸ばしている様子。

温度と日照時間の変化で、植物は絶妙にひとつの土地を住み分けています。ある種の植物がある季節には一面に繁茂しているのに、季節が変わるとそれがまったく別の植物に取って代わられている。「滅んでしまったのかな?」と思えば根や種は土の中でしっかり生きていて、また同じ季節が巡ってくると前年と同じように繁茂。生き物のサイクルというのは不思議です。四季があり植物の相が季節ごとに変わりながら絶えることがない日本の自然は、本当にありがたいなあと思います。

願わくば無理をせず、このサイクルに乗って作物を作りたいなあ。

2007年9月16日 (日)

デカマグカップ

Nec_0018 水分をがぶがぶ摂ります。

朝起きたらとりあえずお茶。次にゴマと黄粉を混ぜて暖めた牛乳。それからコーヒー。

今年のような酷暑の夏は、毎朝大やかんにたっぷり麦茶を作って、ひっきりなしにがぶがぶがぶがぶ。パソコンの前に座るときは、必ず何か飲み物を手に持ってきます。

そういうときへたに瀬戸物の茶碗を使うと、粗忽者のわたくしのことすぐ割ってしまうので、マグカップ。

特に愛用しているのが、なにかの景品でもらった500ml入るデカマグカップなのです。

これがなかなかの優れもので、夏の盛りは麦茶500mlぐらいすぐ飲んじゃうし、牛乳もこれで飲むし、ヨーグルトもこれで食べるし、スープもこれで飲めるし、チキンラーメンすらこれで作れるという・・・・・。しかし、どんなずぼらな生活をしておるのじゃ(笑)?

乱暴に扱っても頑丈で壊れない。底が重いからひっくり返らない。愛用しております。

2007年9月15日 (土)

虫の声

Nec_0017 数日前まで蜩が鳴いていた明け方なのに、聞こえるのは秋虫の声ばかり。なんとまあ、季節の移り変わりの速いことよ!

鈴虫、蟋蟀、キリギリス・・・・・

そういえば我が家の猫が、ゆうべ緑色の虫らしきものをくわえてましたよ。ありゃその手の虫だったに違いない。うちの草むらから捕らえてきたのでしょう。だから~。わざわざ見せにこんでいいっちゅうの。

鈴虫も蟋蟀もかなりのマニアがいて、卵のときから育てて鳴き声を競うという催しがあるらしいです。風流だなあ。虫籠とかも昔から凝ったものがあるし、この世界奥が深そう・・・・・。

そういえば中国文学とか中国映画とかでも「蟋蟀合わせ」はよくテーマになってたように記憶します。市井の隠居の爺さんたちが茶館に自慢の籠入り蟋蟀を持ち寄って競い合うの。優雅だよなあ。実際の生活は優雅でもなんでもないのだろうけれど、「『秋虫の声』を手元においている」ことが美しさと余裕を感じさせるのです。

それほど、秋虫の声はすばらしい・・・・・・・。

2007年9月14日 (金)

三世ひよこちゃん孵る

Nec_0016 鶏ランドに朝ごはんをもっていったら「ぴよぴよぴよ」とかわいい声が。

おおっと!いつの間にかひよこちゃんが孵っていました。「ぴよぴよ」と親鳥の周りをよちよちしています。ラブリーー!

今回はまったく人の手を入れず、雌鳥さんが勝手に巣を作って、勝手に卵を抱くのに任せてました。うまいことやってくれるもんです。誰も何にも教えてないのになあ。あ、でも自分も雌鳥に抱かれて孵った鶏だから、卵を抱くんだよね。孵卵器で育った雌鳥は卵を抱きません。それはもう、見事なまでに「雌鳥に抱かれた鶏」と「人工的に孵った鶏」は違います。

いろいろ考えさせられる事実だよなあ。

2007年9月13日 (木)

クローバーの種二種

Nec_0015 「サカタのタネ」からホワイトクローバーの種1kgとクリムゾンクローバーの種1kgが届きました。

ヤギの放牧地が電気柵によって一気に広がったために、土地の肥沃効果もあてこんでクローバーを蒔こうというもくろみです。種袋を見ると「1~2kgで10a播種」とあります。ちょうどいいぐらいだな。「この種は農薬を使っていません」「生産地オーストラリア」。

