椿屋敷のお客様

薬草・ハーブ Feed

2007年3月23日 (金)

ツクシ

Nec_0001_30 いやはや土手の上にツクシがでておりました。春でございます。

「土の筆」とはよういうたもので、ツクシは筆に似ております。形はなかなかにラブリー。だいたいスギナと同じ植物なのが信じられん。ツクシがにょきにょき生えてきて「かわいいな」などと油断してはなりません。こやつらはとんでもなく強い。

あれよあれよというまにわんわんスギナが生えてきて、またこれが根が強いので引き抜くことができず往生する羽目に。

スギナが栄養確保担当、ツクシが繁殖担当なのだそうです。つまりツクシが生えてきたらそこから確実にスギナが増えるというわけですな。やれおそろしやおそろしや。

まあ、ツクシは春の味覚と言えんこともないですが。「うまくてうまくてたまらん!」というほどではないような気も。スギナのほうは全草を乾燥して利尿薬になるそうです。

2007年3月17日 (土)

ツワブキ

Nec_0042_13 。薩摩人にとってこれまた「ご家庭の味、ふるさとの味」ツワでございます。

どうやら北日本以外なら生えているらしいツワブキですが、鹿児島以外で食べるという話は聞きませんね。どちらかというとよそで聞くのはフキですね。フキノトウとかよく食べるらしいですね。

「フキを食べるんだったらこっちも食べりゃいいのに」と思いますが、どうなんでしょ?もし県外の方でツワブキを召し上がるという方、どうやって食べるのか教えてください。

鹿児島じゃ葉のところからぺキッと折ってそのまま茎の皮をむき(このときアクで手が真っ黒になる)、佃煮風に甘辛く煮たり、フキみたいに薄口で上品に仕上げたり、そのまま煮しめに入れたりします。今からがシーズンで、筍が出てきたら筍と煮たり。まったくもって季節のものです。くせが強いけれどだからこそおいしいのです。

2007年3月16日 (金)

ミント

Nec_0044_9 ハーブってのはたいがいがそうですが、「ヨーロッパの野草」なわけです。野草だからして地質、温度、湿度、日照、などの条件が合うと手のつけられないぐらいはびこります。

18年前に亡くなった祖父が、何を思ったかミントを植えて、それが条件がよかったらしくいまだによく茂ります。地下茎がかなり張っているらしいです。お菓子とかに使うわけでもなかったのになあ。なに考えてたんだろうなあ?

案の定、これも亡くなった祖母が「こげな臭かもんを植えて、どげんしやっとな?!」とぶーぶー文句をたれていたのを覚えています。

まあね。ミントは匂いがしますね。嫌いな人には臭いだろうなあ。夏などそこの一角は頭の芯がくらくらするほどミントの匂いが立ち込めるのです。

わたくしは好きな匂いだし、なによりかによりお菓子の飾り付けには必要不可欠だし。「植えてくれといてありがとう、おじいさん。」と今年も芽吹いてきたミントを見るたび亡くなった祖父に手を合わせるのでありました。

2007年3月14日 (水)

アケビの苗¥980

Nec_0043_13 毎度おなじみ鹿児島市吉野町近辺の園芸者御用達「ホームセンター滝の神」で、アケビの苗の鉢植えが¥980で売られていました。

結構いい値段ではありませんか!

ブルーベリーやブラックベリージューンベリーなんかの鉢と同じ値段です。アケビなんかそこらに嫌というほど生えているんだけどな。

ただ「野生のものを管理しやすいようにする」ってのは「園芸種を管理する」のとは段違いの難しさです。うちの近所はそこかしこにサルトリイバラ(カカランハ)が生えているのだけれど、どうも「思ったところに定植する」ということができません。日照条件や地温や湿度やその他の条件がなかなかに合わせづらいのです。

アケビにしても、うちの畑ではうんざりするほど生えてきて、ヤギさまがたに食べていただくしか手が無いぐらいなのだけれど、これを「鉢に定植させる」というのはきっと難しいんだろうな。だからこその¥980という値段なのでしょう。

まあ、考えてみればブルーベリーやジューンベリーにしたって、ヨーロッパじゃ藪の中に自生してブッシュを作っている野性なんだよな。ちょっと舶来だ、というだけで植物としての本質はアケビとそう変わらんのかもしれん。

2007年3月 8日 (木)

山椒の芽

Nec_0034_24 山椒の芽がもう出ています。

きれいな薄緑のかわいらしい芽です。山椒はミカン科のくせに落葉するんだよな~~。もっとも、その落葉のおかげで瑞々しい香りの春の新芽がでてくるわけですけどね。

あとは筍待ちじゃ~~!!

