椿屋敷のお客様

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2007年10月

2007年10月11日 (木)

雉の使い

1011 今時分、うちの畑では雉が出ます。

朝、藪になったところ(情けない)を掻き分けて入ると、いきなり「ケーーーーンケケケケ!!!!」と大騒ぎ。鼻先をかすめてバタバタと逃げていきます。

そりゃあ、君も驚くだろうがこっちの心臓にも悪いっつうの。

雉ってのは大昔から日本にいた鳥らしく、古事記にも何回か出てきます。アマノワカヒコがオオクニヌシのところに「国を渡せ」と交渉に行きながら懐柔されて音沙汰なしになったとき、高天原が使わしたのは「キジノナキメ」。なんと雉が使者でした。うるさそう。

案の定キジノナキメはアマワカヒコのうちの門のそばの木の上で鳴きまくり、アマワカヒコに射殺されています。「雉も鳴かずば撃たれまい」ってことか。

真理だ。

でも、雉を殺した矢はそのまま高天原に届いて、その矢が投げ返されてアマワカヒコの胸に当たって死んじゃうんだよね。「因果応報」。これも真理だ。

何はともあれ昔から雉はそれほどたくさんいたってことです。でも、いくら山の中とはいえ、うちの庭先なんかをうろうろしてて大丈夫なんだろうか?無事に繁殖してくれることを心から祈ります。

2007年10月10日 (水)

立つか座るか

1010 朝からビロウな話題で申し訳ないですが、「放尿時に立つか座るか」に関心があります。

飼っている動物を観察したところでは、猫はオスもメスも座っておしっこします。犬はオスは立って片足上げ、メスはほとんど座ってしますが散歩中など稀に片足上げでするときもあり。

ヤギはメスは絵のように座り小便。オスは四本足で立ったまま。それぞれの放尿器官の作りを考えると、その姿勢が一番合理的なのでしょう

さて、人間は「男は立小便!男らしい!これが女にできるか」などとくだらないことをいう男がいる反面、「女だって立ってできるわよ!」などとこれまたくだらないことをいうフェミニストがいたりして、目の前が真っ暗になったりするわけですが。わたくしおなごの体である以上座り小便のほうがやりやすいと思います。なんといっても足を汚さなくてすむ。しかし男はからだの構造上、立ってするのがやはり合理的でしょう。そこにイデオロギーはない。身体的・生理的に何が合理的か、という話です。

とかなんとかいってる間に洋式便所が大普及してしまい「トイレを汚さないためにも男も腰掛けてしてよ。」の大合唱の前に意を屈して腰掛ける殿方が増えたとか何とか。いや、マジで便器周りを小水だらけにされるほど掃除する立場にとって困ることはありません。そこのところは環境も配慮して合理的に振舞っていただきたいものです。

2007年10月 9日 (火)

アケビとマツタケ

Scanimage001 「山のアケビは何見て育つ 下のマツタケ見て育つ」という都都逸がございましてな。かなりスケベエな状況を歌ったものですが不思議に下品ではありません。山の秋の実りにたとえてよくできていると思いますです。

それにしても「アケビとマツタケ」がコンビに歌われるほど、江戸時代っちゅうのはマツタケが一般的だったわけですな。アケビとコンビだよ?うちなんかアケビの蔓に困ってヤギに頼んでいるぐらいなんだよ?そういやマツタケの別名は「猫またぎ」。猫がまたぐほど採れた時代があったんだよなあ。いまや国産のマツタケなど伝説に近い。何でこんなことになっちゃったんだろう?

ということは、ひょっとしたらアケビも条件が変われば「昔はアケビという野草があってな。秋になるとパカッと口が開いて甘くないバナナみたいな味がしたモンじゃ」とか伝説になる日が来るかもしれないのかな?

2007年10月 8日 (月)

眠り猫

002

気が狂ったように暑い夏が10月まで続いて、「どうなるんじゃ?もうバテバテじゃ~~!」と汗っかきの頭をかきむしって嘆いておりました。

おお、ついに今日に至って最高気温が30℃を切ったではありませんか!よかったよかった。

6月、7月、8月、9月と、あまりの暑さにほとんど休眠状態だったわたくしですが、やっと動く元気がでてきました。なんとか山を降りて、かねてからご無沙汰ご無礼していたお客様のtotto*さん宅を急襲。作ったばかりのバジルソース持参で、ネットとブログ管理に詳しいtotto*さんに、弊ブログの改革についてご指導を仰ごうというわけです。(そしてたけのこサラダやサンドウィッチやみかんやカプリコ、totto*家の食料を食い尽くして帰りました。まったく迷惑極まりない客であります。ありがとうございました。)

