椿屋敷のお客様

動物ーヤギ Feed

2010年8月14日 (土)

盆も正月も無い

Dvc00396 当たり前なんですけど、動物を飼っていたら盆も正月もありません。

必ずご飯上げなきゃいけないし、お水あげなきゃだし、ウンチ掃除して、お乳も毎日搾らなきゃ、です。子育て中の人も、介護中の人も、同じ。週休二日なんてありえない。

好きでやってるんで、この生活に満足してますけど。

しかし、困った。今年3月に産まれた雄ヤギくんが、どうも右前脚の蹄を怪我したらしい。ちょっとびっこしています。昨日から腫れてきてるようだ。まだ元気にご飯を食べているのですが・・・・・・・

心配なので、夕べのうちに鹿児島大学の動物病院の先生に写真つきで相談のメールを送りました。先生はすごく良心的に「いつお休みされてるんだろう?」といぶかしくなるぐらい、よく診てくださるんですが・・・・・・

ただなあ、今、全国的にお盆だもんなァ。さすがにちょっとなあ。タイミングが悪いや。

なんとか週明けまで状態が悪くなりませんように。できれば自力で回復してくれますように。

2010年8月 3日 (火)

婿ヤギL

Dvc00391 一週間前、ヤギ師匠のところから婿ヤギのLを連れてきました。うちの今年産まれた雄の仔ヤギと交換してもらったのです。

こうしないと、何年も経たないうちに近親交配が濃くなっちゃうんで。やっぱりいろんな障害が出てきてまずいです。

というわけで、師匠のところでぬくぬくと文字通りの箱入り息子として育てられたLくん(放牧経験皆無)、果たしてうちのバリバリ放牧たくましい、しかも年経てなお現役の雌ヤギさんたちの群れにうまく溶け込んでくれるかちょっと心配しておったのですよ

案の定、来た当初はうちのヤギたちの気配に怯え、柵の中に入れてもすぐ柵を飛び越えて、人間の住まいのほうばかり近寄ってきてました。とにかく家の中に上がってこようとするんです!!

勝手口から何度も何度も頭を突っ込んでは怒られ、上がりこんではお尻を押されて追い出されを、何十回も繰り返し「あちゃあ、こりゃ、うちになじめないかなあ?」と思い始めた頃でした。5日ぐらい経ちましたでしょうか?

朝、見たらLが自主的に柵を飛び越えて放牧場の中に入っていました。何食わぬ顔で雌ヤギさんたちの中に最初からいたような顔をして、朝の餌をねだっています。

「なんだよう~おい。心配させて~~。もう。」思わず苦笑いがこみ上げます。

ま、悟ったわけやね。何頭もいる雌ヤギさんたちは、決して敵ではなくいじめっ子でもなく、要するに自分のハーレムのメンバーなのである、と。つまり、自分はウハウハやりたい放題のサルタンなのであると。

そう、君はたいそういい身分なのだよ。Lくん。文句を言ったらバチがあたるぞよ。という、つぶやきが聞こえたのかどうか。盛んに雌ヤギたちのお尻の匂いを嗅いでます。

2010年7月12日 (月)

デトックス

Dvc00379 めーさんはヤギ師匠や獣医さんが見ても「おおッ」と唸るぐらい立派なお乳を持っています。張っているときはそこだけ別の生き物のようにとんでもない大きさになります。

「よくお乳を出すヤギは一日に3L出す」と聞いていましたが、めーさんは確かにそれぐらいはお乳を出してくれるなあ。ありがたいことでございますよ。

なんか、よくお乳を搾ってあげたほうが、体調がいいみたいなんだよね。毛艶もツヤツヤと真っ白に若返ってきたし。考えてみりゃ、一日3Lも体から水分を排出するんだもんな。デトックスもいいところだよね。水分の排泄って大事だよね。あたしも見習わなくちゃな。

じゃんじゃんお乳が搾れるんで、ついにチーズ作りに着手しようと、通販でレンネット(凝乳酵素)を注文しました(最近のネット通販てホントなんでも売ってるなあ)。とりあえず高温殺菌してもできるクリームチーズから挑戦しようと思ってます。

2010年7月 7日 (水)

自家製ゴートチーズへの道のり

Dvc00376 ヤギたちを飼っているのは一にも二にも自家製ゴートチーズを作りたいからです。

そのための道のりは、なかなか大変です。でも五年目になって、雌ヤギが増え、なんとかかんとか乳搾りもできるようになり、「やればなんとかなるもんだなあ」と思っている最近です。それでもまだ途中なんですけど。

でも生き物のことだから油断もすきも無くて、はっとみてみたらオジョウの左の乳房に傷ができてたりします。結構大きい傷なのでここ3日間ぐらい気を揉みました。朝夕マキロンをかけて消毒しました

