椿屋敷のお客様

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2007年6月

2007年6月20日 (水)

椿の実

Nec_0029_2 思わず「椿屋敷」などと気取った名前を名乗ってみたりするぐらいですから、うちの敷地内は椿だらけです。18年前になくなった祖父が好きだったのですが、どの木も年数がたってかなり年季の入った大きさになってます。

売り物にする植木は、毎年移植して根鉢を作らなければいけませんので、もうどの木も売れませんが、大きな木が庭や畑に植わっているのは安心感があります。ましてや台風の常襲地帯鹿児島なのでなおさらです。台風の風速に一番強いのは生木なのです。人間が作ったどんな塀よりも、よく育った生垣のほうが風を防ぐし倒れない。防風林というのはまことに正しい対処法です。

さて、椿だらけのうちの敷地は冬から春にかけて椿の花だらけ。それが一段落して今の季節になると、どこもかしこも椿の実だらけ。ツヤツヤと硬い椿の実がそこかしこにぶらさがっています。「椿油を絞ったら?」などとおっっしゃってくださる方もいるのですが、とてもとてもそこまで手が回らず・・・・・。

2007年6月19日 (火)

グラジオラスの花

Nec_0028 鹿児島は生花の使用量№1の県なのです。「おっしゃれーに玄関や応接間にアレンジメントなさってのかしら?」さにあらず。

圧倒的に仏壇と墓のお供え用なのです。一ヶ月の生花費用が1所帯につき¥5000を超えるというから凄いですぞ。

ある程度の年齢の行った薩摩人にとって「墓参り」というのは一種のイベント。鹿児島市郊外でも街外れの山の斜面に大規模な墓地がいくつもあり、盆に彼岸に正月に、命日に月命日に年忌に、そうじゃなくても何かあったらとにかく墓参。どこの家のお墓もきらきらしく生花が絶えず、うっかりうちのお墓の花が枯れていたらあ~らたいへん。うちのお墓だけがまるで無縁仏のよう。なのでたいがいの墓地に墓参用のお花屋さんがあって、箒・バケツ・柄杓の墓参セットは貸し出してくれますし、月に何千円かの手数料で替わりに墓参とお掃除もしてくれます。

生花の値段はお高いので、庭や畑を持つお宅は菊や鶏頭やアスターなんかの墓花、仏花を自分で作っていることが多いです。グラジオラスもそういう目的で作ってらっしゃるお宅は多いはず。墓に供えるとハデですもんね~~!

ただ、グラジオラスは蜜があって蟻が来るので、仏壇に飾るのは止めたほうがいいです。どこからともなく蟻がやってきて、仏壇まで蟻の行列を作ってくれたお宅を何軒も見ました。

2007年6月18日 (月)

レモンの実(未熟)

Nec_0027_2 去年は柑橘類の成りが悪かったのですが、今年はちょっといいかも。いわゆる「表年」かも。

写真はレモン。花が散ったあと、すでにレモン独特のラグビーボール状の実の形が見えます。このまま何事もなく熟してくれればいいのですが。なにせ鹿児島は台風銀座、大風が一番心配です。

レモンだけでなく柚子やカボスも豊作の気配。ただ、あんまり表年に成らせすぎると、翌年木のパワーが落ちてあまりにも成らなくなってしまうので、ある程度実が大きくなったら間引いて果実酒にするなりプリザーブにするなりの対処をせねばなりません。

2007年6月17日 (日)

野良のジャガイモ

Nec_0024 モモ(紀州犬雑種・女の子・5歳)と裏山を散歩していたら、野良のジャガイモがこんもりと藪を作っていました

誰がこんなところにイモを捨てたのでしょう?謎です。

すぐ隣には何かの柑橘類の木が自生してきていて、土地の持ち主の方が添え竹をしています。「知らんうちに生えてきたのよ~。まあ、継木の台木にはなるかと思って。」とおっしゃてました。誰かが夏みかんか何かの種を捨てたのかな?