なるほどやはりオーストラリアは牧草の本場ですな。

うまくいけば春には一面のクローバー畑です。マメ科の草が入ると土地が肥えるので一石二鳥。成功しますように。

明日は朝から種蒔きに徹します。

2007年9月12日 (水)

精霊の守り人

Nec_0013 ファンタジーっつったら、一昔前は「白魔術に黒魔術、ドラゴン、魔法使い、石造りのお城に金髪青い目の王子にお姫様、小人にトロール」といったヨーロッパ調のやつばっかだったように記憶しますがね。いまや違いますね。

「十二国記」あたりからですかね?どうみてもアジア系の架空の国が舞台ってのが増えましたね。髪も目も基本黒いです。みんな米食ってます。田んぼあります。建物木でできています。着物ともチャイナ服ともつかぬカッコしてます。

今、YouTubeで「精霊の守り人」を観ることに夢中。

おもしろいわーーー!!

女用心棒のバルサ、カッコよすぎ!チャグム皇子かわいすぎ!なによりかにより絵が凄すぎ!美しーーーーー!!!

「水の精霊の卵」を宿してしまったチャグム皇子、「卵喰い」の爪から逃れることができるのでしょうか?物語は佳境なんだけれど、私のお気に入り薬草師のタンダが次の回でチャグム皇子を助けるために大活躍するらしい。どうなるんだろ?タンダ無茶せんときや。

それにしてもいい時代になったもんじゃ。うちBSないのに、好きなときに好きなだけBSのアニメを観ることができるとは。ありがたいことじゃのう。

2007年9月11日 (火)

アキハバラ@DEEP

Nec_0012 「椿屋敷農園」ブログをはじめた動機のひとつが、「アキハバラ@DEEP」(石田衣良著・文藝春秋)でした。もう3年半も前でしたか。衝撃でした。

石田氏の「池袋ウェストゲートパークシリーズ」も「波の上の魔術師」も「うつくしいこども」も「娼年」も好きだけれど、一番は「アキハバラ@DEEP」。文庫本になったので読み返してみましたが、やはり血沸き肉踊ります。そういやTV化、映画化されたんだったな。未見ですが。

アキハバラに集うそれぞれに欠陥を抱えた若い衆が、自分の能力とセンスと勇気を武器に、IT帝国主義の会社に戦いを挑むお話なのですが、もうね、キャラクターの設定と道具立てとアキハバラの舞台設定がいちいち秀逸で、シビれるんですよ。石田氏、これだけの派手な世界観設定をしておきながら使いこなしっぷりが凄い。一昔前なら「近未来SF」とやらにジャンル分けされてたであろう設定なのに、いまや普通の「長編青春電脳小説」。いい時代になったもんだ。

吃音症だけれど言語センスに飛びぬけたページ、不潔恐怖症だけれどデザインセンス抜群のボックス、謎の癲癇発作を持つけれどリズム感と絶対音感抜群のタイコ、絶世の美少女だけれど格闘技の天才アキラ、アルビノだけれど天才プログラマーのイズム、元引きこもり今出っ放しの法律家ダルマ・・・・・・。「今の社会に適応できないけれど、それぞれに取り柄を持つ若者たちが、力をあわせて何かを成し遂げる」お話。いいぞお!!

「人間の意思の働きを組み込んだAI型サーチエンジン」のアイデアも秀逸だし(そんなサーチエンジンがあったら欲しいわ、ほんと)、なにより彼らが作る会社「アキハバラ@DEEP」の基本方針がね、いいんですよ。

『必要以上に大きくしない。有名にならなくてもいい。小さなまま自分たちが満足いく暮らしができて同類を手助けしてあげられるくらいのぎりぎりの利益で満足する。パンくずひとつあればひと冬暮らせる羽虫のように、一生懸命でもなく、死ぬほどがんばることもなく、ゆるゆると生き延びる。』

これだ!と思いました。

細く長く無理のないやり方で淡々と商売する。もちろん利益はいるけれども大儲けを考えない。

「うちの農園の方針もこれだな。」と。

あれから3年、ゆるゆるぼちぼちの精神はあいかわらず、でもおかげさまで続けています。ありがとう「アキハバラ@DEEP」!「何かを変えたい、はじめたい」みなさまにもお勧めの本です。無理なくはじめるすべが、この本には載ってます。