さすがtotto*さん、無知なわたくしには考えも及ばないいろいろな改革案を次々提示してくださいました。

うううううむ。なるほど。そうか。

家に帰るなり、パソコンに張り付き。とりあえず今まで写真オンリーだった画像をスキャナー読み込みでイラストが使えるように設定しなおし。なんと昼から今までかかってしまいましたですよ。

涼しいはずの部屋で大汗をかきながらパソコン操作をしていると、置きっぱなしの洗濯籠の中から「すぴーッ、すぴーッ、」と何ぞ鼻息が。マイパンツとマイタオルをめくりあげてみると、そこにはドリアン(アメリカンショートヘアのハーフ・この間誕生日の15歳・じじい)がよか気分で埋もれてグースカ寝ているではありませんか。風が当たって目が覚めたのかおもむろに喉ちんこまで見える猫的大あくび。

あああ、ドリアン、あたしゃ今ほどあんたがうらやましいと思ったことはないよ。あんたみたいに一日のほとんどを寝て暮らせるなら。

ま、「お前の生活も猫とあんまり変わらん」と、いわれそうだけれどね。

2007年10月 7日 (日)

豚に食わせろ

Nec_0005 中世のフランスでは、秋の森にどんぐりがなると豚を放してお腹いっぱいどんぐりを食べさせて太らせ、晩秋にその豚を殺して冬の食料にしたのだそうな。

肉食民族の知恵よのう~。

まあいえばナッツなので、かなり栄養ありそうだもんな。脂肪分がいっぱい。それは豚も太るというものです。かといって渋みがあるから人間の食料とは競合しないし。合理的だよなあ。ほとんどタダだし。

今、裏山ではカシやシイの実がどんどんなってきているので、「こういうところに豚を放せばいいんだろうな」と思ったり。(もう日本でもやってる人がいるんだろうけれど。)

(そういや、フランスの豚は森でフォアグラ(間違い。トリュフ。高い食材を混同してしまったぞ情けねえ)も探してくれるんだったな。たいしたもんよ。八面六臂のご活躍ではないですか。)

なんというか、そういうお話を聞くと、こと「家畜の取り扱い」ということになるとヨーロッパってすごいなあ。有史以前から肉食べ続けてた人たちだから年季が違うよ。

「山と森の利用法」なら、日本だって負けてなかったはずなんだけれど、残念ながらものすごい勢いでその知恵が失われていってるような気がします。人事じゃない、うちの山だって手入れができてないですもん。なんとかしなきゃ。

うおッ!ここで、べにこさんからご指摘が!そう、豚が探すのはトリュフです!きのこです!ガチョウの肝臓ではありません。べにこさんありがとう!大恥をかきまくるところでした。

2007年10月 6日 (土)

ゲンノショウコ

Nec_0003 ゲンノショウコの花がそこらじゅうに咲いています。

夏の花のはずなんだけれど、いつまでも暑いからかな?土用の丑の日に採集して薬にすると、副作用が無くて整腸作用によく効く名薬となります。なんといっても「現によく効くから『現の証拠』」と名前がついたぐらいだし。

ただ、葉っぱだけの若いうちだと毒草のキツネノボタンにそっくりなんだよな。だから花が咲いてくれてるほうがわかりやすいんだけれど。「土用あたりが花の盛りで、その時期は下痢止めに効果のあるタンニンが最も多量に含まれる。花が咲いていてわかりやすく理にかなっている。全草を採って水洗いして陰干しにする」と薬草辞典にはあります。でも土用あたりに咲いてたかなあ?花の時期が遅れてないか?

ゲンノショウコとヨモギ葉で風呂を立てると湯冷めしにくいそうな。冷え性のわたくしには魅力的な話だな。一度はやってみたいのだけれど・・・・。いつも、「ヨモギもゲンノショウコもまだそこらにあらあ」などと高をくくっていると、いつの間にか冬枯れしているという・・・・・。

ああ、ぐうたらなわが身よ。

2007年10月 5日 (金)

今年のバジルソース

Nec_0004 今年もバジルソースを作りました。家中にバジルの香りがぷんぷんしてます。

奮発して胡桃と松の実をいれました。

これで、来年のバジルが育つまで大丈夫!

