椿屋敷のお客様

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2008年3月

2008年3月16日 (日)

猫のレストラン

Nec_0016 うちの猫どもは、いいかげんどちらもジジイなのでだんだんお外に出なくなってきました。寒かったり雨が降ったりすると特に。

どちらもたいへん上手なハンターなのですが、小鳥がたくさんくる春になってもあまり外に出ようとはしません。人間も猫もこうやって年をとっていくのね。

昔取った杵柄、いまだに家の中への鼠の侵入を許しはしませんが、どうも納屋の飼料置き場に出てくる鼠一家を獲る気はないようです。だんだん一家の頭数が増えてきたようで、ときどき「がさごそがさごそ、チューー!」などと気配がして「困ったことよのう」と溜息をついておりました。

ところがですね。世の中うまくしたものです。最近、この猫にとっては絶好のレストランのような場所に、見慣れない若いキジ猫がやってくるようになりました。結構通い詰めている様子で、わたくしが近づくとまるで浮気現場を押さえられた間男のような風情で(オスかメスかわかんないけれど)、こそこそと出て行きます。

そんなこそこそしなくていいのに。どうぞどうぞおいでくださいませお客様。うちの鼠はいきがよろしゅうございますよ。イキのいいのを存分にお召し上がりくださいませ。

こちらとしては最大限努力して愛想よく振舞っているつもりなのですが、まだまだ警戒心は解けません。いや、だからこっちも鼠獲ってくれればありがたいんだって。

どんどんお通いくださいませ、お客様。お待ちしておりますよ。

2008年3月15日 (土)

いくつかの空

Nec_0014 TVを見ないので柴崎コウは映画でしか見たことがありません。

「バトルロワイヤル」「GO」「案山子」「着信あり」ぐらいかな。「バトルロワイヤル」の鎌でクラスメートを殺して回る役がびっくり強烈で「凄い女優だなあ!」と。

「着信あり」は今ひとつピンと来なかったんですが、エンドロールでいきなりこの「いくつかの空」が流れてきて、このドスの利いた声の堂々たる歌いっぷりが柴崎コウ本人であると気づき、またまたびっくり。しかも曲がとても好み。

今回ベスト盤がでるので「いくつかの空」のミュージック・クリップを見ました。

自分でもびっくりした。泣いちゃったよ。

心が震えるほど感動してしまった。たった数分間の映像と音楽に。

日本のどこかの山村。靄がかかってはっきりしない空の下、風の音がする。「いくつかの空」のイントロが流れ出し、細い畦道の向こうから野辺送りの葬列が近づいてくる。木の棺を抱える男達。無表情に歩き続ける親族と思しき人々。全員が喪服。この地方の風習だろうか白い幟を何本も風にはためかせている。そこに血のように赤いニットドレスを着た柴崎コウ。

野辺送りの人々は柴崎コウがまったく見えない様子で黙々と通り過ぎる。つぶやくように歌い始める柴崎コウ。歌詞が盛り上がってくるとともに情感がこもり始める。このときの表情、身振りがとてもいいの。彼女を見ているだけで切なくなってくる。「そう、こういう風に人を愛したよな。これからもきっと愛するだろうな。」と思わせる。彼女のあのきつい意思的な目がそう思わせる。

にもかかわらず葬列はやはり黙々と通り過ぎ、後は白い幟だけが幻のように風にはためき消えていく。あの葬列は誰の野辺送りだったのだろう?あの棺の中には誰が納められていたのだろう?赤の他人なのか?それとも彼女がこれほど愛している人か?あるいは彼女自身なのか?

白い幟が消えたのは枯野かと思えば、柴崎コウがもう一度振り返ればそれは一面のコスモス畑。そして曲のクライマックス。

すでに歌を超えて祈り。何者へかはわからないけれども奉げずにはいられない切なくも強い、そして豊かなる祈り。

息を飲みました。

曲が終わると再び風の音。そして、コスモス畑の中の道を、振り向きもせず果てを目指して歩いて行く柴崎コウの後姿で終わるのです。

たぶんかなりの低予算で作られたであろう、ミュージッククリップ。はっきり言ってちゃちい携帯電話トリックホラーの映画本編より、桁違いに劇的でロマンティックで深い。そして柴崎コウの魅力を生かしきってます。一度ご覧になってください。http://www.gyao.jp/sityou/catedetail/contents_id/cnt0056452/でやってます。

2008年3月14日 (金)

供花

Nec_0012 さて、「宗教にも信仰にもまったく興味なんかない」などと嘯いていたはずなのですが、気がついてみれば朝一番に仏壇にお茶とご飯をお供えし、「南無阿弥陀仏」と唱え(うちは浄土真宗西本願寺派)、週に一度はお墓の花を替えております

これって客観的に見れば、かなり仏教徒ですよね~~(もちろん日本の大乗仏教ってことで)。

かといって教義を知っているわけでもなく、お経の一本も読めるわけでもなく、ただただ親の真似をしているだけで、御仏の心を理解しておるわけではありません。

つくづく、江戸幕府はうまいこと仏教をコントロールしました。なんの宗教的な熱狂もなく、日本の庶民は(あたしのことだ)土着的なアミニズムと入り混じった風習として仏教を飲み込んでしまいました。仏飯も仏花も歯磨きと同じ、習慣なのです。めんどくさいけれどやらないと落ち着かない。

春の彼岸がやってきます。今母方の墓を管理していますが、彼岸と盆には加えて父方の墓にも供花します。そうでないと落ち着かないのです。まあ、いいことだと思うんですけどね。

2008年3月13日 (木)

そよ風の誘惑

Nec_0011 オリヴィア・ニュートンジョンだったですか?いかにも春にふさわしい曲でございましたですね。

今日の鹿児島地方はまさしくこの曲がピッタシ!!BGMに流れ続けてるんじゃないかってほど気持ちのいいひでした。暑すぎず寒すぎず風もそよそよ。

最高!ビバ春!!