なにせ山の中なので腐葉土がよく効いているのでしょう、ジャガイモは発育よく茂っています。考えてみればもともとがアンデス山脈かどこかの原産、こうやって野生のジャガイモも生えて繁殖しているのかも知れぬ。

2007年6月16日 (土)

中間宿主

Nec_0023 「夏の災厄」という篠田節子氏の小説があります。

テーマは「日本脳炎」。撲滅されたはずの伝染病がパワーアップして首都圏の衛星都市に大流行するというお話。あらすじに書くとこれだけだけれど、篠田氏の筆にかかるとそらもう怖かった。

この新型日本脳炎の前兆はなんと「奇形のカタツムリ」。しけたラブホテルの裏のゴミ捨て場に変なカタツムリが大発生する。「つのだせ、やりだせ、めだまだせ」のカタツムリのあの飛び出す神経器官が異常に膨張してぽろぽろ取れる。しかも夜目にもあらたかなぎらぎらの蛍光を帯びて。それがラブホテルの玄関そこら一面に散らばっているのですよ。ねーーーー!!不気味でしょ~?

結局、カタツムリは日本脳炎ウィルスの中間宿主で、ウィルスが徹底的に神経系を侵すためにそういう奇形がおこるんだけれど、中間宿主から蚊へ、そしてなすすべもなく人間へと感染は広がっていくのです。人間の体内に入ってもウィルスは容赦なく神経系を侵すので、脳が攻撃されるわけ。感染した人間の死亡率は100%。40度を越す高熱で脳の蛋白質は溶け、意識不明になってうわごと言い続けたままあっという間に死んでしまうのです。ひーーーーッ!怖いよおお!!読みながら叫び声をあげましたです。

これ、だんだん絵空事じゃなくなって来てますね。麻疹が20歳前後にはやってます。「ハシカ」だよ!「ハシカ」。何のために幼児にワクチン接種したのかわかんなくなってるじゃん。わたくしの世代以上ははハシカと水疱瘡とオタフク風邪は当然のように小学校に上がる前までに済ませている世代。ちなみにわたくし水疱瘡だけは20歳のときに罹りました。40度近く熱が出て体中に発疹が出ました。死ぬかと思いました。特に男の人なんか大人になってからこの種の病気にかかるとたいへんだよ~。

2007年6月15日 (金)

モモ、雨上がりを走る

Nec_0022 ひさびさにまとまった雨が降りましたです。これでこそ梅雨。畑も田んぼも生き返るというものです。

今朝方は雷も遠くでごろごろと鳴り、雷が苦手なモモ(紀州犬雑種・女の子・五歳)は成すすべもなく震えておりました。が、しかし夕方は雨も上がり肌もちも涼しく散歩にはもってこいの気持ちよさ。大喜びで散歩に出かけます。

まったく人通りの無い裏山の道で、思う存分走るモモ。かなりの勾配の坂道を、上がっては下り上がっては下り。3往復はしたでしょうか?それはそれは嬉しそう。顔が笑ってます。

そうだよな幸福ってこれだよな。

2007年6月14日 (木)

おおきく振りかぶって・8巻

Nec_0021 そういえば高校時代の思い出ってほとんどないなあ。今までの人生で一番つまんなかった時期だったです。今のほうが断然いい。戻りたいとはちっとも思いません。

とか思っていたら「おおきく振りかぶって・8巻」(ひぐちアサ氏・講談社)の帯に、アニメの監督の水島努氏が「高校時代をやり直したくなる!」の煽り文句。ふにゃあーーー!

確かに「おおきく振りかぶって」世界の高校生はすごいね。5巻からえんえん続いた西浦×桐青の死闘はすごかった!!

