椿屋敷のお客様

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2007年11月

2007年11月20日 (火)

砂の薔薇

1120_2 「砂の薔薇」(全15巻・新谷かおる著・白泉社)だあー―!

数多くの傑作を生み出した巨匠新谷かおるですが、この「砂の薔薇」が一番好きです。

「女だけの対テロ部隊CATディビジョンM」。もうこれだけでぐっとくる設定でしょ?隊長は美貌の日本人女性マリー・ローズバンク。彼女は夫と子供をテロによって殺され、自身も瀕死の重傷を負い胸に薔薇に見える手術痕が残ってしまったのです。テロリストへの復讐を誓って、強烈な個性を持つ部下達と世界中のテロ活動を阻止せんと大活躍しております。

部下達も女だけ。仕事のときは男顔負けのクールさとタフさを見せる彼女達だけど、女だもん、女ならではの悩みと苦しみをそれぞれ抱えもってるの。クールに見えて東ドイツから亡命してきた傷を持つ副官のヘルガ。戦闘機からヘリから乗り物なら何でもござれの男好きのアイリーン。孤独な元モデルの狙撃手デライラ。ソビエトから亡命してきた爆発物の専門家ジェシカ。明るいムードメーカーで料理好きで毒物の専門家のリン。元天才でドクターの称号を持つコリーン。多士済々であります。んで、新谷氏の奥さんは同じく漫画家の佐伯かよの氏なんだけど、この奥さんといい奥さんの交友関係といいかなりのモンなんだろうな(あの一条ゆかり氏も交友があるらしいから)、と思わせるぐらい女達の描きかたがリアル。なんかすごいよ~~~!

お話も一話一話もよく練られていて、「ううううむ!」とうならされる構成力と薀蓄のすばらしさ。

特に好きなのは「赤い星のガリル」。世界五箇所同時爆破予告がなされ、仕掛けられた爆弾は解体不能。パリやリオデジャネイロの爆発物処理班は解体に失敗して爆死。NYのエンパイヤーステートビルを担当するCATメンバーにも危機が・・・・・という、全編はらはらドキドキ。

その男達の専門職がお手上げだった爆弾を、マリーとその部下達は「いかにも女」な手段で解体していくの。小麦粉。サラダオイル。ボウルと泡だて器。秤。ティッシュペーパー。バケツ。マニキュアにドライヤー。ハンドクリーム。爆弾の解体作業なのにわくわくするよ。こんな台所用品と美容室用品で無敵の爆弾をどうやって解体したのかは読んでみて。

読んでみて絶対損はしない。これもそんな作品のひとつです。

ギャラリーフェイク

1120 というわけで、整理してたら出てきたぞ。「ギャラリーフェイク」全32巻(細野不二彦著・小学館)です。

1巻の奥付を見てみたら、なんと初版1992年。まだバブル崩壊の直後でジャパンマネーがも少しあった頃です。主人公の藤田もいきなりアタッシュケース満杯の札束もって登場してるし。1巻の藤田は悪そうだなあ~~~。

少年誌や青年誌には、いわば「ジャンルを問わないブラック・ジャック的主人公の系列」ってのがあって、

①主人公が金に汚い悪党(と見せかけた実は人情派)

②あるジャンルで世界的に通用する技術を持っている

③その技術を見込まれて世界中を飛び回っている

④基本は一話完結

という条件をみたすピカレスクロマンと見せかけた人情話が周期的に人気を博するのであります。たとえば「ザ・シェフ」とかこの「ギャラリーフェイク」とかです。

主人公が「その道の超プロフェッショナル」という設定なので、そのジャンルのオタク的知識が満載され、読者の知識欲も満足。「ギャラリーフェイク」も「美術界のあんな話、こんな話」が満載で、連載当初から「ほええええ!」と感心しましたが、バブル直後のど派手な話ばかりでなく、2005年まで続いた連載の中では「バブルの後始末の話」とか地道な話もたくさんあって好感が持てました。

主人公の藤田もなんだかんだいってホント人のいいおっさんで、連載当初は「あんたもう結構いい年なんだから、そんな突っ張らんでも」と思っていた性格もかなり丸くなり、ワインが熟成されるがごとく(といってもあたし酒飲めないんだけど)まろやかになってましたなあ。アラブの王族にしてギャラリーの助手、サラちゃんとは結局最後までキスだけだったけど。いつまでもほっとかないでちゃんと抱いてやれよ。

