椿屋敷のお客様

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2006年10月

2006年10月20日 (金)

ワイルドストロベリーの実

Nec_0025_24 一般的に婦女子は「『占い、まじない、魔法』の類が大好きである」ということになっているようです。無論婦女子のご多分に漏れず、わたくしもその手のお話は好きであります。

というわけで、「幸運を呼ぶ」というワイルドストロべりーを育てておるわけですが、このたびめでたく実がなりました。ふむふむ。秋にもなるのね。

その実は普通の園芸品種のイチゴに比べると1/10以下の大きさです。が、いっちょまえにイチゴの形をしております。ふむふむ。

ここで、パクッと口に入れて味をみずにはおれんのがわたくしであります。「幸運のまじない」では食べないほうがいいらしいですが、それより食い意地のほうが勝るのであります。「おいしく食べる」ことの幸運がまず先です。ムグムグムグ・・・・・

んで、お味のほうは・・・・・・・

クサイチゴにそっくりの味です。初夏になればそこらあたりの藪一面になるあのクサイチゴです。鮮烈な甘酸っぱいイチゴの香りとじゃりじゃりする種。おいしいといえばおいしいですが・・・・・。”ワイルド”の名がつくのはだてではないのう、と思わされましたです。

2006年10月19日 (木)

サルトリイバラの実

Nec_0020_24サルトリイバラの実がなっています。

ここは鹿児島市内なのに いいかげん山の中なので、そちこちの藪にサルトリイバラが生えているのです。実がついている株はなかなかみかけませんが、美しい実です。

サルトリイバラ、漢方で言う山帰来、鹿児島弁で言うカカランハは、茎も蔓も葉もちょっと変わった独特の形をしています。枝分かれの仕方とか、古くなった茎の表皮が固くなるところとか、トゲとか、他の蔓草と違います。藪を掻き分けてこれのトゲにひっかかったらかなり厄介で痛いです。

「ヤギの囲いに絡ませるといいらしい」と聞きましたが、そうかも。しかしなかなか思うように生やすことが難しいところが難点です。日照時間にかなりシビアな植物です。自分勝手に生えるときは簡単にはえるんだけどなあ。

2006年10月18日 (水)

フレンチマリーゴールドの花

Nec_0019_18 「大地の子エイラ」(ジーン・アウル著)という大好きなシリーズがあります。

舞台は氷河期が終わりかけてまだマンモスが闊歩するヨーロッパ。クロマニヨン人の少女エイラが、ネアンデルタール人の一族に拾われて育ち、滅びの道をたどるネアンデルタール人の知恵とクロマニヨン人の知性を兼ね備えた大地の女神のような存在へと成長していく、・・・・・わけなんだけど。

そのエイラの育ての親が、ネアンデルタールの薬師であり巫女であるイザ。イザのハーブや薬草の知識が凄くてね、彼女がそこらの草や木をを使って治療する描写を読むたびにワクワクしたものです。特にマリードールドを傷口の消毒薬としてよく使ってました。乾燥したマリーゴールドの花弁を熱湯に入れて煎じた汁で傷口を洗うと化膿が防げるのですと。

それ以来わたくしのマリーゴールドを見る目が変わったのでございました。しかし、最近になってそのマリーゴールドは実はポットマリーゴールド、要するにキンセンカのことで、通常”マリーゴールド”と呼ばれるフレンチマリーゴールドとは違うのだと知りました。(日本では仏花に使われるキンセンカは凄く薬効あらたかなんだぞー。消毒薬に美容に消化促進にサフラン代わりに料理の色つけに、使い道いろいろ)

なあんだ。

翻訳って難しいなあ。

ちなみにフレンチマリーゴールドも、虫除けにはなるそうです。

秋晴れ続き

Nec_0017_22 鹿児島地方は10月5日から一滴の雨も降ってません。異常乾燥注意報がでています。畑もがらんがらんに乾いています。

もっとも奄美大島のように給水制限がでるほどの深刻な事態ではないので、助かります。とりあえず蒔いたばかりの種が乾かないように、朝晩の水かけはおさおさ怠りないようにしています。7月の大雨と湿度は一体なんだったのでしょう?これではまるで雨季と乾季のよう。

