夕べは今年の秋に鹿児島は指宿・白水館で開催される「全国山羊サミット」の準備委員会でした。全国からヤギ飼いさんたちが集合するサミットなのです。
鹿児島のヤギ飼いさんたち、鹿児島大学の家畜管理研究室、飼料会社、その他いろんな形でヤギに関わる方達が200人以上になろうというお客様をお迎えするための準備を進めています。世はあらゆる形のあらゆるネットワークに満ち満ちておるのだなあ。
と、ところでうちの庭の回りには苦竹という人間が筍として食べるには苦いけれど、繁殖力がすごくて庭に勝手に地下茎を伸ばしてきてじゃんじゃか生えてきて勝手に庭を竹林にしてくれる竹がわんさか生えているのですが、ありがたいことにヤギがこの竹の笹を大好き。「よく食べるから毒じゃないんだろう。竹はイネ科だしな」と考え、庭に生えてきた苦竹は片っ端から剪定ばさみや手鋸で切ってヤギにあげてます。「量をあげて大丈夫かな?」と懸念しておりましたが、ヤギサミットの推進者、ヤギの第一人者の萬田正治先生がもともと「鹿児島に豊富な竹材を飼料として活用する」研究をしておられたぐらいだそうな。こういう情報がはいってくるのでその道のネットワークというのは大事なんだよな。
安心。これで苦竹をじゃんじゃか切ってはヤギにあげて、それをウンコにしてもらって堆肥になるし、切った竹は植物の支えやらなにやらに使えるし一石三鳥にも四鳥にもなるぞ。
ラズベリーやブラックベリーなんかが属するバラ科キイチゴ属は、世界中で300~400種以上があるらしく、日本にもクサイチゴ以外にいろいろ仲間がいるらしいです。
(イチゴがバラ科ってのも『バラ科恐るべし』です。なんて繁栄してる仲間なんでしょう)
今時分に山の中を歩くと「ああ、たぶんこれキイチゴの仲間なんだろうな」といういろんな種の花が咲いています。カジイチゴとかクマイチゴとかナワシロイチゴとかいろいろあるらしいので、ちゃんと調べて区別できるようになろう!
キイチゴ属はヨーロッパ人の味覚に合っていたので、ヨーロッパの藪にわんさか自生していたブラックベリーやラズベリーを使ったプリザーブやお菓子や料理が発達しているわけだけれど、日本の山野にもそういう目で見たら使えるキイチゴの仲間が自生してるかもしれません。実際カジイチゴなんか昔は食べていたらしいし。気をつけていて実が取れたらジャムにしてみよう。
もっとも野鳥がたいへんキイチゴ属の実を好むらしいので(ごもっとも)、熟したらあっという間になくなることが多いんだけれどね。
うちの前の畑が毎年ナタネを植えていて、今時分は「いちめんのなのはな」になっております。
ナバナとして採り入れている気配はないので、たぶん菜種油用じゃないかな。どうだろう?今度おじさんに聞いてみよう。
菜の花、サトウキビ、トウモロコシ、ケナフ・・・・・etc.これらは今世界的にバイオエタノールの原料として買い占められ、刻一刻と値段がつりあがっているんであります。今年の二月に「ヤギサミット準備委員会」で萬田正治先生と飼料会社のバイヤーさんが参加されてました。その方達が異口同音に「今後、配合飼料の値段が上がり続け、配合飼料頼りの日本の畜産は遠からず立ちいかなる。」と警告されました。
現実に今年に入ってから農協の配合飼料の値段は上がり続け、それを反映して国産牛の値段は跳ね上がってます。牛も豚も鶏も日本の畜産は「輸入飼料が安い」という大前提の下に成り立っているたいへん足元の危うい産業なのです。このままだと何の肉であれたいへんな贅沢品になっていくことでしょう。(毎日肉食よりかえって体にいいかもしれませんが)
ラムズフェルドの圧力で、危険だとわかっていたタミフルを世界の八割買い占めてきたような日本政府。ましてや飼料用のトウモロコシと大豆なんかなら言われるままにごっそり輸入し続けてきたんだけれど、あちらさんはいざ不足となってきたら平気で輸出を打ち切ってくる国だと思いますぞ。
