椿屋敷のお客様

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2006年12月

2006年12月16日 (土)

南天

Nec_0028_24 お正月は南天や千両、万両などの古来からの赤い実が大活躍するシーズンです。今年もそろそろこれらの実を用意しなければならない時期がやってきました。

古事記の昔から「赤い実」には魔除けの意味があるし、なによりかにより門松やおせちに使うと華やかでたいへん結構。

基本的には南天も千両も万両も、野生でも生える低木なのです。しかしこの三種の木の切り枝は、葉牡丹同様年末には値段が跳ね上がります。

矛盾しているのは「同じぐらいの大きさの根付きの木より枝のほうがはるかに高い」こと。南天なんか株立ちで7~8本の枝分かれした根付きの木と、切花用に切った一本の枝が同じぐらいの値になります。都市の消費者相手なので土と根のついた生きた木は邪魔なのです。切花に適切な枝を、ちょっとおしゃれにパッケージして花屋にだしたほうが利はいい。

千両も万両も事情は一緒。生きた木よりも枝のほうが3倍も4倍もいいお値段。

都市とは資本主義社会とは、そういうものなのであります。

2006年12月15日 (金)

ハーレム

Nec_0017_27 11月にめーさん(ヤギザーネン種・お母さん)とデートした、ヤギ師匠のところの雄ヤギくんは、今鹿児島大学に出張して何十頭という雌ヤギに囲まれウハウハのハーレム生活だそうです。

師匠のところでは、いつもいつもイライラしては小屋を角でド突いて壊していた彼が、人(ヤギ)が変わったように穏やかに生活しているそうです。

そらそうだよなあ・・・・・。雄は彼一頭だけの世界。毎朝違う雌ヤギさんとデート。コレで文句を言うとったら罰が当たるわい。ジェントルマンになろうともいうものよ。

牧畜の歴史はまさしくこの「雄の性欲のコントロール」との戦いだったようです。牛、馬、羊、ヤギ・・・・・飼いならされた草食動物では必ず雄の数が制限されます。間引き、去勢などにより数少ない雄が種雄として雌の群れの只中に残されます。

これによって①人間にとって都合のよい形質が遺伝される②群れの治安が保たれる、などの利点があります。実にこの技術をこそメソポタミア文明の時代から人類は磨き続けてきたのです。

実際、鶏なんかでも適正な雄雌の数は1:15だとか。納得。雄が多すぎると雄同士が荒れて喧嘩が絶えません。

ハーレムというのは一理あるのです。

古くから牧畜の発達してきた中東で、一夫多妻なのも現実的な知恵からきたのじゃないかのう。

写真はトカラヤギの雄ヤギです。

2006年12月14日 (木)

ディル

Nec_0027_20 ディルであります。

まあ、独特で強烈な香りがいたしますね。魚にぴったりと申します。

「お試し」と思って今年の秋に始めて植えてみましたが、よく発芽してわんさか生えてきました。ほくほく。

これはディルソースやディルビネガーを作らねばなりますまい。

古代エジプトや古代イスラエルで作られて、聖書にも載ってる由緒正しき薬草らしいです。ディルとキャラウェイ、古くからの二大薬草を隣り合った畝に蒔きました。ひそかにこのゾーンを「魔法アイテムゾーン」と呼んでおります。ここだけトンネルを被せたりして怪しげ。っふっふっふ・・・・・秘密の呪文を唱えては、大きくなあれ、大きくなあれ。

消化器系の病気にいいのですと。へえええ。

油脂

Nec_0025_26 怪談鍋島騒動で、化け猫は行灯の油をぺちゃぺちゃ舐めるので正体がばれてしまうのであります。

実際猫は油が大好き。バターやクリームは舐めたがるし、フライパンの中に油が残っていると、本当にぺちゃぺちゃ音をたてて舐めます。夜でも見える視力を維持するために特に猫は油が必要だそうな。

猫でなくとも、犬も鶏も油ものが好きだし、ヤギですらはっと気が付けば生の油粕をむさぼり食べておるという・・・・・

だいたいわれわれ人間からして、油脂を多く含む食べものをおいしいと感じます。「ご馳走」と名のつくものはほぼ必ず多くの油脂を(動物性、植物性問わず)含むもの。ここ1世紀ばかりの人類の食物史は「いかにして多くの油脂を摂るか」に重点が置かれてきました。日本人からしてが、ここ三十年で油脂の摂取量が3倍になったとのこと。