さて、わたくし一念発起して、フレンチレストランのランチタイムの厨房にアルバイトに行く事にいたしました。うちの野菜と卵と乳を、おいしく料理するプロの技が欲しくなったのです。おかげさまで雇っていただけたのでありがたいことです。

人間の体は決して「いつまでも思う存分食べる事ができる」状態ではありません。年をとれば歯が弱り、悪くすると糖制限や塩分制限がかかり、胃腸が弱って消化力は落ち、嚥下すらかなわなくなる日が必ず来ます。最近そのことをつくづく実感します。「なんでもおいしく食べる事ができる食事をあと何回できるのか?」と思えば、もう一食足りともまずい食事をしたくありません。そして、家族や友人や周りの人たちにもまずいものを食べさせたくないです。「椿屋敷農園」にもしポリシーというものがあるなら「ローコスト・ローテクノロジーでおいしいものをおなかいっぱい食べる」です。そのための努力は惜しみません。

2006年10月17日 (火)

のだめカンタービレ・16巻

Nec_0018_21 牟礼ヶ丘の友人宅にアケビと卵を届けに行く途中、吉田麓のファミリーマートに寄りました。知る人ぞ知る山の中に忽然とあるファミマであります。そこでなんと「のだめカンタービレ・16巻」(二ノ宮知子著・講談社)がでているではありませんか!

即買いです。

16巻もむちゃくちゃおもしろかったです。ほんとにやるなあ!二宮氏。

16巻は、千秋が常任指揮者を勤めるマルレオケのメンバーの話が中心でした。ここで思ったのが「二ノ宮氏って”普通の人々”を描くのもうまいなあ」ってこと。

「のだめカンタービレ」の一番の特色は、「クラッシック界で活躍する、個性のきつい変人・変態の生態をあますところ無く描き尽くす」所にあるわけですが、16巻みたいに”普通の人々”メインの巻でもおもしろさはちっとも減る事がないのが凄い。

考えてみれば当然の事ですね。「ぶっ飛んだ変わり者」しかでてこないだけの話なら、「変わり者が普通」の状態になっってしまうだけで、結局は平板な話になってしまうでしょう。「極端な変わり者」の個性を際立たせようと思ったら、やはり「普通に日常生活を送る天才でも何でもない凡人達」もちゃんと描かないとね。

そういう意味じゃ、「マルレオケ史上最低の」今のメンバーは、音楽的な凡人である事は間違いないわけで。その凡人達が「専制君主・千秋」と「頑固一徹・コンマス」の圧政に苦しみながら<ウィリアム・テル>序曲をなんとかかんとかプロとして仕上げて行く16巻は、ある意味感動すら覚えましたよ。もちろん二ノ宮氏独特のお笑いティストはそのままなのによ!こういうセンスが凄くいいよな~。

オーボエの首席奏者になった黒木くんは、副首席とさまざまな確執を経ながらお互いに理解しあうようになるし、それと同時に人間的に成長していくし。男好きのターニャだってなんだか落ち着いて腹を決めてきた様子だし、黒木くんといい仲になりそうな予感だし。

次の巻は来年の2月発売予定ですか。待ち遠しいなあ。いつもkissは立ち読みしてるんだけど(すんまそん)、まとめて読むとおもしろさ3倍増!楽しみだなあ。

ところで、昨日の夜TV放映されたらしいですね。残念ながら9時には寝床につきましたよ。おもしろかったのかな?

2006年10月16日 (月)

ニンニクの芽

Nec_0016_21 今年の秋もニンニクの芽がでてきました。

¥100十球入りの中国は山東省産の食用ニンニクをばらして植えたものです。去年植えたニンニクがかなりうまくできたので、味を占めて今年もやりました。

中華とイタリアンが大好き!というはなはだ俗物なモノで、ニンニク大好き!です。いくらあっても足りないぐらい。でもこうやって畑に植えておくと、結構¥100ネットのニンニクを元に自宅の一年分ぐらいはまかなえるので、やめられません。ニンニクって植えてしまえばあとは手がかからないし。つくづく耕せる地面があるってありがたいなあ!