元来うちの庭と畑にはクローバーはなかったのですが、土を肥やしヤギを肥やすために、ご近所の自生のやつをモモ散歩の途中移植ゴテで掘り返しては畑に移植しています。
我ながら気の長い話です。
マメ科のクローバーは土地を肥やします。その上ヤギや牛に食べさせると乳の出がよくなるのです。まことに有益な植物であります。
ヨーロッパの伝統的農法に三圃制農業というのがあります。手持ちの土地を3つに分けて囲い、1.野菜や小麦などの作物、2.クローバーなどの牧草地、3・牛、馬、羊などの放牧地に使用し、それを順番に廻していくという手法の農業です。ヨーロッパ中世末期に開発されたこの農法こそが、生産性を飛躍的に拡大させ、その後のヨーロッパの発展を支えたのです。
というのもほとんどの作物には「連作障害」があり、同じ土地で同じ作物を作り続けると必ずその土地が痩せたり病気が入ったりしてしまうのです。三圃制農業はほとんど労せずしてしかもコストをかけずにこの問題を解決した画期的な農法でした。
その後化学肥料や農薬の発達で、この農法は時代遅れとされてしまったのです。しかし農業国フランスなどではこの農法のコスト安やリスクの少なさ(薬を使わない)のすばらしさが見直され復活しているそうです。日本の有機農法の基本の考え方もこれですよね。
まあ、うちの農園もささやかながら長く細く豊かに使いたい土地なので「散歩の途中にひっこやしてきた1株か2株のクローバーを三畝の畑に1、2箇所づつ植えていく」という、地道すぎる方法でも「何年か続けて必ずクローバーの牧草地に」したいと思うております。
タラノキはひょーんと一本幹が棒のように延びて上のほうで傘のように葉が広がるのですが、うちのタラノキの元木は大きくなりすぎて2m以上上で傘を広げますので手が届きません。
いつも頭のはるか上でおいしそうな若芽が伸びていくのを、文字通り指をくわえて見ています。
しかし、よくしたもので毎年元木の周辺の地面から小さなタラノキが続々芽を出してくるのです。ありがたいことです。いつもここからタラの芽をちぎっています。翌年のために全部をちぎりとらないよう注意深く残します。
庭から採りたてのタラの芽のてんぷらはおいしいもんな。贅沢贅沢。
しかしヤギにもこれはおいしいらしい。人間がこれほど注意深くタラノキ様を大事にしているのに、タラノキのところに頭を突っ込んできれいに丸坊主にしたりしております。油断も隙もない。贅沢品にはライバルが多い。真理。
野ではカラスノエンドウやスズメノエンドウが花をつけ、畑ではソラマメやエンドウマメがはや花をつけています。いろんなマメ科の植物が花盛りです。
野生も園芸種もマメ科植物は一目見ただけで「あ、豆の仲間だ」とわかる独特の感じがありますね。だいたいがツルを持ち、奇数羽状複葉か3出の丸っこい葉を持ち、花の形もみんなエンドウに似ています。莢ができて中に豆ができるのも共通。たいへんかわいらしい。「ジャックと豆の木」のジャックが思わず登りたくなるのもわかるというものです。あれが他の植物、バラ科とかだったら絵にならない。
かわいらしい上に実が人間の食用になるものが多く、茎は家畜の飼料に、さらに根に地中の窒素を固定する根粒を持っているので、植えるだけで土地を肥やす、という人間にとってたいへんありがたいマメ科。
古来からそこのところいろいろ感じるところがあったのでしょう。節分に大豆をまいたり、お祝い事に赤飯を炊いたり、大豆や小豆に魔除けの意味があるのも無理からぬところです。
なにより食べるとおいしい。
そろそろうちもインゲンとエダマメと落花生を植えなくちゃ。
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