この手の話では、とにかく脇役が魅力的でないとどうしようもないんですが、その点も名手細野不二彦の抜かりはなく、一癖も二癖もある悪党や善人がてんこ盛り。特にお気に入りの脇役は「免許証からパスポート、パチンコの認証まで偽造なら何でもお任せのニンベン師」と、「出っ歯でちびすけ、国家公務員の名を持つ国宝オタク国宝Gメンの知念」「藤田以上にオタクはいってます。変態です。『世界の鼻』調香師のジャン・ポール・香本」です。

読んでて飽きない傑作だと思います。

2007年11月19日 (月)

ダンボール60箱分のマンガ

Nec_0034 ああ、ブログで公開するにはあまりにもお恥ずかしいこの惨状。

日置市の父方の実家に両親が引っ越すので、そこの倉庫にしまってあったマンガをこちらに持ってこなければなりません。

その量ダンボール60箱分!

今日はまだ20箱しかこちらにきていません。はああああ。

この膨大な量のマンガ本を収納するための作りつけの大型本棚も作らねばならず、やるこた山積み!!

でも、その本棚ができたら、これほど気持ちいいことはないので、がんばって作ります。

んで、これからそのマンガの整理がてら、しばらくマンガの紹介レビューが多くなりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2007年11月18日 (日)

花と実の相似形

1118 苗代を作る頃に実をつけるナワシログミの花は今時分に咲きます。

グミの木は実を食べた鳥に運ばれた種からどんどん生えてくるので思いもよらぬところでこの白い花がこぼれんばかりに咲いているのを見かけます。

だいたい植物のパーツは、「ああ、この種からこの芽が出てくるのね」「この花からこの実がなるのね」と見た目でも納得できるような相似形があります。たとえばナワシログミの花は、いかにもあの赤い実を成らす花だなあ、と納得できる容姿をしているのです。

まず、細長い。そして細かい点々が花全体に散らばっている。この点々はグミの実の皮にもあり、食べたときのザラリとした食感の原因にもなっています。もう花のときにこの点々はあるのです。

それがグミの生理上どういう働きがあるのかは知りませんが、なんらかの役割を果たしているのでしょう。

造化の神は生き物のデザインをかなり合理的に設計しているものです。「役に立つかどうかわからない」細かいデザインも、実は驚くべき役割を果たしていたりするので、ほんと、油断がなりません。

2007年11月17日 (土)

ノブドウの秋

1117 秋は「いかにも日本画になりそうな実もののオンパレード」な季節です。もっとも最近は夏が終わればいきなり冬だったり、冬が終わればいきなり初夏だったりする年が多くて、秋の情緒を感じる暇はほとんどなかったりするんですけどね。

秋の絵になる野の実の中でもノブドウは出色かも。なにせ実の色が七色。赤、青、紫、緑・・・・・。つややかで鮮やかな実がブドウによく似た緑の葉の影にたわわになってるんだもの。食べられないんだけど。

ノブドウの蔓は越年して、ものすごい太い蔓になったりします。これが木に絡むととても厄介。この蔓を切ると透明な水が滴ってきて、これが目薬になるそうで。山仕事の飲み水にもなるそうな。

目薬はまだやってませんが、飲んでみました。ちょっと青臭いけれどなかなかいけます。

あとノブドウ酒にすると、糖尿、肝臓病、関節痛にいいんですって。効き目はありそうだけれど、おいしくなさそう。

2007年11月16日 (金)

苦竹が攻めてくる!