2006年10月15日 (日)

ナワシログミの花

Nec_0015_20今年もナワシログミの花が咲きました。

「年年歳歳花相似たり」でございます。去年の今頃この花を携帯で撮りましたが、また同じ花が咲く季節になりました。月並みですが月日のたつのは早いものです。

「歳歳年年人同じならず」という句が続くわけですが、確かに。去年のわたくしとはもう全然違います。特に今年は劇的な変化がありました。

去年の今頃、まだ鶏は地鶏くんご一家の五羽で、ヤギさんにいたっては、めーさん一頭(お腹の中にちびがいた)のみ。動物増えたなあ・・・・・。わが椿屋敷農園も、また去年とは全然違います。どんなにのろい歩みでも、着実にこのまま前に進んでいきたいものです。

キャラウェイの芽

Nec_0014_21「モノや恋人を引き寄せ引き止めるために、古代エジプトより使われてきた最強の魔法アイテム」キャラウェイの芽がやっとでてきました。今年苗で買った二株から取れた種を蒔きました。

「キャラウェイシードを混ぜ込んだ、噛むとほんのり甘みのする田舎パン」は憧れの食材なので、潤沢に使っても不足の無いぐらいにはなんとか種を採りたいのです。

んで、大事に大事にして9月秋分の日近辺といわれている種蒔き日を守ったのですが、なかなか芽が出ませんでした。そして今。

気象台の発表では、今9月中旬並みの温度だそうな。うううううん。今が発芽適温なのか。残りの種も今蒔こう。さっそく水に浸しました。人参なんかと一緒でセリ科の種は固くて細長くてなかなか水が染みませんので。

どうも、「9月植え」の種も、この温度だと大丈夫な様子です。

2006年10月14日 (土)

シャポーン鹿児島

Nec_0012_20 食いしん坊の方はご存知でしょうが、フランスでは去勢鶏(シャポン)がたいへんなご馳走なのです。

話題の「のだめカンタービレ・フランス留学編」でも、のだめに片思いするリュカが「シャポンの丸焼きも用意してあるから」と自宅のノエル(クリスマス)にお誘いしてました。そう、あちゃらでは去勢鶏は七面鳥以上の価値があるというわけ。

さすが太古の昔から肉食の民族はやることが違う。他に去勢牛もご馳走らしい。理屈では「雄性ホルモンが分泌されると肉質が固くなってしまうから、精巣を取り除いてやる事で柔らかく脂質にとんだジューシーなお肉になる」らしい。んで、鶏さんの精巣は体内にあるからそれを取り除く技術はかなり難しいらしい。

さあて、ここでお立会い!

なんと、わが鹿児島の二人の青年農家が、全国でもほとんどない鶏の去勢技術を確立したそうな!その名も「シャポーン鹿児島」!

やるなあ。

鹿児島は日本でも有数の農業県、豚、牛、鶏それぞれにおいて素晴らしい飼育技術をもっておるわけだけれど、さらに「去勢技術」ってのが確立されたわけです。これは凄いことだよ~。

だってね、「雄鶏って商品にならない」ってことで全国一億何千万羽という雄鶏が「廃棄」されてきたんだよ!もったいねえ!命と資源の無駄遣いもいいところです。古来から肉食民族だった連中は、こういう無駄を無くす技術を早くから確立していたわけだけど、日本人がおおっぴらに肉を食べ始めたのはは明治以降からだもんな。

「だからヨーロッパのほうが優れている」というわけじゃなくて、「肉食を始めたからには命の無駄遣いをしない技術を手に入れようや」ということ。わが故郷ながら「鹿児島って凄い」と思ってましたが、さらにさらに「凄い――――!」と思わせられたニューズでした。

2006年10月13日 (金)