(以下ネタばれです)

こういうマンガのお約束とはいえ「公立高校で、全員一年の新設部で、監督が女」という三重苦を背負った西浦が「去年の甲子園出場校」桐青を破ってしまいました。「西浦の勝利が偶然ではない」ことをリアルにするために「西浦のメンバーの準備、作戦、心構え」を丁寧に描いて飽きさせないひぐち氏の情熱に脱帽。すごかったなあ。ついに爆発した4番田島。攻略しあぐねていたシンカーをとっさにグリップをずらして打つという離れ業。そしてキャプテン花井のホームを指す目の覚めるような送球。女監督モモカンと桐青のベテランオヤジ監督の手に汗握る采配合戦。見所満載。

勝負が決まったとき桐青のキャプテン河合が、泣きながら謝るピッチャー高瀬を抱きしめて泣くシーンには思わずこちらも胸が熱くなりましたよ。

うん。うん。

「高校時代をやり直したくなる」のセリフは「この必死さをあの時やっとけば・・・・・」ってことなんでしょうね。いや、「あの時」でなくても今でも必死にやりましょうよ。自分の高校時代は「まだ見えない先のこと」に過剰な期待をしたりいたずらに不安がったりするだけで「今の自分のこと」をまったく大事にしなかった時期でした。それが一番つまらんです。「おおきく振りかぶって」が心の柔らかいところにガツンと来るのはやっぱ登場人物がみんな「まさしく今の瞬間」を目いっぱい生きているからでしょう。

そういう意味で、やっぱ田島が一番好きかなあ。

2007年6月13日 (水)

生き返る

Nec_0020 とっくの昔に梅雨入り宣言が出ていた鹿児島ですが、ずっと晴天続き。いくら梅雨がうっとおしいとはいえ、雨が降らないのは困ります。ちょうど一昨日ご近所の方が「田んぼに水が溜まらんで困る」とこぼしてらっしゃたっところでした。

と、今日は明け方からずっと雨。よかったよかった。うちの庭も畑もがらんがらんに乾いていました。植えつけた野菜なんかも雨が降らないとなかなか大きくなりません。夕方、ちょっと小止みになったので畑を回ってみました。水を吸い上げて全てが生き生きと生き返ったよう。これでぐんと大きくなるかも。

潤いって大事だな。

2007年6月12日 (火)

ルッコラの野生化

Nec_0018 ルッコラに花が咲いて種になってもめんどくさくて(まったくもう!ずぼらなんだから)、そのまま畑にはやしておいたのですよ。

菜の花に似たルッコラの種袋が熟して破け、そこから自然に種が落ちて散らばってしまったのです。

そこらいちめんに二世代目のルッコラの芽がでてきています。独特のゴマに似た香りが漂っています。ありがたいというかもうけたというか。

大きめのやつを間引いて、昼のお蕎麦の付け合せにしました。ルッコラ、ゴマの香りに似ているのでお蕎麦に合うのです。

2007年6月11日 (月)

その名もオタフク

Nec_0019 去年の秋に孵った若い雌鶏の中で、一番変な顔をした通称「オタフク」がしばらく顔を見せないので心配しておったのですよ。

オタフクは頬に羽毛がホコホコと生えていてお多福に見える上に羽の模様も独特。きかん気も強いのですが四月には同じ腹のどの雌鶏よりも早くマスタードグリーンの藪の陰で抱卵をはじめてました。残念ながらそのときには夜中にイタチか何かが侵入して卵を盗られてしまったのです。

「たぶんどこかでまた抱卵をはじめたんだろうな」とは思っていたのですが、へたな場所だとまた卵泥棒に狙われます。「大丈夫かな~」と。

杞憂でした。朝、鶏たちにご飯をあげるときにヤギ小屋のほうから「あー―――!!ごはんだわごはんだわ!たいへん早く食べなくちゃ!」てな感じで彼女が飛び出してくるのを目撃してしまいました。

なるほど!

腹がくちくなった彼女が、そそくさと帰っていくのをそっとつけてみました。

ヤギ小屋の隣にトタン板を何枚か立てかけているのですが、その板の陰にうずくまっています。おそらくそのおなかの下には卵が抱かれているのでしょう。そのそばにはヤギの糞が溜めてあるので、そのヤギ堆肥を引っかいたら虫も食べ放題のベストポジションです。

うまい場所を見つけるもんだなあ。

今度はうまいこと雛が孵りますように。