椿屋敷のお客様

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2006年11月

2006年11月24日 (金)

墓所の花

Nec_0032_27 田舎にはよくあることですが、墓が歩いてすぐのところにあります。庭や畑の花を摘んでそのまま歩いていていって供えることができます。

そうなると特別信心深いわけでなくとも、まめに花を供えないわけにはいきません。なにせ30ぐらいある墓のほとんど全部、いつもきれいに花が供えてあるので。うちの墓だけ丸坊主や枯れ花にはしておけんでしょう。

こうやって「鹿児島県の生花の消費量は全国一」のわけを知ったのであります。そりゃあ、こんだけまめに墓花を替えたら花代を食うわなあ。夏場なんか半日も持たないのにやっぱり替えてあるもん。

そんな夏場に供えた、鶏頭やコーンフラワーなんかの”乾き花系”の種が落ちたらしく、墓所のあちこちで芽吹いて大きくなり鮮やかな花を咲かせてます。

全部、赤。派手だよ~~。

中には1mを越す草丈になっている株もあり、「畑に植えたのより生育がいいんじゃないか?」というほどです。「桜の下には死体が埋まっている」は有名なフレーズですが、もろにここは墓所、石造りでもいろいろと地下から吸い上げるものがあるのでしょうか?まあ、桜じゃなくて鶏頭やコーンフラワーなのが愛嬌といえば愛嬌なのですが。

2006年11月23日 (木)

パソコン

Nec_0031_25 パソコンです。

今月の初めに妹からもらった古いノートパソコンがお釈迦になり、大変な大騒ぎをして(いろんなところにご迷惑をかけながら)新しいパソコンに変えました。

新しいといっても中古です。

「車とパソコンは中古で十分」という主義です。というよりぶっちゃけた話お金がございません。

鹿児島市役所の近所に「中古パソコン市場・メディエーター」というお店が最近でき、「いつかお世話になるかもな」と思っていたら、そのいつかは結構早かった。

デスクトップ、キーボードとマウスつきで¥29800。OSはWindous2000Professional

出張があるサラリーマンではないし、狭いマンションでもないし、モデムにつなぎっぱなのでノートでなくデスクトップでよし。

このブログやって、少しだけ人様のページを見て、少しだけメールをして少しだけお絵かきする。それぐらいのことにしか使いませんので最新の機器などいりません。畑のあぜ道を走るのにフェラーリがいりましょうか?耕運機で十分です。容量があれば十分。OSがいかれても2000ならば中古パソコン市場が保証してくれる。

われながらその判断は正しかったと思います。作業が早い。画面がパパッと変わるのでうれしいです。

バッテリーⅥ

Nec_0026_22 「ふうう―――――っ!」

「バッテリー」(全6巻・あさのあつこ著・教育画劇もしくは角川文庫)を読み終わったとたんに溜め息が漏れました。

なんというお話だったことでしょう!さんざん小説やマンガで使い古された「野球」を使い、しかも甲子園には程遠い中学校。地方都市。それなのにこの斬新さ。躍動感。感動。

まったくもって物語というのは設定や世界観だけではどうにもなりません。キャラクターです。有機的に絡み合うキャラクターの性格や思惑やなにやかやこそが物語を動かす原動力となるのです。

それにしても、このほとんど少年ばかりがでてくるお話の作者あさのあつこ氏は、少年とは対極にいるある程度年齢の行った女性です。

母親なのです。

現実に男の子を育て上げた経験をもつ母親。

これは強いね~~。「バッテリー」シリーズを読んでつくづく思いました。ある程度文章やマンガを書く女にとって、「少年たちを描く」というのはすごく誘惑の多い衝動なんですよ。だいたい「いくらなんでもそれはないだろう?」といかにもな失敗に終わるんですけどね。男の作者が「理想の少女像」を描こうとして女からしたら「ケッ」と思わせる妄想に終始してしまうのと同じ。

これがさ、男の子の母親となって、現実に成長していくさまをつぶさに見てきたとなると、まあ、リアリティが違うわい。これからこういう作者や作品が増えてくるんじゃないかなあ

たとえば「ヒカルの碁」(ほったゆみ・小畑健著・集英社)。あのマンガが少年漫画の牙城少年ジャンプに殴りこみをかけてきたときにゃ~たまげましたよ。「碁」ですよ。しかも原作者は「お母さん」。それまでの少年漫画の作者とはかけ離れてます。ましてや少年ジャンプは漫画家志望の少年を10代から囲い込んで育てる虎の穴の草分けとして有名なところだったし。あくまで「お母さん」をやりながら地方都市からFAXでネームを送る。生活が一番でジャンプでの常識だった「一日3時間睡眠」とかは決してしない。でありながらあのクオリティ。

マスコミとか出版界とか、ほとんどが東京にあります。いっちゃあなんだけどちょっと狂った世界じゃないかな?地方都市や普通のご家庭とはまったくペースが違う。でも、日本のほとんどは地方都市で普通のご家庭なのです。本を読むのもそういう人たち。