ま、やってることは布団干しと洗濯と掃除なんすけどね。

2008年3月12日 (水)

ヤブ椿

Nec_0007 椿には「ヤブ椿系列とユキ椿系列がある」と言われてまして、つまりヤブ椿は椿の原種なんであります。

原種が持つシンプルさと力強さを持った、大好きな花です。

日本列島の南半分の照葉樹林地帯に昔から自生していて、その葉の厚さと黒さが照葉樹林の暗さに一役買ってきました。鬱蒼と椿が群生している場所ってありますよね。なにか神が宿りそうな。花の時期には特に神秘的であります。

昔下宿していたお宅の裏が結構古い神社で、その裏山がヤブ椿の群生でした。花の時期にはほんとに「何かが宿っていそうな」雰囲気ばっちりで「なかなかロマンティックだわい」とほくそ笑んでいました。が、しかし最近の暑い夏のせいで、初夏にチャドクガが大発生して木が真っ白になるぐらい幼虫が鈴なりになってしまい、背筋がぞーっと寒くなりました。

「昔の人なら『天変地異、政変の前触れ』とでも言いそうだな」と当時思ったのを覚えています。

いまやチャドクガの大発生は珍しくもなんともなくなってしまいました。でも、今年は大発生してほしくないけどなあ。

2008年3月11日 (火)

夢の越前海岸

Nec_0008 聞くところによると日本海沿岸は越前海岸というところは一面の野生の日本水仙が咲くのだそうな。

日本水仙大好きなわたくしとしましては、「なんとまあロマンティック」と溜息なぞをつくわけですが。さらには今までの人生でほとんど縁のない「日本海沿岸」という響きが、「哀愁」とか「ノスタルジー」とか「無人の海岸にむなしく咲き乱れて揺れる水仙の物悲しさ」などというのを勝手に想像してしまい、ちょっと涙ぐんだりなんかしてしまうわけです。

想像と違ってたぶん観光地化しているのかも知れず、実は水仙シーズンには大いに賑わうのかも。どうなんだろ?一番いいのは水仙シーズンに越前海岸に行ってみることなんだけど・・・・・・・

でも水仙の時期は寒いんだもん。寒い時期に鹿児島から北上するなどわたくしには考えられません。

んで、想像の中の越前海岸は見果てぬ一面の水仙を揺らしていつまでもいつまでも美しいのです。

2008年3月10日 (月)

今年もハコベ塩の季節

Nec_0006 とかなんとか言っている間に今年もハコベ塩の季節がやってきました。

ここ2,3日の鹿児島地方は、ぐんぐん気温が上昇していよいよ春!「寒の戻りももうありません」と天気予報もいってました。ヤッホウ♪♪

暖かい春の雨のあと、見ればすごい勢いでいろんな草が大きくなってます。歯茎の薬のハコベもまさしく早春の草。あちらこちらで群落を作ってこんもり山のよう。あとはまたこれを集めてフードプロセッサーにかけて汁を絞って塩に浸み込ませて炒らなきゃ。

それで歯茎の妙薬ハコベ塩の出来上がり。

2008年3月 9日 (日)

本棚ちゃくちゃく

Nec_0005 さてダンボール60箱分のマンガを収めるべく、居間に床から天井までの作り付けの本棚を製作中であります。

現金なもので寒い間にはちっとも進まなかった工事が、昨日今日とたいへん暖かい春らしい陽気となったために、あっという間に下半分の段がつきました。

とりあえずここからマンガ本を納めていきます。

2008年3月 8日 (土)

麦糠おから混ぜ

Nec_0004 麦糠と上野豆腐店のおからを混ぜて、ヤギと鶏の餌にしています。ヤギは「ウガガガガッ」鶏は「ケケケケケッ」と大喜びで食べますです。

人間が食べてもおいしそう。ちょっと喉にひっかかるけどね。

2008年3月 7日 (金)

増えた産卵数

Nec_0003 前にも書きましたが、去年の夏から秋にかけて近所の施設の給食の残飯を鶏にあげていたら卵を産まなくなったんですよ。そこの給食は中国産の冷凍野菜ばかり使っていたんです。おお~こわ。

んで去年の末から「こりゃいかん」と切り替えて、近所の上野豆腐店の豆腐と麦糠と草を混ぜた餌にしました。

そしたら産卵数が劇的に増えましたです。

ううううむ。ここまでとは。数字として目の当たりに見せられるとショックであります。