油脂を摂るためにはよく油を含んだ肉や、乳製品を摂るのが一番。その家畜を養うための飼料を輸入しているために、雑穀の国内自給率は17%!!日本近海は穀物で満杯のタンカーがひっきりなしに行ったり来たりしている状態なのです。

これは危うい数字ですよ~。おもな輸入先は中国とアメリカですが、この二国が日本のために永久的に穀物を出してくれるような国とはとても思えません。ちかぢか飼料の値段はあがるんじゃなかろうか?必然的にほとんど外国産の飼料に頼っている日本の畜産は大打撃。肉の値段が上がるぞ~~~。

2006年12月13日 (水)

ヴィンランド・サガ3巻

Nec_0026_25 「アーサー王伝説」は大好きです!前にも書きましたが「エッダとサガ(北欧神話)」と「ロビン・フッド伝説」も大好きです!

特に「アーサー王伝説」と「エッダ」「サガ」はまだヨーロッパをキリスト教が席巻し切れてないころの、ケルト系だのゲルマン系だのの魔法や妖精やなんやかやがたらふく出てきて、八百万の神に慣れ親しんでいる当方としては読むのが楽しくてしょうがないです。

そういう伝説にはなんだかんだいって歴史的事実もちゃんと絡んでいるわけで、「世界史」という教科は大好きでした。だから今の「高校未履修問題」はぜんぜんピンときません。

あんな楽しい教科はないけどなあ。「世界史地図」大好きでした。「地理」より「政治経済」より「世界史」が大事だろう。「世界史」をやればおのずと「地理」も「政治経済」もわかってくるし。なによりおもしろい。

というわけで「ヴィンランド・サガ」3巻(幸村誠著・講談社)です。

「ノルマンの征服」は世界史に出てきましたね~。細かい年代は忘れましたが、ヴァイキング。ワクワクします。幸村氏、「好戦的で残酷で手のつけられない乱暴者ばかりだった」ヴァイキングどもをまったく美化することなく描いています。3巻ではアシェラッドとトルフィンたちもせっせとイングランドの征服に励んでおります。めちゃくちゃやってるぞ~~~!

「戦って戦って死んだらヴァルハラで酒池肉林」が理想の人生のヴァイキングの中には、戦うためだけにイングランド側に走った奴もおるわけで、通称「のっぽのトルケル」という荒武者もその一人。ロンドン橋の防衛戦でトルフィンとの肉弾戦は見ごたえあり。

あいかわらず「策略の鬼」アシェラッドは冴えてるし、ローマ人の廃墟でトルフィンに語る本音とも茶化しともつかないつぶやきは、なかなか含蓄が深い。んで、このアシェラッドがあらたまった名乗りのときにいう「祖先アルトリウスの名にかけて」の「アルトリウス」、これ「アーサー王」のことなんだけど、「エーーーー?!このノンシャランなオヤジがアーサー王の子孫?またまたフカシこいて~。」と思ってたら、なーにがなにが。

このオヤジほんとにアーサー王の子孫らしい。しかも直系の最後の一人らしい。アフタヌーンの連載ではそういっとった。

アシェラッドの過去にもいろいろありそう。女と見まごうデーン王国の王子クヌートもでてきて(この子の近習たちはキリスト教徒。ここらあたりの話も発展しそうなネタ)、ますます目が離せないヴィンランド・サガ。いったいどうなるんでしょう?

2006年12月12日 (火)

イチョウ

Nec_0024_25イチョウの木が畑に一本だけあります。

どうも雄木らしく銀杏をつけません。惜しい。銀杏大好きなので、毎年「今年こそガールフレンドを植えてやらねば」と思いながら忘れてます。むなしく散り行く枯葉。ごめんよ。

植物の中でもイチョウはかなり古い一族で、中生代の石炭紀だかジュラ紀だかの木とあまり変わらないんじゃなかったかな?(←ここらあたりうろ覚え)。 メタセコイアには負けるらしいけれど・・・・・。言われてみればなんとなく無骨でクラシックな作りの木です。「まだ人類の存在しない爬虫類が地球上を闊歩した時代」の植物群に混じっていても確かに違和感はないでしょう。

