椿屋敷のお客様

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2006年2月

2006年2月23日 (木)

アオキの実

Nec_0010_8 アオキの実がなってます。

アオキは「青木」で、葉も青いが枝も青い。常緑で木全体が真っ青な上に、冬場に真っ赤な実がなるのでたいそう色合いが美しいです。その美しさを買われて普通のアオキも斑入りアオキも、よく玄関口に植えてありますね。

江戸時代にやってきたヨオロッパ人(ドイツ人のケンペル)は、あまりに美しいその色合いに感動して国許へ持って帰って植えたそうな。でもさっぱり実がならなかったそうな。なんなればそれは全部雌木で、雄木が無かったからなんだそうな。くうううッ。「知らん」ということは時にたいそう罪作りなことでありますな。日本の金木犀が雄木しかないのもたいへんかわいそうですが、ヨオロッパのアオキが雌木しかなかったのもかわいそう(わたくしは男子校・女子校断固反対論者)。

明治になってさらにヨオロッパ人(イギリス人のフォーチュン)が、アオキの雌木を探しにやってきて持ち帰り、百数十年後にやっとヨオロッパのアオキに実がなったそうな!!

良かった良かった(涙)。

葉をヤケド・凍傷・はれものの薬に使います・

奈良の吉野洞川の歴史ある胃腸薬「陀羅尼助(ダラニスケ)」には薬の色付けに葉のエキスが使われております。そういやあれ、青々としてるもんな。

2006年2月22日 (水)

スミレの花

Nec_0002_10 スミレの花でございます。

「スミレのは~な~咲くころ~♪」は、まさしく今なわけですね。

実は「タカラヅカ」というものを今まで一度も観たことがなく、関西にいるうちに一度は観たかったなあ・・・と思っています。

「ヅカファン」というのは凄いですよね。ざっと数えるだけで友人知人の中にへヴィーな「ヅカファン」は片手に余ります。

そのへヴィーなヅカファンの姉妹が、鹿児島でもう十年もミュージカルの公演を続けています。「エルフシアター」という劇団です。市民文化ホールとかで公演しているので、ご存知の方もいらっしゃるのでは?

今度の4月1日(土)の19:00から「The wolf」というタイトルで公演します。みなさまおいでくださいませ。

Nec_0008_13 日時:平成18年4月1日(土)

18:30開場 19:00開演

場所:サンエール鹿児島

入場料:高校生以上1,000円

問い合わせ:エルフシアター

099-244-1044(隈元)

形見のカラー

Nec_0007_8 去年の秋、たいへん尊敬するご婦人が亡くなりました。

御年90を過ぎてらっしゃったので大往生には間違いないのですが、やはり残念でした。「耕せる土地があるのなら、耕しなさい。作れるものを作って世の中に出しなさい。それが持てる者の勤めです。恨むヒマも嘆いているヒマも人生にはありませんよ。」

スケールの大きい方でした。でもやることは細密。150坪ほどのお庭に、季節の花々と野菜を作ってらして、おのれの足の立つ限りおのれの手で草取りをされ、剪定をされました。そしてその花や野菜を知る限りの人々に配っておられました。

「これか!!」

揺すぶられましたね。根底から。

その方が亡くなる前に、カラーを株分けしていただきました。カラーもだい好きな花なので大喜びでいただいて、外の流しの傍に植えていたのですが・・・・・

モモ(紀州犬雑種・5歳・女の子)の引き綱がひっかっかってしまい、地上部の葉が吹っ飛んでしまいました。

ああ・・・・・っ!どうしよう!!