乳房はほっとくとお乳がたまって乳房炎になりたいへんなことになります。痛いらしくて仔ヤギにも乳を飲ませず、乳搾りも嫌がります。危ない。

今朝見てみたら、かなりかさぶたで塞がっていたので乳搾りを決行しました。ただでさえ嫌がる乳搾りを、もーーーー必死こいて嫌がります。でも、大事な雌ヤギを乳房炎で失うわけにはいけません。こちらも必死で押さえつけて搾りました。

奮闘20分。彼女の両方の乳房が見事にしわしわにしぼみました。なんともいえない達成感です。

2010年6月25日 (金)

朝ごはん

Dvc00367 梅雨の晴れ間、ヤギさんたちの朝ごはん風景。

五年前はめーさん一頭だったのに、増えたなあ。

秋までには子ヤギたちを手放します

2010年6月 3日 (木)

行きはよいよい

100602 みんな同じに見える仔ヤギたちにもそれぞれ個性があって、おとなしい子、暴れん坊な子、慎重な子、野放図な子、まあ、いろいろです。

毎年、柵にしている15cm格子のワイヤーメッシュをくぐって脱走する子ってのが出るんです。ある程度大きくなったらくぐれなくなるので、ほおっておくんですが。

今年くぐる子はオジョウから産まれた三つ子のうちの角雌なんですが、結構大きくなってもくぐって出てくるので「大丈夫かよ、おい。お腹がつっかえないか?」と心配していたところでした。

案の定。「ンめええええええ!!」と仔ヤギの悲鳴が轟きわたります

駆けつけてみると、柵のお外にでてたらふくおいしいものを食べた彼女の腹は、柵の内にいたときとはまったくサイズが違ってしまっていたのです。なにせ今の時期の仔ヤギは音が聞こえるんじゃないかというぐらいすごい勢いで成長します。頭と前脚、胸まではくぐれたものの、下腹がどうにもこうにもつかっえてしまって動きません。しかも本人かなり無理して突っ込んでいるので、戻ることもできなくなっています。

ワイヤが食い込んで、かなり痛く苦しいらしく悲鳴を上げ続けてます。

「ああ、もう!!しょうがないなあ!」

ペンチを持ってきて、つっかえてる箇所のワイヤを、30分ぐらいかけて、うんうん言いながら切りました。なんせΦ6mmなのでかなり丈夫なのです。切り終わった後には手が痺れて握力が全くなくなってしまいましたよ。

「もう二度とくぐりなけなさんなよ!!もう助けんからな!!」

言い聞かせましたがわかっているのやら・・・・・・

2010年5月20日 (木)

腰が抜けた

Dvc00354 三月に三頭の子ヤギを産んで、あふれるお乳でその子たちを立派に育てている、オジョウの様子がおかしい。

熱がある。歩行が危うい。鼻水だかヨダレだかを垂らしている。

今の九州で、いや日本全国で、牛、豚、羊、ヤギ飼いが、自分ちの家畜の様子がおかしかったらまず頭に浮かぶのはこれ。

口蹄疫。

びびった。心底びびりました。大急ぎで鹿児島大学動物病院のK先生に連絡して、うちに来ていただきました。もう、鹿大の動物病院は偶蹄類を受け入れないのです。今の鹿児島、テンパってます。「かごしま黒牛」「かごしま黒豚」の種牛、種豚は今月末までに全部離島に避難します。しかも「分散避難」です。テンパってます。

なので、ただでさえマメに診てくださるK先生が、文字通り音速ですっ飛んできてくださいました。車から降りた先生のいでたちはTVで見るような真っ白なツナギと真っ白なゴム長靴、そして分厚い手術用ゴム手袋。帽子。重装備です。

先生方も、もし、口蹄疫の患畜に接したら、10日間は待機して通常業務ができなくなるそうです。それほどに口蹄疫ウィルスは感染力が強いものなのです。

先生がいらっしゃるまでに充分びびり、「もし、もし口蹄疫だったら、オジョウもめーさんもヤンママもボンボンも、産まれてきた子ヤギたちも問答無用で皆殺し。それどころか、うちの半径10kmの牛も豚もヤギも皆殺し。アーーーーッアーーーーーッどうしよう、どうしよう、もし口蹄疫だったらあ!!」とぐるぐる同じ考えが頭を走馬灯のようにめぐり、食事も喉を通っていなかったわたくし、先生のこのいでたちを見てさらにびびり、緊張でその場を動けなくなりましたですよ。

先生は慎重な手つきでオジョウの唇をめくり、ゆっくり口の中を観察し、さらには4本の脚の蹄をひっくり返していきます。わたくしもう、ドキドキで口も利けません。

黙って車から籠を取り出してこられた先生は、そこから聴診器を持ち出します。

「・・・・・・せ、せんせい」自分の声が震えてしわがれているのがわかります。

「や、やはり、あの病なのでしょうか?」

「違うから手袋を脱いだんですよ」と、笑いながら先生。見れば、重装備の手術用手袋を脱いでらっしゃいます。

「はーーーーーーッ」脱力して、腰が抜けました。緊張がどっと解け足に力が入らん。

「肺炎ですね~。ほら熱が41,5℃もある。解熱剤と抗生物質を打っておきますから、日陰で水をかけてあげて扇風機の風を当てて気化熱で体を冷やしてあげてください。」

わ、わかりました。さっそく扇風機を準備します。口蹄疫で無いなら一安心です。

「肺炎としては重いですからね。くれぐれも油断しないで。」

このごj時勢、お忙しいでしょうにわざわざ来てくださってありがとうございます。

「このご時勢だからこそ、です。」

「できるだけ初期のうちに手を打っておかないと宮崎のようなことになる。獣医師は命を助けるために生業にしているのに現在の宮崎の命を断つ仕事はやりきれないことだと思います。」