2007年10月 4日 (木)

精霊の守り人

Nec_0002 活字やマンガに接してから映像を見るパターンがほとんどなのですが、ひさびさに「アニメを見てから原作を読む」ということをしました。それほど「精霊の守り人」はアニメもいいできでした。名作「甲殻機動隊シリーズ」のスタッフが作ってるのだから当然か。

本で読む「精霊の守り人」(上橋菜穂子著・新潮文庫)も、とてもよかったです!バルサがチャグムがタンダが、文章の中から生き生きと立ち上がってくるような気がしました。いいなあ、このシリーズ。今のところ「闇の守り人」「花の守り人」まで読んだのですが、まだまだあるので、「続きを読める」と思うだけでうっきうき♪

あ、そういえば図書館の整理期間が今日までなんだ!早く開かないかな?図書館。

それにしても「児童文学」とか「ファンタジー」とかの一昔前なら子供だましと見られていた分野が、まったく様変わりしているんだなあ。「十二国記」にしたって「バッテリー」にしたって、この「精霊の守り人」にしたって全部もともとが児童文学ですよ。しかも著者が全部女性。

語り部ってのは、古来より女性の役目なんだよな。

2007年10月 3日 (水)

栄枯盛衰は世の常なり

Nec_0001 驚いたことにセイタカアワダチソウの日本における大繁殖のピークは過ぎているそうです。

なるほどな。

そういえば、昔はもっと秋のこの時期川原とか空き地とかこの黄色い花で埋め尽くされていたような気がします。どこに行っても人間の背丈よりはるかに高いこの草だらけでうんざりしたよな。最近あれほどの大群生を見なくなってるような・・・・・。

どんなものにも「繁栄のしっぱなし」という事は無いのね。上り坂があれば、必ず下り坂がある。「栄耀栄華の頂点よのう・・・」などと思い上がったその瞬間が転落への第一歩だったりするわけです。

最近思うのですが、「若いときのほうがひょっとして保守的かも?」と。なぜなら、まだ経験が浅いうちは目の前にある「強大なもの」や「強力なもの」に目を奪われて、それが「落ちる」とか「滅ぶ」とかの事態がまったく想像できませんもの。「大きな企業なら安泰だろう」と思い、「こんなに流行してるから大丈夫だろう」と無批判に身を任せてしまうのは若いときではないでしょうか?

まだそれほど人生を重ねていないわたくしでも、「え、こんな大企業が一夜にして潰れるの?」とか「あんなに流行していたのに、どこにいったの?」とかの話は散々見聞きしてきました。それどころか「ソ連崩壊」「ベルリンの壁崩壊」を見ちゃったもんなア。

「ベルリンの壁」なんて子供の頃は「永遠に変わらない強固なものの代表」みたいに思ってたけどなあ。今はもう無いあの壁を越えようとして何百人も射殺されてるんだよ。何だったのあれ?

未来は誰にもわからないけれど、ただひとつ「永遠に続くものは無い」。これだけは言える。それで「昨日まで確実だと思っていたことが、明日は見えなく」なったりするけれど、「昨日まで見えなかったことが、明日は見える」こともある。

それは、実はすばらしいことかもしれないと、今、思うのです。

2007年10月 2日 (火)

手弁当のすさまじさ

Nec_0036 今回の山羊サミットの発表要旨集です。よくできています。

それにしても、山羊サミットの準備委員会は10人あまりで構成されていたのですが、すごかったです。

何がどうすごいかというと、いわゆる手弁当のボランティアなのに、一年前から毎月一回づつ実行委員会が催される。そのたび、半月前に委員会の日がメールで通告され、行くとみなさんお仕事帰りなのに驚くべき出席率。

完璧なレジュメが用意されていて、一月の間に担当部署の仕事がどこまで段取りできたか、確認発表。ここで意見がつのられ、それぞれの担当部署との関わりと段取りを再検討。来月の実行委員会のだいたいの日取りを確認。これを一年間繰り返して少しづつ積み上げていって本番。

当日も、すごくて時間の流れ、場所、人員配置、すべてがちゃんと書面にしてあって配られできうる限り齟齬のないように、情報が統制されてました。鹿児島大学の先生が事務局を勤めておられたのですが、この手の催しでこれほど有能な事務局をはじめてみました。

また参加する実行委員会のメンバーみんなが、まじめで一生懸命なのです。「どこからこの情熱が?」と思わされるほどいまどき珍しい熱い現場でした。

「どこから?」

どうもみなさん、むちゃくちゃヤギが好きな方ばかりだったのです。

「好き」ってほんとにすごいなあ。