・・・・・・良かった・・・・・。春になってまた新しい芽が出てきました。ホッ。5cm直径の竹を何本も廻りに厳重に打ち込んで、保護しました。これで安心。

「まったく、ちゃんと先を読んで行動しなさい!詰めが甘い!」

あの方の声が聞こえるようです。

2006年2月21日 (火)

菜の花の芽

Nec_0006_8 去年は畑の一番奥に菜の花が大量に自生していて、三月のシーズンには、菜の花のちらしずし、菜の花の辛し和え、菜の花の漬物、とにかく菜の花食べ放題でした。食べても食べてもでてくるし。

今年は夏から先そこを藪にしてしまったため、あんなにたくさん生えてきた菜の花がほとんど生えてこない。「あああ~、やっぱりちゃんと手入れしないとだめだ。土地神様は見ている~。」と菜の花だい好きなわたくしとしてはたいそうがっくり来ていたのであります。それで遅ればせながらヤギ三頭にお願いして、「よろしく除草お願いいたします」とばかりに、奥につないで置いたのです。(他力本願だなあ)

おお!!

さすが、ヤギ大明神の効果。

ひとかたまりの菜の花の群生が出てきていました。

この時期の菜の花って、「あれ、ちょっと芽が出てきたな・・・」と思ったら気温の上昇とともにたいへんな勢いで「うわ、葉がこんな大きくなってきた」「なんだこれ蕾か?」「うわ、そこら中黄色い!早く喰わないと全部が花に!」と、成長していきます。何はともあれ、これで三月三日の菜の花ちらしは大丈夫じゃ。

朝霧の竹林

Nec_0004_10夜中降り続いた雨が上がると、竹林には朝霧がかかっていました。

ヤギたちに ヒマラヤのピンクソルトを送ってくれた東京の妹は、建設コンサルタント会社で都市の再開発計画をやっています。もうかなりえらいさんらしいです。

その妹が十年以上前から、「市町村合併」と「道州制導入」を言ってました。はっきしいって歳入80兆円足らずに借金800兆円近くという、「もー破綻するでしょ。どうなる日本?」という状態になっちゃって、今までみたいな中央集権は無理なワケですな。「めんどうみきれんから、あんたら自分とこで好きにやって。」と、国は地方を放り出そうとしておるわけです。「市町村合併」が着々と進んでおります。間違いなく次は「道州制導入」。(つまり「県」という行政単位を解体して「北海道」とか「九州」とかにしちゃうわけ)。

ま、ええことやん、と思いますけどね。国は金で地方の自然や文化や歴史や資源を吸い上げ続けてきました。そのヒモがどんな形であれ切れれば、さっぱりすることでしょうよ。その心積もりで色々準備はしとかんないかんですが。

なぜ、「朝霧の竹林」からこの話になるかというと、もし行政単位が「九州」になったときに、これやれたらいいなあ・・・、と思っていることがあるのです。以前に「セイタカアワダチソウ」のエントリーで書きましたが、

「ジャイアントパンダ様に九州の竹林で繁殖していただく。」

です。

ご存知のように「ジャイアントパンダ様の動物園でのお世継ぎ作り」というのはほとんど成功例がありません。残念なことに。しかし、それこそシロウトが口をはさむことではないと思いますが、「本場秦嶺山脈の野生のジャイアントパンダ様」と「動物園のジャイアントパンダ様」というのは「これが同じ動物か?」というぐらい野性味が違うと思うのですよ。

野生のジャイアントパンダ様は、ぬいぐるみとはかけ離れて薄汚れて、目つきはギラギラしてヤクザのよう、動きはすばやくて襲われると大怪我をします。やっぱね――。こういういかにも「ケダモノ」な状態のほうが繁殖はうまくいくんでしょうね。だから、もし今後ジャイアントパンダ様を中国政府より寄贈されることがあったら、動物園で飼育しないで、広大なる宮之城あたりの竹林に放し飼いしたほうがいいんじゃないですかね?ちゅうか、もし「九州庁」になったら、せっかく中国と最も近い位置関係なんだし、中央政府を通さないで仲良くして寄贈してもらったらいいんじゃないですかね。(ヤスクニは九州に無いから不毛な論争しなくていいし。九州にあるのは大宰府天満宮じゃん)

