排水工事
日本のように高温多湿の国では、排水こそが住まいの要になります。さらりと乾いてこその木の家です。吉田兼好ではありませんが「家の作りやうは、夏をむねとすべし」なのです。実際京都にいた頃、名建築と謳われた寺院や、何といっても桂離宮に行って見ましたが、こういう何世紀も残っている建築はたいへん合理的な排水システムを持っています。だからこそ腐りもせず、シロアリにもやられず今の世に残っているのです。
「そういう能書きを垂れるんだったら、とっとと自分ちの排水工事もやっとれや」
まことにごもっとも。
でもね、排水工事って屋根の上か地面の下、作業がむちゃくちゃしんどい割には、地味なのよ。目立たないのよ。今の今まで先延ばしにしていたのは派手じゃない地道な作業だから。
めんどくさがりの無精者にしては一大決心でとりかかりました。今は大汗かきかきハンマーでコンクリを砕いて、山鍬とスコップで穴を掘っては片付けるという作業を黙々とやってます。
ひょっとして自分の人生で足りなかったのは、こういう地道な地盤作りだったのかあああ―――?
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