たぶん、これから「ものを書く人」の中に「地方都市在住で普通の家庭生活をやっていて、子育てなんかも一段落したお母さん」が参入してくるのが増えてくると思います。

そしてそれは凄くいいこと。ガキにゃ~書けない世界を、見せてくれる人たちが増えるということ。

なんだかとても楽しみになってきたぞ。

2006年11月22日 (水)

ルッコラ

Nec_0028_23 口に入れるとほんのりゴマの香りがするハーブ、ルッコラが大きくなりました。というより大きくなるのが早すぎて、早く食べないと風味が落ちます。あせっています。

アルバイト先のシェフがオードブルによく使うので、買ってくださいました。ありがとうございます。もっと植えなくちゃ!

課題は冬場にどうやって発芽させるかと、収穫時期を必要な量だけうまいことずらしていくこと、です。何せ農薬も化学肥料もまったく使ってません。安全であることは間違いなし!

何よりうれしかったのは味のプロであるシェフが認めてくださったこと。きっちりした基準、物差しができたなあ。フレンチレストランのバイトはわたくしにとって一石三鳥も四鳥も、意味のあるバイトなのでありました。

しかし今回のやつは育ちすぎが問題。頭が痛いよ~。

バッテリーⅤ

Nec_0025_25 バッテリー(あさのあつこ著・教育画劇もしくは角川文庫)もあますところあと二巻。最初に読んだときは「あああ、もうあと二巻しかない。読み終わりたくない・・・・・でも、早く、早く続きが知りたい」とジレンマに陥りました。

このⅤでは巧と豪のバッテリーより、温厚だが鋭い突込みを入れる海音寺キャプテンと、天才スラッガー門脇と、その傍で「影の策士」であり続けた瑞垣、の三者の関係がクローズアップされてきます。

特に瑞垣の屈折ぶりがおもしろい!

門脇とは幼馴染で、誰よりも早く門脇が天才であることを見抜き、こと野球というフィールドにおいて余人では彼に追いつけないこと、「努力では超えられないものがある」ことを齢15にして骨身に沁みている男。もう、門脇のことを「愛しているんだか憎んでいるんだかわからない」状態にまで煮詰まっています。

瑞垣の不幸はここまで追い詰められながらも、それを表に出せないプライドがあり、しかも出さずともやっていけるだけの頭の良さがある、というところでしょう。

学校や大人たちの干渉を受けずに、自分たちの手で開催する「新田東と横手の試合」の企画の実現に海音寺と瑞垣は奔走します。頭の回転のいい瑞垣は、こういう社会性とか企画力とかに長けていて抜群に要領がいい。「自分の本心を表に出さずに要領だけで物事をクリアーする」ことに慣れきっていた彼に、一見天然ボケっぽい海音寺が要所要所で鋭い突込みを入れる。ここのところの呼吸がなんともいえずおもしろい。

結局、海音寺やそしてⅤのラスト近辺でお遊びで対峙した巧と豪のバッテリーによって、とうとう策士瑞垣の鉄壁のガードがほころび本心が垣間見えるのです。

「いとしい姫さん(巧)をめった打ちにして、マウンドにひざまづかせて泣かせてやる」と、いい続けた彼の本音は?

この口から生まれたような瑞垣と、舌鋒でいい勝負をするイガグリクリノスケこと吉貞もいい味出してます。

2006年11月21日 (火)

チワイチワイ

Nec_0027_19 お母さんのアロウカナ×烏骨鶏夫人のお腹の下から飛び出してきたひよこたちが、チワイチワイと走り回っています。その数13羽。

どうも彼女のお腹の下の収納能力の限界がここらあたりらしいです。どちらかといえば雌鳥としては小柄なのに、よくもこれだけの雛を抱えていられるものです。何か大きな音がしたり、影がかかったりすると、お母さん「クルルルッ!」と鋭い声で警報を発します。するとチワイチワイしていた雛たちがいっせいにお母さんのお腹の下に駆け戻ります。一瞬にして雛たちの姿は見えなくなり、極限まで羽をふくらかしたアロウカナ×烏骨鶏夫人が座っているだけになります。見事なまでの統制です。

生き物の生き残り本能とは、まことにうまくできております。

背伸び

Nec_0030_20 早いもので、チビ(ヤギザーネン種・女の子)が産まれてから8ヶ月、もうすっかりヤギお姉さんになってしまいました。お年頃です。まったくもって”チビ”などという名前をつけてしまう己のネーミングセンスのなさが憎い。

さすが「お乳を絞るために特化した」ザーネン種、いまだに少しづつですがめーさん(ヤギザーネン種・お母さん)お乳が出る様子です。チビは夕方になるとお母さんと変わらないぐらいの大きさになった体をかがめてお乳を飲んでいます。

