椿屋敷のお客様

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2005年12月

2005年12月26日 (月)

Nec_0021_8 門松が大好きなのであります。

「若松、竹、(あれば)梅、紅白葉ボタン、ユズリハ、稲藁、南天、万両、金柑etc・・・」身近にある「めでたい」縁起物すべてをかき集め、日本的な美意識でデコレーションし、門に立てる(あのデザインがまたいいんですわ)。田舎に暮らしていたら必ず身近にあるものばかりなので基本的に「タダ」。しかも自然素材ばかりだから畑に打っちゃっておけば天然自然に朽ち果てる。リサイクル料¥0。

そこらにある何の変哲もない竹や若松を、自分の手で鋸や鋏や藁縄を駆使して手順を考えながら組み立てていくと、あ~ら不思議、いつの間にか門松になっていく過程の楽しさ。たまらんです。

「ローコスト・ローテクノロジー」を座右の銘とするわたくしが愛さないはずがありましょうか?しかも「めでたさ」の極致!!

モモの散歩をしながら、今年の門松用の竹を思わず物色して歩いてしまう昨今なのであります。

・・・・・ああ、でもホームセンターで売っている門松、結構お値段が張るのでびっくり。確かに材料はタダだけれどちょっと手間がかかるしろものだもんなあ・・・・・

2005年12月25日 (日)

クミコさん(仮名)の水餃子

Nec_0020_5 クミコさん(仮名)から手作り水餃子をいただきました。

さっそく、今朝の鶏がらだしで水餃子にしていただきます。

――――

――――美味しゅうございますですよ――!!

皮はツルツルしてつるりと口の中に入り、中身はアツアツでジューシーなお汁がはみ出してきます。アチチチチ・・・・・!

クミコさん(仮名)、本当にありがとうございました。うちのハクサイとニラとネギお持ちしますです。あとツルウメモドキも。

水餃子についてはお客様のべにこさんのところでもレシピやってます。寒い季節には水餃子最高です。

チキンクリームシチュー

Nec_0018_2 使わなかった鶏と生クリームで、今朝はチキンクリームシチューを作りました。

庭から採ったジャガイモとハクサイと人参を大量投入。仕上げにぷんぷん匂いのするパセリを刻んで浮かせて。

これがおいしかったからいいんだもん(←しつこく負け惜しみ)

来年こそはやるぞ――。

totto*さんとこで、クリスマスケーキレシピやってますよ――。まだ今日に間に合う。おいしそうですぞ!!GO!GO!

2005年12月24日 (土)

スターチス

Nec_0017_4 スターチスの苗がロゼッタ状態になってます。

「ロゼッタ」とは、草花が冬の低温や季節風をしのぐために、写真のように地面を葉っぱが這うように広がって大きくなる状態をいいます。春になって気温が上がってくると、いきなり中心の茎がにょきにょき伸びてくるのです。そしてあっという間に花芽がでてきて花が咲きます。冬の間は地上ではほとんど高さは伸びなくても、地下ではたいへんな勢いで根が伸びている時期でもあります。その冬の間に伸びた根こそが、春の急成長を保証するのであります。これこそ「根回し」!

世間はクリスマスイブですが、今年は忙しくてケーキも鶏の丸焼きも作れませんでした。いいもん。餅つきもするもんおせちも作るもん(負け惜しみ)。今は根回しシーズンなのじゃ。春がくれば、ひょひょ~~んと伸びる茎を支えるために、冬の間に根を張っておく。今まで足りなかったのはこれね!砂上の楼閣を作るより、時間はかかっても岩の土台に基礎を作って堅固な家を建てる。

結局はそれが賢いこと。美しく物事を仕上げるコツ。

パセリ

Nec_0016_3パセリであります。

ハーブとしては最も一般的なハーブで、料理への使われ方も浸透し、スープ、シチュー、サラダ、グラタン、パスタ、ピザ、肉料理、ありとあらゆる使われ方がなされておりますが、買うと意外とお高かったりします。その上買ったパセリは長持ちしません。いつの間にか冷蔵庫の中でしおしおしてたり、香りが飛んでいたりします。

これも自宅で1~2本植えておくと重宝しますよね。使う量だけちびりちびりちぎっていけば大丈夫。庭先からちぎってきたパセリの香りは「これがパセリか?!」というほど信じられないぐらい鮮烈です。もう単純にバタートーストにみじん切りをふりかけて軽くもう一度焼くだけでもムチャうま!!