幾多の環境の激変にもめげず生き残ってきた種。そういうものに憧れるのです。

2006年12月11日 (月)

忘年会

Nec_0023_20 お客様のtotto*さんちで忘年会がありました。clusterさんとtotto*さんちの旦那様とそれぞれのお子様たち参加です。お子様たちはすぐWiiに夢中。(動体視力が最近めっきり弱ってしまったので何がなんだかさっぱり。)

やっぱりtotto*さんのお料理、おいしかったなあ!おでん。自家製(!)鶏ハム。これまたおいしいおにぎり。アスパラとシメジの肉巻き。またもや腹の皮が破れんばかりに詰め込んでしまいました。もう入りません。

さらにさらに、帰り際にclusterさんち特製の豚味噌(これがまたおいしいんだわ)とスプーンさんちのコーヒーをいただいてしまいました。なんだこのシナプス人脈(笑)。

しあわせ。

食べてしゃべって、食べてしゃべって食べて・・・・・

みなさまありがとうございました。たいへんよい忘年会でした。

2006年12月10日 (日)

木霊

Nec_0020_25 お宮さんには樹齢170年、樹高22mあまり、幹周り4mあまりというムクノキがあり、県の保護樹に指定されています。

この木と同じぐらいの高さの20本ぐらいの杉木立のおかげで、小さなお宮さんの割にはなかなかの雰囲気です。

「大木には木霊が宿り、切ると祟りをなす」と昔から言いますが、まあその通りです。やたらと大きな木を切るべきではありません。

なぜなら「切ることによる周囲の環境への影響」が大きすぎるから。

木は樹高と同じぐらいの深さまで根を伸ばし、枝が張っているところまで根を張っています。このムクノキなら地下22m、直径22m円の地中に根を張り巡らしていることになります。

170年もの間、その一帯の地上には枝を張り葉を茂らせ、地中には根を張り巡らしてきた木を切って枯らしてしまったら、木が蓄えてきた水分、呼吸して吸収してきた二酸化炭素と排出してきた酸素のバランス、共生してきた動物、植物、菌類などのとのバランス、全部崩れてしまうのです。

その影響は今のところ人為じゃ計算しきれないでしょう?昔の人はそういう「人智の及ばない大木の持つ影響力」を「木霊」と呼んだのです。賢明な対処法であると思います。

もう亡くなった明治生まれのお知り合いが、お庭の大木の枝を必ず盛塩をして酒を供えてから落としてらっしゃいました。「こうしないと怪我をする」と。さもありなん。昔の人の知恵だよなあ。

2006年12月 9日 (土)

お茶・お茶・お茶

Nec_0022_24 うちには祖母が20年以上前に植えた馬鹿でかい茶の木が何本かあるのですが、その中の一本の根元から数え切れないほどたくさんの苗が生えてきてます。

落ちた実から芽が出てきたのです。

それにしてもこんなにわんさか生えてきてるのははじめてみたなあ。いつもだとここらあたりは藪になっているので種が落ちてもうまいこと苗になることができなかったのだろうけど、去年・今年とずっと定期的にヤギがきれいに草を食べてくれているので芽吹くことができたのでしょう。

2月の移植の季節になったら、あちこち移植してあげよう。隣の畑の境目に茶の木の生垣を作って、5月には新茶を摘んで、自分ちで釜煎りして、一年間のお茶を自家製茶でまかなう・・・・・・・というのが、夢なのです。

2006年12月 8日 (金)

サルノコシカケ

Nec_0021_26 サルノコシカケであります。

うちの敷地内に桑の木が一本だけあり、それにいつもサルノコシカケが生えてくるのです

桑の木そのものも誰が植えたわけでもなく、どこかの鳥がしたウンコから生えたものと思われますが、ましてやサルノコシカケなど生えてくれと頼んだわけではありません。まことに不思議です。

わたくしキノコ・コケ・菌類にまったく詳しくありません。詳しいと楽しいだろうなあ。このサルノコシカケにしたって、確か何かの薬になるんだったよね?色といい形といいなんとなく霊験あらたかそうなので、いつも気になっているのですが・・・・・「猿の腰掛」って名前もナイスじゃないですか!

いつの間にか前のやつがなくなって、代替わりしているのであります。

ううううん、やっぱキノコの勉強もしなきゃだな。