「同じ食肉目クマ科の九州のツキノワグマが絶滅寸前だというのに、何をあほなことをいっておるか!!」とお怒りの方もいらっしゃるでしょうが、ツキノワグマもねそういう「ゆるやかな保護」ができる体制にするんですよ。「中央のヒモ」が切れたら、ダム建設だの道路だのそういう公共工事が無くなるし、ゴルフ場なんかも採算とれなくなるし、そうなると回復力の早い日本の(とくに九州の)自然はあっという間にもとの照葉樹林に戻ると思うけどなあ。

その自然を大事にして、出水が鶴で世界的に有名になっているように、ツキノワグマだのジャイアントパンダだのを大事にして「売り」にするのは(言い方いやらしいけど)、「九州」の道が開ける一番いい手じゃないかと思うけどなあ。

2006年2月20日 (月)

ヒマラヤのピンクソルト

Nec_0001_10 東京の妹から「ヤギさんへのプレゼント」と称して、ヒマラヤ山脈から採れたピンクソルト(岩塩)が届きました。

ありがとう!!

早速あしたヤギたちにあげて感想を聞いてみます。

ピンクソルトは岩みたいに固い結晶で、宝石みたいにきれいです。

人間の食べ物にも使えるそうなので、台所にも少し置いとこう。洋物の料理は岩塩のほうがおいしいことが多いのです。パスタやグラタン、オムレツなんかも全然違う味になります。

オオバコ

Nec_0038_9 オオバコです。

舗装してない道路ならどこにでも生えているおなじみの草です。全草を「車前草」、種子を「車前子」といい、咳止めや利尿剤に使います。葉ははれものの湿布に使うと。

この生薬名の「車前草」とか「車前子」とかいう名前を見るたびに、「ああ、この名は中国から来たんだなあ・・・」と思いますね。

日本の歴史では、平安時代の一時期だけ牛車を使っていましたが、それ以外に「馬車」とか「牛車」とか「下部に車軸と車輪をつけた箱を、人力以外の動力で動かす」車を「人間の移動に使う」という文化は発達しませんでした。せいぜい農作業用やごく一部の輸送用の車に使われた程度でしょう。今や「自動車王国日本」となってしまったのですがその歴史はたいへん短いのです。

比べて中国は、すでに殷・周時代には簡単な馬車が存在し、司馬遷の「史記」など読むと、戦国時代にはあらゆる思想家だの食客だのが、馬車に乗って広大な中国大陸を縦横無尽に駆け巡っています。ざっと考えても3000年前には馬車とそれが走るべき道路が、存在しておったわけです。日本はまだ縄文時代もいいところなのに。まあ、それでは「東倭(東の野蛮人)」とか言われても仕方なかったかもね。(その黄河文明がやりすぎて森という森を切り倒して荒れ果てた黄土高原にしてしまったのだから、どっちが良かったかはわからんのですが。)

とにかく「車」とうものにたいへん古くからなじんでいる文明でないと「車前草」とか「車前子」とかいう言葉はでてこないでしょう。この「車前」という言葉で連想するのは、史記の中でさんざんでてくる「車裂きの刑」。両手両足を縄でくくってそれぞれ4台の馬車か牛車に繋いで、罪人を4つに引き裂いてしまうというあれ。怖いよ――。日本人はその手の車を持たないので、その発想はでない。だからより恐ろしく感じてしまう。

もちろん「どちらが残忍な民族性か」などというくだらないことをいうわけではなく、「言葉」とか「文化」とかはベースとなる社会の持つ技術(文明ってやつかい)に大きく影響されるものなのだなあ。といいたいわけであります。

2006年2月19日 (日)

ヤギ用ペレット再び

Nec_0037_7 ヤギ用ペレットの二袋目がきました。三頭に増えた上にめーさん(ヤギザーネン種・1歳・女の子)来月出産予定なので、栄養が必要なのです。

ヤギ協会会長いわく、「ヤギは賢いけれどバカだから、ペレットの袋がどこにあるかすぐ覚えて(これが賢いところ)、勝手に際限なく全部食べてしまうから(これがバカなところ)用心したほうがいいよ。ペレットを食べ過ぎると消化不良で死んでしまうこともあるからね。」などと恐ろしいことをおっしゃるので、めーさんが見つけても簡単に袋の中に首を突っ込んで食べられないように(実際油断してると肩まで袋に突っ込んで貪り食っております)、そのつど厳重に袋の口を締めるようにしています。でも、ちょっと自由が利くとあっという間にペレットの袋にかけ寄っていこうとするので油断はできません。袋の口が閉まっていても、根気よく袋をびりびりに引き裂いたりするし。