苗を買ってきたら(¥80~¥100ぐらい)コンテナや鉢でも簡単に育てられる便利ハーブ。これからおいしいんだよね。バターやホワイトソース、マヨネーズにこれほど合うハーブはないでしょう。

2005年12月23日 (金)

クリスマスプディングの冒険

Nec_0015_4  お客さまのtotto*さんも大好きだとおっしゃるアガサ・クリスティー。私も大好きです。

しかし根っから頭が粗雑にできているもので、「ミステリ」の部分は正直ほとんど飛ばして読んでいるようなものです。クリスティーの何が好きって何といっても雰囲気。イギリスの上流階級が繰り広げる紅茶とスコーンとサンドウィッチのアフタヌーンティー。カリカリに炒めたベーコンと卵のイングリッシュブレークファスト。カードゲームつきの晩餐会。そしてお屋敷で催されるハロウィーンパーティーやクリスマスパーティー。特にクリスマスパーティーはクリスティーが自伝で言っているように特別な思い入れがあるらしく、色んな作品の中に出てきます。んで、そのパーティーがなんとも言えず素晴らしい!

この「クリスマスプディングの冒険」は短編なのですが、それはそれは素敵な田舎の上流階級のクリスマスがでてきます。大量のヒイラギやヤドリギ。大きなクリスマスツリー。吊り下げられた靴下。暖炉の中で燃える丸太。牡蠣のスープに丸々と太った七面鳥の丸焼き。そしてクリスマスプディング。切り分けて上等のブランデーで作ったハードソースをかけて食すしろもの。イギリスではこのプディングにあらかじめ縁起物(ボタンとか指輪とか指ぬきとか)仕込んでおいて、誰に何があたるかで占いをするというゲームがあるのです。このお話の中ではその縁起物が重要な意味を持っていて、謎解きのきっかけになるのですが・・・

もう、謎なんかどうでもいい!という気分になるぐらい、クリスマスパーティーの描写がよろしいのですよ。出てくる食べ物、出てくる食べ物すべておいしそう。「古きよきイギリス」の伝統行事は、意味ありげで由緒ありげですごく楽しそうで上品。

正直言ってクリスマスパーティーが楽しかったことはあまりないのですが・・・「こういうのだったらいいなあ」と思わせる、文字通りのホームパーティー。ホームパーティー好きには必見の書でございます。

雪野原

Nec_0013_5畑の奥は今朝も10cmほど雪が積もったままです。処女雪というわけにはいかず、モモ(紀州犬雑種・4歳・女の子)が「~喜び庭駆け回り♪」した跡だけがついています。犬ってのはまったく。

今朝はさすがのめーさん(ヤギザーネン種・10ヶ月・女の子)もぶるぶる震えていたので、心配になってヤギ協会会長に電話をかけて聞いてみました。「ヤギもやっぱり寒いからね。咳をしたり、ぐったりしたりしていなかったら大丈夫だよ。」とのこと。咳なし、多少鼻水はでてるけれどしゃんと立ってもりもりと枯草を食べています。一安心。

「鹿児島気象台始まって以来の12月の大雪」に、大混乱している鹿児島。みなさん、くれぐれも車間距離はちゃんと開けて走行しましょう。お尻に詰められると怖いです。

新潟など大停電との事、たいへんな年末になってきました。無理はいたしますまい。

2005年12月22日 (木)

冬至

Nec_0012_5 ・・・・・と、気がつけば今日は冬至ではありませんか!

かぼちゃかぼちゃ!柚子柚子!