ヴィンランド・サガ

Nec_0013_24 「北欧神話」「エッダ」「サガ」・・・・・大好きなんですよ。片目の大神オーディン、雷神トール、美と豊穣の女神フレイヤ、二頭立てのヤギ馬車に乗る天気の神フレイ、バルドル、ヘイムダル、裏切りの神ロキ、宇宙樹イグドラシル、アスガルド、ヴァルハラ、戦いの女神ヴァルキューレ、運命の女神ウルト・スクルト・ヴェルダンディ、ミッドガルド大蛇、地獄の番犬フェンりル狼、トロール、ルーン文字と魔法、そして神々の黄昏・・・・・。

世界の神話の中でも最も美しく、豊かなイメージを持つ神話であると思います。これの原本が発見されたのがアイスランド。最果てもいいところの北の島ですが、昔からヴァイキングが住んでたそうな。「エッダ」はヴァイキングの神話ですもんね。(武人の極致ともいえるヴァイキングの島アイスランドからほんのこの間駐留米軍が撤退して、世界で唯一軍隊の無い国になったのは歴史の皮肉というかおもしろさなのですが・・・)

「この世界観を誰か漫画化せんかなあ・・・ヴァイキングものって見てみたいなあ」と思っていました。だいたい海賊モノって洋の東西、時代を問わず見てみたい。例えば倭寇。例えばカリブ海海賊(これは「パイレーツ・オブ・カリビアン」でディズニーが映画化したか。まさしくマンガみたいな映画だった)。冒険心をくすぐるのよね。時代考証ははなはだたいへんそうだけれど。

というわけで、今おそらく日本で唯一のヴァイキングマンガ「ヴィンランド・サガ」(既刊2巻・幸村誠・講談社)です。たまげました。いつの間にこんなおもしろいの始めてたんだ!

幸村氏は「プラネテス」(全5巻・講談社)で名を売った人です。「プラネテス」あまり好かんかった。着想はおもしろかったんだけど、特に後半が青臭すぎて。

「ヴィンランド・サガ」の主人公はアイスランド出身のトルフィンという少年。無口で驚異的な戦闘能力を持つ彼は、父の敵のヴァイキング傭兵隊長アシェラッドのもとで使い走りをやっている。手柄の褒美はアシェラッドとの決闘の権利。

「少年を主人公にする」のは幸村氏の作戦勝ち。幸村氏は少年のパワーとかピュアさとかその分のバカさとか、描くのが抜群にうまいと思う。トルフィンがむちゃくちゃかわいい。バカなんだけどねえ。ほんでね、トルフィンが敵と付けねらうおっさんアシェラッド、こいつがまたいいのよ~。ノンシャランで、ヘラヘラしてる軽薄オヤジみたいなんだけど、知恵がまわるまわる。世間知ってやつ。しかも実は強い。いいねえこういうオヤジ

トルフィンに多大な影響を与えた父トールズは、それこそ雷神トールをそのまま人間にしたような偉丈夫で、最強の戦士で、にもかかわらず人間的にもできた男。アシェラッドとは正反対のタイプ。彼もなかなか魅力的なんだけどお人よし過ぎ。姦計にかけられてトルフィンの目の前で殺されてしまう。いかにも少年が好きそうな英雄。(ま、あたしゃこういうタイプはまっすぐ過ぎて苦手だけどね。トルフィンのお姉ちゃんのユルヴァがいつも文句言ってたのわかるような気がする。)

物語はまだ始まったばかりで、今アフタヌーンで連載してるんだけれど(週刊の少年マガジンじゃ無理だったらしい。さもあらん)、先が楽しみで楽しみで。久々のヒットでおます。アフタヌーンではアシェラッドの隊がイングランドに侵攻してて(いわゆるノルマン人の侵略ね)、トルフィン大活躍、しかもトルフィンと同年輩の超美形のイングランドの王子様が登場してたり、どうなるの?どうなるの?

ゆっくりでいいから、思う存分描いて欲しいな~。トルフィンがどう成長して、どんないい男になるのか見たいよ~。