馬酔木の花

Nec_0036_8 庭と畑を巡っていたら、西南の隅に馬酔木(アシビまたはアセビ)が咲いておりましたよ。

こ、こんなところに馬酔木の木があったなんて、今の今まで知らなかったよ!しかも結構でかい木なんである。ぐわあああ~ん。

改めて自分の観察力がザルであることにショックを受けたのでありました。そして、それほどだだっ広いわけでもない庭とか畑とかが、わたくしなんぞの感知しきれない、数え切れぬほどの生物達の営みによって成り立っているのであるなあ・・・と、さらに思い知らされましたですよ。「自宅半径100m圏内」のことしか書かない(書けない)この「椿屋敷農園」ですが、その「半径100m圏内」のことも、まだまだほとんど把握しきれてないんだなあ。世界って見ようによっては、とんでもなく奥が深く広いんだなあ、となんだか嬉しくなってきたのでした。

というところで馬酔木なのですが、この木はすでに「万葉集」にもバンバン出てくる、日本に古くからある木なのです。かわいい釣鐘型の白い花がたわわに垂れる、ぱっと見品のいい木なんですがね。

毒があるんですよ。アセボチンという。

馬酔木の名前の由来は、これの葉っぱを食べた馬が、酔っ払ったみたいに立てなくなってしまうところから来たんですわ。だから絶対口に入れちゃダメですよ。なんせ葉は殺虫剤に使うというぐらいのしろものですからね。

毒物ってのは案外身近に多いものです。庭や畑や山には、「これちょっとやばいんだよね~」(もちろん法に触れとるわけじゃありやせんぜ)というものが生えているものなのです。身を守るためにも知識は必要なのです。

2006年2月18日 (土)

電気ストーブ

Nec_0035_10 つねづねぶつぶつ言ってますように、寒がりなのですが、自分の部屋にある暖房器具は古ぼけた小さな電気ストーブが一つだけです。

炬燵を出してしまうとまず間違いなく散らかしてしまい、そこらじゅうに、、ミカンの皮、ピーナッツの殻、甘栗の渋皮、煎餅のクズ、マンガ各種etc.・・・・・などが散乱することになるでしょう。さらには二匹の猫たちも炬燵の住人と化してしまうために+猫の毛だらけになることも火を見るよりあきらか。

写真でご覧いただければおわかりのように、すでに電気ストーブの前にシルバーグレーのドリアン(アメリカンショートヘアーのハーフ・12歳・じじい)の尻が見えております。だいたいこの電気ストーブが点いている限り、ドリアンとジョー(ヤス猫・10歳。じじい)が反射面のまん前に団子になって寝ています。わたくしはそれを見てラッキー!などとつぶやきながら連中のど真ん中に足を突っ込み、いいかげんの温度に焼けている猫の毛皮で、冷えた足先を温めたりしておるわけです。

電気ストーブならば、動かして掃除機をかけるのはたやすい。よって猫の毛や煎餅のクズを靴下につけずにすむ。おのれのぐうたらを知り尽くした上での苦渋の選択であります。まかりまちがって電気じゅうたんなど自分の部屋に置いた日にゃァ・・・。毎日毎時、ころころカーペットを転がし続けなければ、あっという間に電気じゅうたんカバーが猫の毛で真っ白となることでしょう。やはりそれだけは避けたいのです。猫の毛つきのじゅうたんなんかクリーニングしてもらえないもん。

でもまあ、なんだかんだいって、これ一つでなんとか冬をしのげるのだから、やはり鹿児島の冬は暖かいのでしょう。ありがたいことです。