今度の冬のようにしょっぱなからスペシャルに寒い冬ならば、かぼちゃ煮を食べて無病息災を、柚子湯に入って風邪封じをせずにはおれんですNec_0011_5

かぼちゃはもういただきましたので、早寝早起きのわたくしは、あとは柚子湯に入ってたっぷり暖まってショウガ湯を飲んで寝ます。おやすみなさいです。

水晶

Nec_0009_6「寒~い寒いぶるぶるぶる」という、内容ばかりが続く今日この頃。12月の積雪としては、鹿児島気象台始まって以来の積雪量だということです。

雪ですら慣れないのに、氷河とか万年雪とかどんな世界なのでしょうね。おそろしく透き通って青い青い水晶のような場所。19世紀のボヘミアの作家シュティフターの短編集「石さまざま」の中に、「水晶」という美しくも荘厳な傑作短編があります。

クリスマスイブの夜、ボヘミアの山岳地帯の小さな谷間の村の幼い兄妹が、山の麓の祖父母の家から谷に帰る途中で道に迷ってしまい、不毛の氷河で遭難してしまいます。幼いなりに山育ちの二人は、知恵をあわせ力をあわせて、大人でも遭難死するような(わたくしのような寒かごろは一発ですわ)過酷な状況を乗り切り、奇跡のような山のクリスマスイブの光(オーロラでしょうか?)を見て、翌朝生還するというお話。

日本ではあまりなじみのないボヘミアの山岳地帯のつつましくも豊かな暮らしぶりや、侠気のある少年の父親(山男で靴作り師)や祖父(資産家の染物屋)たちの無口だけれど質実な性格、その強さを受け継いだ少年の知恵と勇気と優しさ、けなげでかわいらしい妹が、兄を信頼しきって発する「そうよ、コンラート!(ヤー、コンラート)」という言葉の響きの美しさ。本当に大好きなお話です。

兄妹に祖母が持たせた子牛の皮のランドセルの中身が、質素なんだけれどめちゃくちゃおいしそうでした。ハタンキョウのキャンディー。ふかふかの白パン。そして特別に濃く淹れた「体の芯からほかほかと暖まってくる」コーヒー。結局遭難した兄妹は、このコーヒーを少しづつ飲むことで、睡魔に抗い凍死しなくて済んだのでした。

翌朝、奇跡の生還をした兄妹を父の村と祖父の村から協力して出ていた捜索隊のメンバーが見つけ、そののろしを見た教会の神父様が、延期していたクリスマスイブのミサをあげ、下山の途中山々に透き通った鐘の音が響き渡る・・・・・

「それまで、上の村の子でも下の村の子でもなかった二人は、今やまぎれもなくふたつの村の子でした。」娘の結婚に反対で、しっくりいってなかった祖父の染物師と父の靴作り師も、自然に和解し、「奇跡の夜を境にふたつの村はひとつの村のように行き来をするようになりました」

「ホワイトクリスマス」という単語を聞くと、いつもこのお話を思います。

2005年12月21日 (水)

西高東低の冬型

Nec_0008_9 夕方モモ(紀州犬雑種・女の子・4歳)がすごい勢いで家の中に飛び込んできて、「くうううん、くうううん、キャキャン!」と大騒ぎでした。また遠雷がなっているようです。

天気図で見る限りでは、日本列島に縦に10本ぐらい等圧線が走っているようなモウレツな東の低気圧と、大陸に高気圧が鎮座してました。典型的な西高東低の冬型の天気です。実はうち近辺ではすごい勢いで雪が降っているのですが、残念なことにカメラに写りません。

「鹿児島市のチベット」とはいっても所詮は南国鹿児島のこと、1mも2mも一晩で積もってしまう雪国の苦労は想像もつきません。広島の中国地方の山のてっぺんに嫁に行った妹のところでは、もうかなりな雪が積もっているそうです。というより前回の雪が溶けてないのですと。ひゃあああ。そういうお話、いっそ怖いです。

小泉八雲の「雪女」は美しくも恐ろしく神話的なお話ですが、あのお話の舞台は決して雪国ではなく、関東地方だそうです。だから雪の夜は雪洞を掘って潜り込むのが(雪国のかまくらのように)一番暖かく、雪国の人間だったらそれをよく承知しているのに、「雪女」の炭焼き二人は、一番体温の下がりやすい小屋に泊まってしまったのだと。

知らぬということは恐ろしいことです。

なんにせよ、子供の頃白紫池(九州で唯一天然氷のはる霧島の池)にスケートに連れて行かれ、あまりの寒さにものの十分も滑らぬうちに泣いて帰った経験のある身としては、その後「スキー、スケート、スノーモービル」などという「雪」とか「氷」とかいう単語のつくものには金輪際近寄らぬようにしています。スキーを知らずとも人生オッケー!君子危うきに近寄らず。