2007年2月23日 (金)

ユリの芽

Nec_0005_23 ユリの芽がでていました。

こんなところにユリがあったこと忘れていたよ。気がつけばそこらじゅうあちらこちらから出ていました。もう少しで踏んでしまうところだった。

こういう多年生の球根は、まるでそんなものは存在しないかのように地面の中で眠っていて、季節が来れば時限爆弾のようにスターターが押されて芽が出てきます。不思議だよなあ・・・・・・。

耕して植えることができる地面があるって本当にありがたいです。

2007年2月20日 (火)

ワイルドストロベリーの花

Nec_0002_33 暖かい日が続くせいか、はやワイルドストロベリーにわんさか花が咲いていました。早いな。

今年はわんさか実をつけて、プリザーブやジャムにできるぐらいになるといいな。タルトにいれたりフランボワソースにしたり、ってね。もうあいかわらず取らぬ狸の皮算用だけは大きく膨らんでおります

めーさんのお乳が出だして、ヨーグルトができるようになるころイチゴがいっぱいなってるといいな。イチゴヨーグルト三昧の日々。想像するだけで口の中が甘酸っぱい。

もう少ししたら油粕をやろう。

2007年2月19日 (月)

梅の香

Nec_0043_12 この間一輪咲いたかと思っていたら、すでに梅は満開です。早いところではもう散り始めています。

今時分、ちょっと田舎だとそこらじゅうに紅梅や白梅が直立したり枝垂れたりしながら咲いています。色がついていなかった冬に、春の訪れ。それにしても今年は暖かいなあ。

梅の花はいい香で、寒さが少し緩んだ空気の中に漂ってきます。かすかで優しい香だよなあ。どちらかといえばこの香だけでも桜より梅のほうに軍配を上げたくなりますです。

好きな井上靖の小説「額田女王」の中で、額田女王が初めて大海人皇子と夜を共にするとき、梅の花が満開という設定でした。「梅林を見せてやる」といって、ほとんど拉致同然に馬に乗せられて連れて行かれるんだよな。

「井上靖って、どうしてこんな女心を鷲掴みにする話を思いつくの!!」と叫びたくなるような夜の描写で。大海人皇子も中大兄皇子も溜息がでるほどカッコよかったです。「こういう皇子二人に愛される女の話を書こう」と思いつくところが、すでに尋常な日本男子のおじさんじゃないと思います。

今、NHKの大河ドラマで「風林火山」をやってますが、どうせやるなら「額田女王」をやって欲しかった。山本勘助よりこっちだと思うけどな。

2007年2月18日 (日)

ハコベの春

Nec_0040_12 まだちょっと寒いけれど、いつの間にやらハコベはびこる春がやってきているようです。畑や土手には鮮やかな緑色のハコベがほこっています。いい色です。

このブログでは再三「歯茎の薬・はこべ塩」を紹介しております。今年もハコベ塩を作りますよ~~!!

ハコベはどこにでもある草なので、どうぞ歯周病が心配な方は使用してみてください。作り方は簡単で、ハコベの全草を採ってきてミキサーにかけ、その緑色の汁とミネラル入りの海塩をフライパンでからからになるまで煮詰めるだけ。そのからからの緑色の塩を、歯ブラシにつけて普通に磨きます。これで、実にさっぱりとしてなおかつ変な薬剤の入っていない歯磨き粉「ハコベ塩」のできあがり。

昔は「青汁を塩と共にアワビの貝殻に入れて焼き、乾けばまた青汁を加えるということ7度に及ぶ」のだったそうな。アワビの貝殻で焼いたって。それはまた効き目がありそうだなあ。いや、でもフライパンで充分効き目がありますですよ。

2007年2月17日 (土)

蓬生

Nec_0039_14 早いもので今年もすでにヨモギの新芽がでています。草もちを作れということでしょう。

ヨモギはぱっとしない見栄えの上に臭いもきつい、夏には2m近くになり、ぼうぼうと生い茂って家を荒らすのですが、万病の薬。ざっと見ただけでも喘息に、健胃・貧血に、腰痛・腹痛・痔の痛みに、下痢止めに、もんで血止めにといろいろな薬効があります。

こういうところが源氏物語の「蓬生」のタイトルに使われたんでしょうね

ご存知のように「蓬生」は、明石に流された源氏の足が途絶えたために、窮状に陥った末摘花のお話です。たいへんリアルな生活苦が描かれていて紫式部おそるべし。「ほんと身も蓋もねー作者だよな」と思わされる章であります。しかし、たいへん好きな章でもあります。特に末摘花の屋敷の、軒まで延びた蓬と門に絡みついたヤエムグラの描写はすさまじい。とにかく家に雑草をはやしてはいかんのだと、すでに平安時代の人も知っておったわけですね。

この章のラストで、やっと末摘花のことを思い出した源氏によって窮状を救われ、めでたしめでたしとなるわけですが。性格はいい人なんだよね。でも、やることなすことトンチンカン。泣いてばっかりじゃ普通問題は解決せんだろう。と、何度も突っ込みたくなることしきり。「そう見えて実はヨモギ並みにしぶとい人だった」という話かな。