六月燈のためにお宮さんの掃除をしていたら、母方の親戚がぼそぼそと語りだしました。
―――――ここんお宮さんはな、昔ゃM岡の上にあったとよ。あそこん山の頂上は2反歩ほどは平らじゃっでや。M岡に登り方がきつかで(高さ100ぐらいはある)、下のほうに招請すっが、ちなってな。上から太鼓を転がして落として止まったところがここじゃったちよ。
びっくり!太鼓で決めた場所だったのか。ここ。
―――――そんでな、ここん神様は荒神さあでな。ちゃんときれいにせんとすぐはらける(怒る)たっち。白かもんが嫌いでな。白かものを着て参るなち、ばあさんたちがいうちょったど。
うひゃあああ!祟り神ですかい。思いも寄らぬことでした。まさか、この親戚からこんな土俗・民俗なお話を聞くことになろうとは。21世紀になって久しいですが、柳田國男的世界はまだまだ日本のそこかしこにぽかっと穴を開けているようです。しかしとどめの話はこうだった。
――――いっそM岡の上に古かままであったら、まだありがたみがあったかも知れん。お参りに来る衆が県下から来たかもよ。
ふわっはっはっは!うんうん、ソロバンはじいてますね。いつもの親戚でした。よしよし。確かにM岡の頂上で古いままだったらちょっとありがたかったかも。それを維持するってたいへんだけど。
名所旧跡を維持してるところはえらいよなあ。
今、こいつが凄いですよ~。「家の周囲に生えると植え込みや屋敷全体が取り囲まれるためビンボウカズラの別名もある(薬草カラー図鑑より)」
ビンボウカズラですと!
いやだいやだ、これ以上貧乏神にとりつかれてたまるものですか。
しかし今はヤギ様方がいらっしゃいます。今朝は早速、畑のいかにも貧乏神がとりつきそうなところに出動していただきました。今日中には貧乏神を一掃してくだされることでしょう。ありがたいことにそれほどヤギ様方の食欲は凄まじいのであります。ヤギの別名は「貧者の家畜」。あらやだ、また「貧」ですか。まあ、ありがたいお味方ということで。
ヤブカラシはそれでも薬効がありまして、はれものや毒虫に生の根茎をすり潰した粘液が効きます。今朝は朝一番に蜂に刺されてしまったので、このビンボウカズラに目がいってしまったようです。ちゅうてもめんどくさくて根っこを掘り返したりしてませんが。
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