ヤギ師匠のお話では、昔は「ヤギの種付けには18ヶ月から」だったそうですが、今の説では「6ヶ月を過ぎればOK」だそう。その伝で行けばもうチビは繁殖年齢になっておるわけで、実際発情期もきましたが、今年は見送ります。

もう少し受け入れ態勢も整えなきゃだし、なにより一番最初に産まれた子ヤギなので、少しでも安全策をとりたいのです。

木の若芽が大好きなチビ。いつも背伸びしては上のほう上のほうの芽を食べています。まだまだたんと食べて体をしっかり作っておくれ。来年は雄ヤギさんとデートだからね。

2006年11月20日 (月)

ツルウメモドキの季節

Nec_0029_22 街を歩けば、はやイルミネーションとモミの木、踊って腰振るサンタがお出迎え。クリスチャンなんてほとんどこの国にはいないと思うけれど、いいの1500年も前からなんでもありの国なんだから。

わたくしなぞもどこからみても仏教徒、朝一番に仏壇にお茶と仏飯をお供えする浄土真宗西本願寺派ですが、12月24日にはクリスマスケーキを食べます。生まれてこの方ミサなんか行ったことありませんが、鳥の丸焼きを食べます。丸焼きがなければゴテを。最悪フライドチキンを食べずにはおれません。信仰とはまったく関係なしのご馳走を食べる日なのであります。

聖書なんか読みませんが、クリスマスリースはおしゃれだと思うので作ります。ご存知のようにツルウメモドキはこの時期にちょうどいい按配に乾いて黄色い鞘をつけた赤い実をつける蔓草です。これでクリスマスリースを作ることが流行りだしたのはここ10年ぐらいのことだと思いますが、浸透しましたね~~~。よく見かけます。クリスマスからお正月にかけて値段の跳ね上がる植物のひとつです。まさか、こんなものがこんなに流行るとは、20年前には誰も想像してなかったでしょうね。

思ったとおりに自生させるのがなかなか難しい蔓草です。たまたま条件があえば頼まなくても生えて繁殖するのですが。鶴田町の建設作業員の方が苦節5年ぐらいかけてかなりの本数のツルウメモドキを栽培してらっしゃるという記事が毎年今頃南日本新聞に載りますね~。

幸いにしてうちの畑の奥に、たぶんなくなった祖父が植えたであろうツルウメモドキがよく繁茂している場所があり、今年もそれとアケビを使ってリースを作ろうと思っております。まことに畑があるということはありがたいことです。

バッテリーⅣ

Nec_0024_24 この巻で、「バッテリー(あさのあつこ著・教育画劇もしくは角川文庫)シリーズをもっとも児童文学から遠くする男」瑞垣登場。

天才スラッガー門脇の幼馴染でチームメイト。頭がバリバリに切れて、屈折していて、性格が悪い。新田東と横手の試合のときに、的確に巧と豪のバッテリーの弱点を見抜き、往年の野村捕手のようなつぶやき作戦で、豪の動揺を誘い、そこから巧も崩れ、生まれて初めてのめった打ちを味あわせてしまう恐ろしい男。

こういう男を児童文学で、しかも中学三年という設定でもってくるかあ?(笑)

しかも、その頭の良さとか能力に比して、瑞垣のおかれている状況はきっちりいまどきの中学三年だし(笑)。そのリアルさが「ああ、こんな頭のいい男がこんな状況に置かれてたら屈折するよなあ・・・」という説得力につながっております。

後半のバッテリーシリーズをもっとも盛り上げる男です。

そして新田東の巧や豪の同級生チームメイト、吉貞。こいつがまたただの気の強い野球少年ではなく、頭の回転の舌の回りも速い漫才男だということが判明。

瑞垣と吉偵のやりとりは一見の価値あり。爆笑すること間違いなし。

肝心のバッテリー、巧と豪は「恋愛の一番最初の時期が過ぎて、他人と付き合うことの恐ろしさがわかり始めた時期(笑)」に入ってしまった模様で、豪、思い悩んでおります。巧の球を受けることができなくなっております。どうなるんでしょう?バッテリー。

2006年11月19日 (日)

隙をみて

Nec_0023_19 肝っ玉母さんアロウカナ×烏骨鶏夫人、食うものもろくに食わずにひよこちゃんたちの上に座っています。

夕方のごはんをあげて、彼女が「どっこらしょ」と腰を上げたとたんに、お腹の下の10何羽かの雛たちがいっせいに「ピヨピヨチワチワ」と大騒ぎ!母さん下りかけた巣箱をまた引き返して「くるるるるっ・・・・・くるるるるっ・・・・・・・」と雛をあやす鳴き声を立てながら再び座ります。

どんな動物もお母さんってほんとたいへんだよな~。

写真は水を飲みに母さんが降りた隙に大急ぎでシャッターを切ったもの。

人影が巣箱の上に見えただけで血相変えて走ってくる母さんが帰ってくる前に何とか撮れました。もう何日かするとこの子達の行動半径が広がって、母さんもっとたいへん。走り通しになります。