1116 情けない話ですが、今年の夏のあまりの暑さで予定していた作業が滞り、畑もちょっと荒らしちゃったんですよ。んで、気候がよくなった今(秋がなくて冬になろうとしてるけれど)、辻褄あわせのように畑作業に励んでるんです。

それが、恐ろしいことに油断しているうちに苦竹にだいぶ攻め込まれてまして・・・・・・。

九州とか暖かくて竹が繁茂する土地で耕作してらっしゃる人はご存知と思いますが、この苦竹ってのは厄介なんですよ。知らず知らずのうちに地下茎を伸ばして畑に庭に最悪の場合は家の中にまで筍をはやしてくるんです。廃屋になった家が、この苦竹に攻め込まれて畳や屋根の上まで竹が伸びてるのをよく見ます。

それを防ぐには、ひたすら竹林を切って切ってきりまくり、地下茎を山鍬で掘って掘って掘りまくるしかないわけです。

というわけで、毎日少しづつ「チクショウ、ここにも根が・・・・・」とかぶつくさ言いながら苦竹の地下茎を掘り起こしてます。あと、伸びた竹は根気よく剪定ばさみで根元から切り倒して・・・・・・。

救いはヤギ達がこれを大好物だって事。竹はイネ科なので食べる食べる。よっぽどおいしいのでしょうね。これから冬に向けて草の勢いもなくなるし、竹を食べてくれるのは一石二鳥でありがたいこと。どんどんどんどん食べてくれ。

2007年11月15日 (木)

トマトの旬

1115 トマトは南米アンデス山脈の高地が原産地なんであります。なので本来は乾燥と冷涼な気候が適しておるわけです。

日本では夏野菜なのですが、そういう出自なので路地植えだと梅雨の時期によく病気が入ります。あまり実もならないし。特に去年、今年のような信じられないぐらい暑い年には、夏にはあまりならず、鹿児島だと今ぐらいの涼しさでしかも乾燥している時期のほうがよくなるし、味もいいと思います。

うちのトマトも今、どんどん実をつけてるし、夏の実よりおいしいです。といっても寒さにも弱いので、初霜が降りると枯れてしまうのですが。まだ初霜までは間があると思うので、それまでは甘くてジューシーなトマトを楽しむぞ!

2007年11月14日 (水)

アスパラガス

1114 アスパラガスってやつを植えたことがないんで、ものは試しと苗を植えてみたんですよ。

夏の間ほったらかしにしておいて、この頃ちらっとのぞいてみたら、あらまあ例の食べるところがちょこんと芽を出しているではありませんか!

なるほどこんな風にしてあの部分は出てくるものなのね。

それにしても、アスパラガス、摩訶不思議な野菜であります。夏の間にわさわさとしげる部分は馬鹿でかくて柔らかいスギナのようだし、例の食べるところはツクシのようだし。でも、アスパラガスはユリ科。シダ科のツクシとはまったくご縁のない関係。

ユリ科って・・・・・・?それも摩訶不思議。

2007年11月13日 (火)

教育ママ

1113 ニワトリってのは「庭鳥」だろう、というぐらい地面が好きな鳥です。

平飼いにすると日がな一日地面を引っかいて虫や種や何やかやをあせくっています。

その鶏の必須科目「地面掻き」を、雌鳥は実に熱心に雛達に教えます。「ここは虫がいそうな地面」と判断したら、「ココココ」と雛達を呼んで、一緒に地面を引っ掻きます。まず自分が力強くガガガガガッと掻いてみせ、「さあ、あんたたちもやるのよ!」ってな感じ。なかなか教育熱心。

また雛達もよく言うことを聞きます。今後の鶏人生で必要なことを全部教わってるのね。

2007年11月12日 (月)

新ヤギ小屋工事開始

Nec_0028 ヤギ小屋が手狭になったので、かねて念願のヤギ小屋工事に着手いたしました。もちろん元植木屋の父の指導を仰ぎながらです。

電気牧柵内に小屋を作れば、後はヤギ達が自由に出入りできるようになり、勝手に草を食べては勝手に小屋に戻るようになるので、人間にとってもヤギにとってもかなりのストレス減に。

とりあえず今日は棟を組んで屋根の骨を打ち付けました。この屋根にトタンを張り、下のほうはスノコ状に打ち付けていきます。冬場はベニヤ板とシートで覆って保温し、夏場は網戸用の網を張って蚊を防ぐようにします。

ほんとうはもっと早くに作りたかったんだけれども、今年の夏のあまりの暑さに、いろいろな予定がずれこんでしまっているのです。11月になってやっとしのぎやすくなり、体力も回復してきたので、ごそごそあれやこれやと動き回っている最近なのです。