「実は、ここに来る前に家畜保健衛生所に『やばいかも』と電話を入れてきたんです。それが仕事なんで。」

おお!!やはり、シビアなり!!

「『やばくなかった』とすぐ電話を入れますよ。」とニヤリとお笑いになる先生。

もう、深々と頭を下げることしかできませんでしたよ。

ああ~よかった。ホントよかった。まだまだ油断はできないので(ちゅうか、これからだ)警戒し続けます。それにしても、苦しかった。今偶蹄類を飼っているところは、みな同じ火で炙られるような心持ですわ。

とにかく早く終わってくれ。現金なものです。ヤギを飼ってなかった10年前の流行はまったくのひとごとだったのになあ。

2010年5月14日 (金)

早く治まれ口蹄疫

Dvc00350 もう、とにかく一分でも一秒でも早く、口蹄疫よ治まれ!!

宮崎の惨状を隣県として耳にするたび、腹の底からじりじりとあせりを覚えます。

今日聞いたお話では、

「牛や豚を注射で薬殺処分しとるんだけど、牛豚は賢いから、飼い主に『助けてくれ』と啼くんだと。飼い主はもう、涙もでらん、と。ノイローゼになる、と。立ち直れん、と。」

・・・・・・・・・耳を覆うよ!!たまらん・・・・・・そんなのたまらん!!

ついに最高級の種牛六頭が、国の許可を得て移動しました。

そういう立派な血筋ならいいけどさ。でも、血筋はアレでもみんなうちのはかわいいんだよ。どこの飼い主さんもそうだと思います。

宮崎の疫病がとにかく速く治まりますように。そして、なにより鹿児島に絶対入ってきませんように。県境では24時間体制で畜産車両を消毒しているとの事。そのお役目の方たちは大変でしょうが、よろしくお願いします。ほんとうによろしくお願いします。

2010年5月 5日 (水)

来るな口蹄疫

Dvc00346 今度の宮崎の口蹄疫で殺処分された牛や豚は三万頭にも及ぶそうです。

うーーーーーむ。

飼い主の方々の心中を慮るにたまらないです。

うちは五年前からヤギを飼い始めて、数はやっと十頭前後、飼い方もてげてげですが、「彼ら彼女らを食べるわけでなく殺処分する」事態など気が狂いそうになると思います。

おいしいお肉になるように大事に大事に慈しんで育ててこられたでしょうに「そんなことって・・・・・」。

「どうせ食べるために殺すんだろ?」「お金の損が嫌なんだろ?」って?

「食べるために殺す」のと「殺処分」とは違います。ただただ殺して地面に掘った大穴に埋める。そんなのたまらん。

「お金の損」ホント嫌だよ。生活のすべてを動物に捧げる、それだけのパワーをかけないと商品になる動物なんて育てられないんだもん。工場で完成したばかりの自動車やパソコンが市場に出る前に叩き壊されて地面に埋められたらどう思うよ?

宮崎は鹿児島のお隣、しかも県境のえびのでも患畜がみつかってます。鹿児島にとって心胆寒からしめる出来事です。なのでゴールデンウイークの鹿児島のイベントはほとんどが中止になりました。(かのやバラ祭りとかね)

人間が口蹄疫のウィルスを運ぶ可能性があるからです。わたくしも人ごみに行く気がまったくしません。口蹄疫が終焉するまで自分ちの半径5kmぐらいでのたのた生活していきます。・・・・・・・・・・って、いつもの生活じゃん、それって。

2010年5月 1日 (土)

アカディに似た味

Dvc00344 ヤギのお乳ってアカディに似た味がします。

甘くて軽い。牛乳に比べて含まれる脂肪の球が小さいらしいのですが、なるほどそれで脂分が舌に当たらずあっさりしています。

ヤギの姐さんたちのおかげで新鮮でおいしいお乳が飲めてあたしゃ幸せですわい。

つくづく雄の成獣と場所を分けたのがよかったな。大きくなった雄は縄張り意識が強くて、自分の雌たちに手を出すのを絶対許さないので往生しました。雄と雌を別けて飼育するのってほんと大事ですね~。

次は「ある程度大きくなった子供を半日だけでも母親から離して、搾れる乳量を多くする」に挑戦したいなあ。そのためには囲いをもっと大きくしなくちゃ。